検索される「目的×テンプレート」を網羅したCanvaのSEO事例|中小企業がニッチKWを1つずつ取る発想

2026.06.07
SEO・GEO対策

「SEOで上位を取りたいが、ビッグキーワードでは大手に勝てない」。中小企業の発信担当者から、よくいただくお悩みです。検索の上位は、資本力のある大企業に占められている。そう感じて、あきらめていませんか。

その壁を越えるヒントが、デザインサービス「Canva」のSEO戦略にあります。同社は、検索される「目的×テンプレート」を徹底的に網羅しました。その結果、月に数億ものオーガニック訪問を集めています。鍵は、ビッグキーワードではなく、無数のニッチなキーワードを取りに行ったことです。

本記事では、Canvaが何をしたのか、なぜ膨大な流入を得たのかを分解します。あわせて、中小企業がニッチなキーワードを1つずつ取る手順まで整理しました。「大手と戦わずに勝つ」SEOのヒントになれば嬉しく思います。

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この事例から中小企業が学べること

結論からお伝えします。学ぶべきは「ニッチな検索キーワードを、1つずつ取りに行く」という発想です。Canvaは何万ものページで網羅しました。同じ量産は中小には無理ですが、その考え方は十分に転用できます。

特別なシステムは要りません。むしろ、特定分野に強い中小企業ほど、ニッチで戦えます。大切なのは、自社が答えられる検索意図に、丁寧に応えることです。私たちが発信を支援する現場でも、中小の勝ち筋は「ニッチを1つずつ」だと感じています。

結論:大量LPは無理でも「1つずつ」は真似できる

Canvaが示したのは、「ニッチの積み重ねが、大きな数字になる」という事実です。一つひとつのキーワードは、検索数が少なめです。しかし、それを大量に集めれば、巨大な流入になります。

中小企業が、何万ページも作るのは現実的ではないでしょう。けれど、月に数本でも、ニッチなキーワードを取り続けることはできます。10記事で10個、1年で50個。1つずつでも、積み上げれば確かな資産です。発想さえ真似れば、規模が小さくても効果は出ます。

なぜニッチKW戦略が中小企業に効くのか

ニッチなキーワード戦略は、今の中小企業にこそ向いています。理由は2つ。まず、大手が狙わない隙間で勝負できること。次に、買う気のある人に、まっすぐ届くことです。

ビッグキーワードは、大手がひしめく激戦区です。一方、具体的でニッチな言葉は、競合が手薄になります。しかも、ニッチな検索をする人ほど、目的が明確です。コンテンツSEOの考え方はAhrefsの製品で教えるコンテンツの事例もご覧ください。

何をした会社か|Canvaの「目的×テンプレート」網羅

Canvaは、専門知識がなくても、誰でも簡単にデザインを作れるサービスです。2013年の創業から、急成長を遂げました。その成長を支えた柱のひとつが、SEOです。

いったい、どんな戦略だったのでしょうか。

Canvaの戦略

検索される「目的×テンプレート」
網羅し、ニッチKWで流入を集める

「○○の作り方」という無数の検索意図に専用ページで応えるプログラマティックSEOと、教育サイトDesign Schoolを両立。月数億のオーガニック訪問を集めました。

「○○の作り方」という検索意図を網羅する

Canvaが着目したのは、人々の具体的な検索行動でした。「名刺の作り方」「結婚式の招待状テンプレート」「Instagramの投稿の作り方」。人は、こうした具体的な目的で検索します。

Canvaは、その一つひとつに専用のページを用意しました。これを、プログラマティックSEOと呼びます。検索される目的ごとに、ページを大量かつ体系的に作る手法のことです。「○○の作り方」と検索した人が、ぴたりと合うページにたどり着く。この網羅性が、膨大な流入を生みました。

教育サイト「Design School」で信頼を築く

Canvaの発信は、テンプレートのページだけではありません。「Design School」という、デザインを学べる教育サイトも運営しています。デザインのコツや考え方を、無料で教えるコンテンツです。

ここが、巧みな点です。テンプレートで「やりたいこと」に応え、教育サイトで「学びたいこと」に応える。両方を押さえることで、信頼が積み上がりました。単にツールを提供するだけでなく、ユーザーの成長まで支える。この姿勢が、ブランドへの愛着を育てたのです。

なぜ成果が出たのか|検索意図を満たす仕組み

Canvaの成功には、明確な理由があります。検索する人の「やりたいこと」に、ぴたりと応えたことです。その仕組みを分解してみましょう。

検索意図を満たす3つの仕組み

1. 意図にぴたり合うページ

「名刺の作り方」には名刺テンプレを。探していたものがすぐ現れ、検索でも高評価。

2. すぐ使えて会員化

ログインせず試せて満足度が高い。テンプレページ経由の会員化率は約18%。

3. ニッチの積み重ね

一つは小さくても何万も束ねれば桁外れに。小さな勝ちの積み重ねが大きな力に。

検索意図にぴたりと合うページを用意する

Canvaのページは、検索意図にぴたりと合っています。「名刺の作り方」と検索した人には、名刺のテンプレートを。「ポスター」と探した人には、ポスターの作成画面を。探していたものが、すぐ目の前に現れるのです。

