「記事を増やしているのに、問い合わせが増えない」。BtoB企業の発信担当者から、よくいただくお悩みです。本数だけ追っても、成果につながらない。そんな手詰まりを感じていませんか。
この悩みに、明快な答えを出したのが、Web制作会社の「ベイジ」です。ベイジは広告に頼らず、数万字におよぶ高密度な記事を積み上げました。本数ではなく、一本の深さで勝負したのです。その結果、年400件を超えるリードと、年100名を超える応募を同時に獲得しています。
本記事では、ベイジが何をしたのか、なぜ成果が出たのかを分解します。あわせて、中小BtoBが「量より質」の発信を始める手順まで整理しました。「専門性で選ばれる」発信のヒントになれば嬉しく思います。
中小BtoBの実践ノウハウをハッシンラボで
この事例から中小企業が学べること
結論からお伝えします。学ぶべきは「量より質」という発想です。浅い記事をたくさん出すより、深い記事を一本書く。その一本が、信頼となって仕事と人を呼び込むのです。
特別な広告予算は要りません。むしろ、専門知識を持つ中小BtoBほど有利でしょう。大切なのは、自社の知識を出し惜しまない覚悟です。私たちが中小企業の発信を支援する現場でも、成果を分けるのは本数ではなく一本の深さだと感じています。
結論:専門性を出し惜しまない発信が勝つ
ベイジが証明したのは、「知識を出すほど選ばれる」という事実です。多くの企業は、ノウハウを隠したがります。手の内を見せれば、真似されると考えるからです。
しかし、実際は逆に働きます。惜しみなく教える会社ほど、専門性が伝わり信頼されるのです。表面的な情報は真似できても、深い知見までは簡単に真似できません。出し惜しみは、機会を逃すだけ。知識の公開こそが、最大の差別化になります。
なぜ「量より質」が中小BtoBに効くのか
「量より質」は、今の中小BtoBにこそ向いています。理由は2つ。まず、広告に頼らず始められること。次に、専門性そのものが武器になることです。
BtoBの購買では、発注前に念入りな比較検討がおこなわれます。だからこそ、疑問に深く答える記事が効いてきます。浅い記事が並ぶ業界なら、深い一本はひときわ際立つでしょう。BtoBの発信の基本はBtoB企業のコンテンツマーケティングの始め方もご覧ください。
何をした会社か|ベイジとは
ベイジは、BtoBに特化したWeb制作会社です。企業のサイト制作やマーケティング支援を手がける会社です。広告で派手に売り込むタイプではありません。発信の力で、着実に仕事を集めてきた会社です。
その武器が、オウンドメディアです。いったい、どんな発信をしてきたのでしょうか。
本数を競わず、一本の記事に
専門知識を出し切る
数万字におよぶ高密度な記事を積み上げ、広告に頼らず年400件超のリードと年100名超の応募を同時に獲得。「量より質」で専門性を武器にしたBtoB発信の好例です。
BtoBに特化したWeb制作会社
ベイジが扱うのは、BtoB、つまり企業を相手にしたビジネスです。BtoBとは、企業が企業に商品やサービスを売る取引のことを指します。個人向けと違い、検討期間が長く、関わる人も多い。これが大きな特徴です。
そうした相手に響くのは、感覚的な宣伝ではないのです。論理と専門性で「この会社なら任せられる」と思わせることが鍵になります。ベイジは、この特性を深く理解していました。だからこそ、発信の軸を専門知識に置いたのです。私たちが中小BtoBの発信を支援する際も、まず自社の専門知識の棚卸しから始めます。
2011年から発信を積み上げてきた
ベイジの発信は、一朝一夕で育ったものではないのです。2011年から、5種類ものオウンドメディアを立ち上げてきた歴史があります。その試行錯誤の中で、成功も失敗も重ねてきました。
長く続けるうちに、独自の運用メソッドが磨かれました。一本ずつ着実に積み上げた記事が、今では大きな資産です。発信は、続けた年数の分だけ効いてくる。ベイジの歩みは、そのことを物語っています。
なぜ成果が出たのか|高密度な記事が信頼を生む仕組み
ベイジの成功には、明確な理由があります。一本一本の、圧倒的な密度です。知識を出し惜しまない記事が、それ自体で実力の証明になりました。仕組みを分解してみましょう。
高密度な記事が信頼を生む3つの工夫
1. 出し惜しまない
数万字で実務ノウハウまで公開。深く語れること自体が実力の証明になり、信頼に変わる。
2. 長く読まれる資産
「伝わる提案書の書き方」は約70万PV。一本が何年も読者を集め、問い合わせを生み続ける。
3. 採用にも効く
