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SEO・GEO対策

内部リンクの自動化|74件が行き止まりになった失敗と防ぐ3つの原則

記事が増えるほど重くなるのが、内部リンクを手で張る作業です。AIやツールで自動化したい、というお困りごとをよく耳にします。

内部リンクの自動化とは、記事の中の言葉に、同じサイトの別記事へのリンクを機械で張る仕組みです。手間は大きく減る一方、確かめる工程を外すと、壊れていても誰も気づけないのが落とし穴です。

私たちが支援する福祉事業者のサイトの点検データを紹介します。公開記事33本の本文リンク74件が、すべて読者の開けないページを指していました。防ぐ核は「意味のある句だけ」「公開済みの記事だけ」「本文だけ」の3原則と、最初の1回を人の目で確かめることです。

本記事では、失敗の中身と原因、3つの原則、担当者1人でもできる点検手順を紹介します。お役に立てれば嬉しく思います。

内部リンクの自動化とは|仕組みと広がっている理由

内部リンクの自動化とは、記事内の言葉と既存記事を機械で結びつけ、リンクを張る仕組みです。AIやWordPressのプラグインで実現でき、記事が増えても手作業は増えません。まずは基本の仕組みと、使う企業が増えている理由を整理します。

内部リンクの自動化は、うまく動けば担当者の強い味方です。ただし、仕組みのどこで「判断」が抜けるのかを知らないまま使うと、気づかないうちにサイトが傷みます。基本を押さえておくことが、後の失敗を防ぐ第一歩と言えるでしょう。

内部リンクとは|読者とGoogleに記事のつながりを伝える道

内部リンクとは、同じサイトの中にある別のページへのリンクのことです。例えば「SEOとは」の記事から「キーワードの選び方」の記事へ移れるリンクが、その代表例です。

内部リンクが担う役割は、大きく2つです。1つは、読者が次に知りたい情報へ迷わず進めるようにする役割です。もう1つは、Googleなどの検索エンジンに、記事どうしの関係を伝える役割です。

検索エンジンは、リンクをたどってページを見つけます。そのため、リンクの張り方はサイト全体の評価にも影響すると言えます。基本の張り方は「内部リンクの貼り方」で詳しく紹介しています。

自動化の仕組み|キーワード一致で既存記事へリンクを張る

自動化の多くは、「この言葉が出てきたら、この記事へリンクする」という対応表をもとに動きます。対応表とは、言葉とリンク先記事を組にした一覧のことです。例えば「SEO」という言葉に「SEOとは」の記事を結びつけておく、といった形です。

AIを使う場合は、記事の見出しや本文から対応表を自動で作ることもできます。新しい記事を公開するたびに、既存の記事の中から合う言葉を探して、リンクを足していく流れです。

この仕組みは、人がやると何時間もかかる作業を数分で終わらせます。一方で、機械は「その言葉にリンクする意味があるか」を自分では判断しません。ここが、後で説明する失敗の入口でした。

内部リンク自動化の一般的な流れ
1記事を公開
→
2見出し・本文から言葉を拾う
→
3既存記事の本文で同じ言葉を探す
→
4一致した箇所にリンクを張る
注意:4つ目の段階で、「その言葉にリンクする意味があるか」「リンク先が公開済みか」は判定されません。条件として教えない限り、機械は一致した言葉すべてにリンクを張ります。

中小企業で自動化が広がる理由|記事が増えるほど手作業が追いつかない

中小企業で内部リンクの自動化が広がる理由は、担当者の時間が足りないからです。記事が10本のうちは、手でリンクを張っても負担は小さく済みます。しかし50本、100本と増えると、新しい記事を書くたびに過去の記事を見直す余裕は、まず残らないでしょう。

一時的なバズではなく、記事を積み重ねて資産にする発信ほど、この悩みは深まっていきます。記事どうしをつなぐ作業が、本数に比例して重くなるためです。だからこそ、自動化は担当者にとって心強い味方です。

内部リンク自動化の失敗事例|74件すべてが読者の行けない場所へ

コントリ社内の点検データで見つかった事実です。ある福祉事業者のサイトで公開記事33本の本文リンク74件が、すべて読者の開けないページを指していました。行き先は下書きが50件、ゴミ箱が24件です。さらに、意味のない言葉へのリンクも多数見つかりました。