社員の日報を公開する「baigie日報」で働き方が伝わり、入社を決める人も。
数万字の記事で知識を出し惜しまない
ベイジの記事は、とにかく濃い。一本で数万字におよぶものも珍しくありません。提案書の書き方、Web制作の進め方、デザインの考え方。実務で培った知識を、惜しみなく公開する。その徹底ぶりが際立ちます。
ここまで書くと、ノウハウの流出を不安に思う方もいるでしょう。しかしベイジは、公開を選びました。なぜなら、深く語れること自体が実力の証明になるからです。読んだ人は「ここまで知っているなら任せたい」と感じるのです。出し切る勇気が、信頼に変わりました。
1記事が70万PVの資産になることも
高密度な記事は、長く読まれ続けます。たとえば「伝わる提案書の書き方」という記事は、約70万PVに達しました(出典:ベイジ)。一本の記事が、何年も読者を集める資産になったのです。
しかも、こうした記事から「この記事でベイジを知った」という問い合わせも生まれています。広告なら、出稿をやめれば効果が止まります。一方、深い記事は公開後も働き続けます。一本の質が、長期の集客力を生むわけです。
日報の公開が採用にも効く
ベイジの発信は、リード獲得だけにとどまりません。「baigie日報」という、社員の日報を公開する取り組みもあります。職場の雰囲気や仕事の学びが、リアルに伝わってきます。
この日報を読んで、入社を決めた人も少なくありません。求職者は、働く前から会社の空気を感じ取れる。これは大きな安心材料でしょう。専門記事が見込み客を、日報が求職者を引き寄せる。発信が、複数の役割を同時に果たす。一石二鳥どころではありません。
数字で見る成果
ベイジの「量より質」の発信は、数字にもはっきり表れています。広告に頼らず、これだけの成果を出している点に注目してください。
広告に頼らず築いた成果
2011年から5メディアを運営・「量より質」の発信で
年400件超
獲得したリード(問い合わせ等)
年100名超
インバウンドの応募者
約70万PV
「伝わる提案書の書き方」1記事
年400件超のリードを獲得
ベイジは、オウンドメディアを軸に年400件超のリードを獲得しています(出典:ベイジ)。リードとは、問い合わせや資料請求など、見込み客との接点を指します。広告費ではなく、記事の力で生み出した数字になります。
注目すべきは、その質の高さです。深い記事を読んで問い合わせる人は、すでに会社への理解と信頼を持っています。商談がスムーズに進みやすい。これも見逃せない利点です。数だけでなく、質の高いリードを集められる。これが、高密度な発信の強みでしょう。
年100名超がインバウンドで応募
成果は、採用にも広がっています。ベイジには、年100名超がインバウンドで応募してきます。インバウンドとは、こちらから誘わずとも、向こうから来てくれることを指します。
発信を通じて会社を知り、価値観に共感した人が応募する流れです。求人票だけでは伝わらない働き方が、記事や日報からにじみ出るからでしょう。採用広告に頼らずとも、人が集まる仕組みができあがりました。リードと採用、両方に効く発信。一本の質の高い記事が、二つの成果を生む好例といえます。
量より質で選ばれる発信の型を一緒に学びませんか
中小BtoBの現場目線でわかりやすくお伝えします。
自社に応用する|中小BtoBが今日から始める3ステップ
ここからが本題です。ベイジの発信は、専門知識を持つ中小BtoBほど再現しやすいものです。最初から数万字を目指す必要はありません。3つのステップに整理しました。
中小BtoBが今日から始める3ステップ
1
顧客が本当に困っている問いを1つ選ぶ
営業や問い合わせで繰り返し聞かれることが題材。テーマ選びが記事の成否を半分決める。
2
専門知識を出し切って答える
「ここまで書いていいのか」と迷うくらいが適切。専門用語は説明を添え、平易に書く。
3
本数より「深さ」で勝負する
月10本の浅い記事より、月1本の深い記事。一本ずつ積み上げ、長く効く資産にする。
STEP1:顧客が本当に困っている問いを1つ選ぶ
最初の一歩は、テーマを1つに絞ることです。あれもこれもと欲張るのは禁物。まず1つに絞ります。顧客がよく口にする悩みや質問を、まず1つ選びましょう。「どう選べばいいか」「失敗しないコツは」といった切実な問いが理想です。
良いテーマは、現場にあります。営業や問い合わせ対応の中で、繰り返し聞かれることはありませんか。それこそが、深く答える価値のある問いです。テーマ選びが、記事の成否を半分決めます。逆にいえば、ここさえ外さなければ、深く書く価値のある一本になります。