ここでは、点検データを3つの角度から見ていきます。リンクの行き先、リンクを張った言葉、そしてなぜ誰も気づかなかったのか、の3つです。お客様名と地名の一部は伏せています。自社のサイトに置き換えながら読んでみてください。

下書き50件・ゴミ箱24件|リンクの行き先を分類した結果

私たちコントリは、複数の企業サイトの記事制作を、共通の仕組みで支援しています。そのうちの1サイトで、本文の内部リンクを1件ずつ点検した結果が下の表です。

点検した項目件数読者から見た状態出典
公開記事の本文にある内部リンク74件(公開記事33本)公開記事へ届くものはなしコントリ社内調査
うち、下書きの記事を指すリンク50件開いても記事が読めない社内の点検データ(コントリ)
うち、ゴミ箱の記事を指すリンク24件開いても記事が読めないコントリ社内調査
一般的な地名に張られたリンク37件行き先が想像できない社内の点検データ(コントリ)
「わかりやすく」に張られたリンク12件行き先が想像できないコントリ社内調査

下書きとは、まだ公開していない記事のことです。ゴミ箱とは、削除予定として外した記事の置き場所を指します。どちらも、外の読者はリンクをたどっても中身を読めない状態にあたります。

つまり点検データのとおり、読者が本文のリンクを押すと、74回すべてで行き止まりに当たる状態でした。記事を読み進めてほしいと思って張ったはずのリンクが、逆に読者を足止めしていたわけです。

地名37件・「わかりやすく」12件|意味のない言葉にもリンク

行き先とは別に、リンクを張る言葉そのものにも問題が見つかっています。社内調査では、一般的な地名に37件、「わかりやすく」に12件のリンクが見つかりました。どちらも、意味のない言葉へ機械的に張られたものです。

ここで出てくるアンカーテキストとは、リンクが設定されている文字列のことです。例えば「内部リンクの貼り方」という文字にリンクがあれば、その文字がアンカーテキストです。

読者は、アンカーテキストを見て「押すと何が読めるか」を判断します。地名や「わかりやすく」にリンクがあっても、行き先は想像できません。Googleも、行き先が伝わるリンク文字を推奨しています。詳しくはGoogle検索セントラル「リンクに関するベストプラクティス」にあります。

意味のない言葉へのリンクと、意味のある句へのリンク
Before:機械的に一致 〇〇市で利用できる支援を、わかりやすく紹介します。 リンクの行き先 → 下書き・ゴミ箱の記事
文字だけでは、押すと何が読めるか想像できない
After:意味のある句だけ 〇〇市で利用できる支援の選び方を、わかりやすく紹介します。 リンクの行き先 → 公開中の記事
押す前から、読める内容が想像できる
※地名は伏せ字(〇〇市)で表記した例文です。

なぜ気づきにくいのか|自動化の失敗は音を立てない

この種の失敗は、エラー画面のような分かりやすい合図を出さないのが特徴です。下書きやゴミ箱を指すリンクでも、本文の上ではほかのリンクと同じ見た目だからです。

記事を書いた人は、公開前の確認で文章を読みます。しかし、リンクを1件ずつ押して確かめる工程までは、多くの現場で省かれがちです。自動化で「リンクは機械が張るもの」になると、なおさら誰も押さなくなるのが実情です。

私は、これこそが自動化のいちばん怖いところだと考えています。手作業なら1本ずつ起きるミスが、自動化では全記事に同時に、静かに広がるのです。

内部リンク自動化が静かに壊れる3つの原因

この失敗は、ツールの性能不足から起きたものではありません。「どこにリンクしてよいか」という条件が、仕組みから抜けていたことが原因です。後で紹介する3つの対策から逆算すると、抜けていた条件は次の3つに整理できます。

どれも、人が手でリンクを張るときには無意識に判断している条件です。人は「この記事はもう公開をやめた」「この言葉にリンクしても意味がない」と自然に気づきます。機械に任せた瞬間、この無意識の判断が丸ごと抜け落ちてしまうのです。

原因1:リンク先が公開済みかを確かめていない

1つ目の原因は、リンク先の記事が公開中かどうかを見ていなかった点にあります。対応表に載っている記事であれば、下書きでもゴミ箱でも、同じようにリンク先の候補になっていました。

記事の運用では、公開した記事を下書きに戻す場面が出てきます。内容の見直しや、似た記事をまとめる統合の作業で起こりやすい場面です。ゴミ箱へ移す記事も出てきます。

公開状態は、日々動くものです。リンクを張った日に公開中でも、翌月には下書きに戻っている。そんな変化は珍しくありません。変化を前提にしない仕組みは、時間とともに行き止まりを増やしていきます。

原因2:単語が一致しただけでリンクを張っている

2つ目の原因として、言葉が一致したかどうかだけでリンクを決めていた点が挙げられます。調査で見つかった地名37件や「わかりやすく」12件へのリンクは、この判定から生まれたものと考えられます。

例えば、ある記事の見出しに地名が入っていたとします。機械はその地名を「この記事を表す言葉」として拾い、他の記事に地名が出るたびにリンクを張ってしまいます。「わかりやすく」のような言い回しも、同じ流れで拾われます。

人なら「この言葉にリンクしても読者の役に立たない」と一目で判断できるでしょう。機械にその判断をさせるには、条件として明示的に教える必要があるのです。

原因3:本文と、監修者欄やボタンの文を区別していない

3つ目の原因は、リンクを張る場所を区別していなかったことです。記事のページには本文のほかに、監修者の紹介欄やボタンの文字など、本文ではない文章も並んでいます。

監修者欄とは、記事の内容を確認した専門家の名前や経歴を載せる欄のことです。例えば福祉や医療の記事では、資格を持つ方の紹介が入る場面がよく見られます。

内部リンク自動化が静かに壊れる3つの原因
原因1公開状態を見ていない下書きやゴミ箱の記事も、リンク先の候補に入ってしまう
原因2単語一致だけで判定地名や「わかりやすく」のような言い回しにもリンクが張られる
原因3張る場所を区別しない監修者欄やボタンの文まで、自動リンクの対象になる

こうした欄の言葉にリンクが入ると、紹介文の意味が変わったり、ボタンの中に別のリンクが紛れ込んだりします。自動化の対象は「本文だけ」と線を引いておくことが欠かせません。

自動リンクの対象にする場所・外す場所
本文の段落 = 自動リンクの対象意味のある句
監修者欄 ×ボタンの文 ×目次 ×要約欄 ×
○ 青い枠:リンクを足してよい場所× 点線の枠:役割が決まっているため対象外

内部リンク自動化の3つの原則|意味のある句・公開済み・対象外の場所

私たちはこの失敗のあと、自動リンクのルールを3つの原則にまとめました。意味のある句だけにリンクする、未公開の記事には張らない、監修者欄やボタンの文は対象外にする、の3つです。共通の仕組みを直し、全23サイトに反映しました。

3つの原則は、どれも特別な技術を必要としません。自社でプラグインを使う場合も、AIに指示を出す場合も、そのまま条件として書き込めます。ツールの設定画面や、AIへの指示文を見直すときのチェック項目として使ってみてください。

AIに内部リンクの候補を作らせる場合は、例えば次のような指示文が使えます。

次の記事本文に、内部リンクの候補を挙げてください。条件は3つです。
1. リンク先の内容が伝わる「意味のある句」だけを候補にする(地名だけ・「わかりやすく」などの言い回しだけは除く)
2. リンク先は、添付した「公開中の記事一覧」にある記事だけにする(下書き・ゴミ箱・予約投稿は除く)
3. 本文の段落だけを対象にし、監修者欄・ボタンの文・目次・要約欄には付けない
候補は「本文の句/リンク先のURL/理由」の表で出し、本文はまだ書き換えないでください。

最後の一文がポイントです。AIには候補を出させるだけにして、本文への反映は人が確かめてから行います。

原則1:意味のある句だけにリンクする

1つ目の原則は、リンク先の内容が伝わる「句」だけにリンクすることです。句とは、いくつかの言葉がまとまって1つの意味をなすかたまりを指します。例えば「内部リンクの貼り方」は句ですが、「わかりやすく」単独では内容が伝わりません。

実務では、地名だけ、形容詞や副詞だけといった言葉を、リンクの候補から外すのが基本です。「この文字を押したら何が読めるか」を、アンカーテキストだけで想像できるかを基準にします。

アンカーテキストとリンク先の考え方は、「内部リンクと外部リンクの違い」でも整理しています。

原則2:未公開の記事にはリンクを張らない

2つ目の原則は、公開中の記事だけをリンク先にすることです。下書き、ゴミ箱、予約投稿など、読者が読めない状態の記事は候補から外します。

大切なのは、リンクを張るときだけでなく、張ったあとも状態が変わる点を意識することです。記事を下書きに戻したり、統合して片方を外したりすると、その記事を指していたリンクは行き止まりに変わります。