STEP2:その問いに専門知識を出し切って答える
次に、選んだ問いへ知識を出し切ります。表面をなぞるのではなく、実務で培ったノウハウまで踏み込みたいところです。「ここまで書いていいのか」と迷うくらいが、ちょうどよい深さです。
専門用語には、かならず説明を添えてください。読み手が中学生でも分かるように書く。これが理想形です。ベイジの記事も、難しい内容を平易に解きほぐしていました。出し惜しまず、しかし分かりやすく。この両立が、信頼を生みます。
STEP3:本数より「深さ」で勝負する
最後に、本数のノルマを手放します。月10本の浅い記事より、月1本の深い記事のほうが効くからです。ベイジも、量で勝負していません。一本ずつの密度で、競合と差をつけました。
もちろん、最初の一本は時間がかかります。それでも、深い記事は長く読まれる資産になります。焦らず、一本ずつ積み上げましょう。発信を資産に育てる考え方は規模別のオウンドメディア事例もご覧ください。
つまずきやすい点・注意点
最後に、始める前に知っておきたい注意点をお伝えします。高密度な記事は強力ですが、進め方を誤ると息切れします。落とし穴も理解しておきましょう。
量より質の発信「失敗」と「工夫」
| やりがちな失敗 | うまくいく工夫 |
|---|---|
| 本数ノルマを課す | 一本にじっくり取り組む |
| 書きやすいテーマを選ぶ | 顧客の悩みからテーマを選ぶ |
| すぐ成果を求める | 長く読まれる資産として育てる |
1記事に時間がかかることを前提にする
まず大切なのが、工数を見込んでおくことです。数万字の記事を、片手間で量産するのは不可能。本数のノルマを課すと、質が落ちるか、途中で力尽きます。
ベイジのような深い記事は、一本に相応の時間を要します。だからこそ、月1〜2本でも構いません。無理のないペースを先に決めておきましょう。続けられる計画が、結果的にいちばん多くの資産を残します。
テーマは「顧客の悩み」から選ぶ
もう一つの注意点が、テーマ選びです。自社が書きやすいテーマに逃げると、読者には響きません。大切なのは、顧客が本当に困っていることを選ぶ視点です。
書き手の都合ではなく、読み手の悩みを起点にしましょう。問い合わせやアンケートに、ヒントが隠れているものです。深く書いても、テーマがずれていては成果につながりません。誰の、どんな悩みに答えるのか。ここを外さないことが肝心です。発信の進め方に迷ったら、ハッシンラボ Premiumの個別相談もご活用ください。あわせてオウンドメディアの成功事例13選もご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「量より質」とは、具体的にどういう発信ですか?
記事の本数を増やすことより、一本一本を深く作り込む発信です。ベイジは数万字におよぶ高密度な記事を積み上げました。浅い記事を量産するのではなく、読者の疑問に徹底的に答える一本を書く。その深さが信頼となり、リードや採用につながります。
Q2. 中小BtoBでも、ベイジのような発信はできますか?
できます。むしろ、専門知識を持つBtoB企業ほど向いています。広告予算がなくても、自社の知識は出し惜しまずに記事化できるからです。最初から数万字を目指す必要はありません。顧客がよく悩む問いを1つ選び、それに本気で答える一本から始められます。
Q3. 知識を公開すると、競合に真似されませんか?
不安に感じる方は多いですが、実際は逆に働きます。知識を出し惜しまない会社ほど、専門性が伝わり信頼されるからです。ベイジも、提案書の書き方など実務的な知識を惜しみなく公開しています。表面的な情報は真似できても、深い知見と実績の裏づけまでは簡単に真似できません。
Q4. 高密度な記事は、書くのに時間がかかりませんか?
時間はかかります。数万字の記事を、片手間で量産することはできません。だからこそ、本数のノルマは設けず、一本にじっくり取り組む前提が大切です。月1〜2本でも、深い記事が積み上がれば十分な資産になります。工数を見込んだうえで、続けられるペースを決めましょう。
Q5. リードと採用の両方に効くのはなぜですか?
質の高い発信は、見込み客にも求職者にも「この会社は信頼できる」と伝わるためです。ベイジは記事で年400件超のリードを得ると同時に、年100名超の応募も獲得しています。専門性の高い記事は仕事を依頼したい人に響き、働き方が伝わる発信は応募者に響きます。一つの発信が、二つの成果を生むのです。
出し惜しまない発信の進め方を一緒に整理しましょう
今ある専門知識を起点に、最初の一歩をご一緒に考えます。