リライトや統合の進め方は「記事リライトのやり方とタイミング」でも紹介しました。記事の状態を変える作業と、リンクの見直しはセットで考えるのが安全です。

原則3:監修者欄やボタンの文は対象外にする

3つ目の原則は、本文以外の場所を自動リンクの対象から外すことです。監修者欄、ボタンの文字、記事の要約欄など、役割の決まった場所には機械でリンクを足しません。

これらの場所は、読者に正確に伝えるべき情報や、押してほしい行き先がもともと決まっています。そこに別のリンクが紛れ込むと、読者が混乱するだけでなく、紹介する人や組織への信頼も揺らぎかねません。

例えば、監修者の経歴にある資格名に、関係のない記事へのリンクが付いていたとします。読者は「この資格の説明かな」と押し、まったく別の記事に飛ばされます。小さなことですが、こうした違和感の積み重ねがサイト全体の信頼を削っていくのです。

プラグインやAIに任せる場合は、リンクを足す範囲を「本文の段落だけ」と明示しておきましょう。

共通の仕組みを直して全23サイトに反映した理由

この失敗は1サイトで見つかったものですが、私たちは原因を共通の仕組みの側で直しています。同じ仕組みを使う全23サイトに、3つの原則を反映しています。

理由は単純です。1サイトだけ直しても、仕組みが同じなら別のサイトで同じことが起きます。個別の記事ではなく、ルールを作る場所を直すことが、再発を防ぐ近道だと考えています。

自社で複数のサイトやブログを持つ企業様も、同じ発想が使えます。ツールの設定やルールを1か所で管理しておけば、直すときも1回で済みます。

内部リンク自動化の3つの原則(チェックリスト)
※ツールの設定やAIへの指示文を見直すときに、1つずつチェックしてください。

内部リンク自動化の点検手順|人が一度目で確かめる5つのチェック

自動化をやめる必要はありません。大切なのは、最初の1回を人の目で確かめる工程を残すことです。ここでは、担当者1人でもできる点検手順を5つにまとめました。新しいルールで自動リンクを動かした直後に、まず試してみてください。

点検は、数本の記事を見るだけでも始められます。全件を毎回確かめる必要はありません。仕組みが正しく動いているかを、最初の1回で見届けることが目的です。

チェック1:リンク先を実際にクリックして開けるか

最初のチェックでは、リンクを実際に押してみてください。その際は、管理画面にログインしていないブラウザで開くのがポイントです。シークレットウィンドウとは、閲覧履歴やログイン状態を残さずに使えるブラウザの画面のことです。例えばChromeなら、新しいシークレットウィンドウで記事を開きます。

全記事を確かめる時間がなければ、アクセスの多い記事から5本ほど選ぶだけでも十分に意味を持ちます。1本でも行き止まりが見つかれば、仕組みの側に問題がある合図です。

チェック2:アンカーテキストだけ読んで行き先が想像できるか

2つ目は、リンクの文字だけを読んで、行き先が想像できるかを確かめることです。地名だけ、「わかりやすく」「こちら」のような言葉だけのリンクがあれば、ルールを見直します。

チェックの目安は、「このリンクを押すと○○の記事が読める」と一文で言えるかどうかです。言えないリンクは、読者にとっても意味のないリンクだと考えてよいでしょう。

例えば「〇〇市」という地名にリンクがあったとき、行き先が地域の紹介なのか、サービスの説明なのか、読者には分かりません。反対に「内部リンクの貼り方」という句なら、押す前から中身を想像できます。迷ったら、リンクの文字を声に出して読んでみるのも1つの方法です。

チェック3:同じ言葉に大量のリンクが張られていないか

3つ目では、同じ言葉に何件もリンクが集中していないかを見ていきます。点検データにあった地名37件のように、特定の言葉への偏りは要注意です。機械的な一致で張られていると疑ってよいでしょう。

調べ方としては、リンクの一覧を出して言葉ごとに件数を数えるのが確実です。プラグインやツールに一覧機能があれば活用し、なければアクセスの多い記事から目で追っていきます。

偏りが見つかったら、その言葉をリンク候補から外すルールを足します。1つの言葉を外すだけで、その言葉に張られた不要なリンクがまとめて消えます。個別の記事を直すより、ルールを直す方が早く確実です。

チェック4:監修者欄・ボタン・目次にリンクが入っていないか

4つ目は、本文以外の場所に余計なリンクが入っていないかの確認です。監修者欄、ボタン、目次、記事の冒頭の要約など、役割の決まった場所を中心に見ます。

ここは、記事の信頼を支える場所でもあるのです。特に専門家の監修が入る記事では、紹介文に別のリンクが紛れていないかを丁寧に見ておきたいところです。

目次やボタンは、テーマやプラグインが自動で作っていることも珍しくありません。その場合、自動リンクの仕組みと二重にリンクが重なることがあるため、表示されたページを見て確かめるのが確実です。管理画面の編集画面だけでは、実際の見え方は分かりません。

チェック5:記事を下書きに戻したときリンクがどうなるか

5つ目は、記事の状態を変えたときの動きを確かめることです。試しに1本の記事を下書きに戻し、その記事を指すリンクがほかの記事に残るかを見ます。

リンクが残る仕組みなら、記事を下書きに戻す作業のたびに、リンクを外す手順を決めておきましょう。統合や削除のときも同じです。状態の変化を前提にした運用こそ、行き止まりを増やさない土台になります。

確かめた結果は、社内で共有できる手順書に残しておきましょう。担当者が替わっても同じ点検ができれば、仕組みの品質は人に依存しなくなります。

人が一度目で確かめる5つのチェック
1ログアウト状態でリンクを押す
2文字だけで行き先が分かるか
3同じ言葉への偏りはないか
4監修者欄・ボタン・目次を確認
5下書きに戻したときの動きを確認
※ルールやツールを変えた直後に、番号の順で確かめます。

内部リンクの自動化と手作業の比較|任せる範囲の決め方

内部リンクは、すべて自動でも、すべて手作業でもうまくいきません。候補を探すのは機械、最終判断は人と分けると、手間と品質の両方を守れます。それぞれの得意と不得意を比べてみましょう。

どちらか一方に寄せるのではなく、作業を分けて考えるのがポイントです。機械は「探す・並べる」が得意で、人は「意味を判断する」のが得意です。この役割分担を前提にすると、自社に合う運用の形が見えてきます。

自動化・手作業・併用の比較表

自動化と手作業、その併用の3つを、手間・速さ・判断の質の観点で並べてみましょう。

内部リンクの自動化・手作業・併用の比較
観点自動化のみ手作業のみ併用(候補は機械・判断は人)
手間○ 少ない× 多い△ 確認の分だけかかる
記事が増えたときの追従○ 追いつける× 追いつきにくい○ 追いつける
リンクの意味の判断× できない○ できる○ 人が判断する
公開状態の変化への対応△ 条件を入れれば可△ 見落としがち○ 条件と人の確認で二重に守る
向いている場面条件を整えた後の定型作業記事が少ない段階記事が増え続ける中小企業
○=得意 △=条件つき ×=苦手(一般的な傾向の整理です)

自動化だけの運用は、記事が増えても追いつける一方、リンクの意味までは判断できません。手作業だけの運用は判断の質が高いものの、本数が増えると続けにくいのが弱点です。

公開状態の変化への対応は、どちらの運用でも見落としがちな点です。手作業でも、記事を下書きに戻したときに他の記事のリンクまで見直す人は多くありません。併用の運用なら、機械に「公開中だけ」という条件を持たせ、人は意味の判断に集中できます。

中小企業におすすめの分担|候補は機械、最終判断は人

担当者が少ない中小企業には、併用がおすすめです。機械にはリンク候補の洗い出しを任せ、人は候補を見て「張る・張らない」を決める役割を担います。

例えば、新しい記事を公開したら、機械が既存記事の中からリンク候補を一覧で出します。担当者はその一覧を5分ほど眺め、意味のある句か、リンク先が公開中かだけを確かめて承認する流れです。

記事どうしのつながりを最初から設計しておくと、判断はさらに楽になるはずです。

候補は機械、最終判断は人|併用運用のサイクル
1機械がリンク候補を一覧にする
2人が意味と公開状態を確かめて承認
3本文に反映・公開
4統合や下書き化のたびに再点検
1 → 2 → 3 → 4 → 1 の順で回し続ける(2が人の担当)

ピラー記事とその周辺記事を結ぶ考え方は「トピッククラスターの作り方」で詳しく解説しています。

内部リンク自動化を蓄積型発信の味方にするために

内部リンクは、記事どうしをつなぎ、サイト全体を資産にする道です。自動化はその道を速く広げますが、行き止まりも同じ速さで増やします。最後に、自動化と付き合うための考え方を2つ紹介します。

記事を1本ずつ積み上げる発信は、時間をかけて効いてくる資産です。その資産をつなぐ道が行き止まりだらけでは、せっかくの蓄積が読者に届きません。自動化を味方につけるための考え方を、運用の場面に沿って見ていきます。

速さより「一度目の確認」を工程に組み込む

1つ目は、自動化の工程の中に、人が確かめる1回を組み込んでおくことです。毎回すべてを見る必要はなく、ルールを変えた直後と、新しいツールを入れた直後の1回で構いません。

自動化の価値とは、速さそのものです。ただ、速さは正しいときにしか価値になりません。最初の1回で正しさを確かめてから任せる。この順番を守るだけで、静かに壊れる事故の多くは防げます。

一時的な効率より、長く積み上がる品質を大切にする。これは、私たちが大切にしている蓄積型発信の考え方そのものです。詳しくは「蓄積型発信とは何か」で書いています。

記事を下書きに戻す・削除するときもリンクを見直す

2つ目は、記事を減らすときにもリンクを意識する姿勢です。記事を書くときはリンクを考えても、下書きに戻すときや削除するときには忘れがちです。

行き止まりのリンクは、読者がサイトを離れるきっかけにもつながるもの。読者がすぐに離れてしまうページの見直し方は「直帰率を改善する方法」でまとめました。記事の状態を変えたら、その記事へのリンクも一緒に見直す。この習慣が、蓄積した記事を資産のまま守ってくれます。

よくある質問

内部リンクの自動化はやめたほうがよいですか?

やめる必要はありません。リンク先が公開済みか、意味のある句か、本文の中か、という条件を仕組みに入れることが前提です。そのうえで最初の1回を人が確かめれば、手間を減らしながら品質を守れます。

下書きやゴミ箱の記事へのリンクは、読者にはどう見えますか?

本文では普通のリンクと同じ見た目ですが、押しても読者は記事を読めません。画面上ではほかのリンクと見分けがつかないため、運営側が気づきにくい点に注意が必要です。

どの言葉にリンクを張ればよいですか?

リンク先の記事の内容を表す、意味のある句に張るのが基本です。地名だけ、「わかりやすく」のような言い回しだけでは、読者は行き先を想像できません。

記事を下書きに戻すときに気をつけることは?

その記事を指すリンクが、ほかの記事に残っていないかを確かめます。自動化の仕組みにも「未公開の記事にはリンクしない」という条件を入れておくと安心です。

自動化したリンクの点検は、どのくらいの頻度で行えばよいですか?

最低限、ルールやツールを変えた直後に1回は確かめます。加えて、記事の統合や削除をまとめて行ったあとにも点検すると、行き止まりのリンクを早く見つけられます。

まとめ|内部リンクの自動化は「一度目を人が確かめる」ことで資産になる

内部リンクの自動化は、記事が増える中小企業にとって心強い仕組みです。ただし、確かめる工程を外すと危うい面もあります。社内の点検データでは、公開記事33本の本文リンク74件がすべて下書きやゴミ箱を指していました。地名や言い回しなど、意味のない言葉へのリンクも見つかっています。

防ぐための原則は、次の3つ。意味のある句だけにリンクする、未公開の記事には張らない、監修者欄やボタンの文は対象外にする。そして、ルールを変えた直後の1回を人の目で確かめることが何より効きます。

自動化は便利ですが、確かめる工程を外すと静かに壊れます。速さと確認の両方を工程に組み込み、積み上げた記事を読者が迷わず歩けるサイトに育てていきましょう。

飯塚昭博

この記事の著者

飯塚 昭博

Akihiro Iitsuka

コントリ株式会社 代表取締役

青山学院大学卒業後、自動車会社にて年間180億円規模の設備調達を担当。中小企業経営者の想いに触れる中でその価値を伝えることに使命を感じ、2023年独立。経営者インタビューメディア「コントリ」を運営し、経営者の方々への取材を重ねている。SEO・AI活用・発信設計を通じて中小企業の「伝わる発信」を支援している。

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