これは、当たり前のようで難しいことです。多くのサイトは、検索意図とずれた一般的なページを返します。一方、Canvaは一つひとつの意図に、専用ページで応えました。ユーザーの「これが欲しかった」に応える。その徹底が、検索でも高く評価されました。

すぐ使えるから高い確率で会員になる

Canvaの賢さは、流入で終わらせなかった点にあります。ページにたどり着いた人は、その場ですぐデザインを作り始められます。ログインせずとも、試せるのです。

「やりたいこと」がすぐ叶うため、満足度が高まります。そして、多くの人がそのまま会員になります。テンプレートのページ経由では、会員になる割合が約18%に達したとされます(出典:GrackerAI)。一般的な記事の会員化率を、大きく上回る数字です。検索意図に応え、その場で価値を渡す。この流れが成果を生みました。

ニッチを積み重ねると大きな数字になる

Canvaの戦略の本質は、「塵も積もれば山となる」です。一つのニッチなキーワードの流入は、ごくわずか。しかし、それを何万も積み重ねれば、桁外れの数字になります。

実際、テンプレートのページ群だけで、月に1000万を超える訪問を集めています。一つひとつは小さくても、合計すれば巨大です。これは、中小企業にも大きな示唆を与えます。一発の大きなキーワードを狙うのではなく、小さな勝ちを積み重ねる。その地道さが、結局は大きな力になるのです。

数字で見る成果

CanvaのプログラマティックSEOは、桁外れの数字を生みました。ニッチの積み重ねが、どれほどの流入になったかに注目してください。

ニッチの積み重ねが生んだ成果

プログラマティックSEO+教育サイト

月数億訪問

オーガニック(最大2.7億)

月1310万訪問

/templates約2.1万ページ群だけで

会員化率18%

テンプレ経由(静的ブログは約0.5%)

月数億のオーガニック訪問を獲得

Canvaが集めるオーガニック訪問は、月に数億規模にのぼります。最大で月2.7億という数字も報告されています(出典:Capgo)。広告ではなく、検索からの自然な流入です。

この数字を支えるのが、無数のニッチページです。たとえば、テンプレートのページ群だけで、月1300万超の訪問があります。一つひとつは地味でも、束ねれば莫大な流入になりました。検索意図を網羅する戦略が、世界規模の集客装置を作り上げたのです。

テンプレページ経由は会員化率18%

流入の多さだけが、成果ではありません。注目すべきは、その質の高さです。テンプレートのページから訪れた人は、約18%が会員になりました。

一般的なブログ記事の会員化率は、0.5%ほどとされます。それと比べると、18%は驚異的です。なぜ、これほど高いのか。理由は、検索意図にぴたりと合い、その場で使えるからです。「やりたいこと」がすぐ叶うページは、流入だけでなく成果にも直結します。量と質を両立した好例でしょう。

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自社に応用する|中小企業がニッチKWを取る3ステップ

ここからが本題です。Canvaの何万ページもの量産は、中小には無理です。しかし「ニッチを1つずつ取る」発想なら、今日から始められます。3つのステップに整理しました。

中小企業がニッチKWを取る3ステップ

STEP
1

「使い方・選び方」を検索目線で洗い出す

お客様がどんな目的で検索するか。「使い方」「選び方」「失敗しない方法」を書き出す。

STEP
2

ニッチなキーワードを1記事ずつ取りに行く

ビッグKWは狙わない。検索数は小さくても買う気のある人が探す具体的な言葉を月数本ずつ。

STEP
3

教育コンテンツで信頼を積み上げる

解決記事に加え「学べる」コンテンツを。検索意図に応える記事と学びの記事の両輪で厚みを出す。

STEP1:商材の「使い方・選び方」を検索目線で洗い出す

最初の一歩は、検索される言葉を洗い出すことです。お客様は、どんな目的で検索するか。「使い方」「選び方」「失敗しない方法」。自社の商材に関わる、具体的な検索意図を書き出しましょう。

ポイントは、検索する人の目線に立つことです。自社が言いたいことではなく、お客様が知りたいことを探します。よく受ける質問が、そのままヒントになります。Canvaも、「○○の作り方」という生の検索行動から出発しました。

STEP2:ニッチなキーワードを1記事ずつ取りに行く

次に、洗い出したキーワードを1つずつ記事にします。ビッグキーワードは狙いません。検索数は小さくても、買う気のある人が探す言葉を選びます。「○○ 選び方 比較」のような、具体的な言葉が狙い目です。

大量生産は不要です。月に2〜3本でも、続ければ積み上がります。一つひとつの記事で、その検索意図に丁寧に答えましょう。Canvaの網羅性を、中小は「継続」で再現するのです。小さな勝ちを、コツコツ重ねていきます。

STEP3:教育コンテンツで信頼を積み上げる

最後に、教育コンテンツも合わせます。商品ページや解決記事に加え、「使い方を学べる」コンテンツを用意するのです。Canvaのデザインスクールが、まさにこれでした。

学びを提供すると、信頼が生まれます。その信頼が、指名検索やリピートにつながります。検索意図に応える記事と、学びを与える記事。この両輪で、発信に厚みが出ます。AI時代の検索対応はAI検索に選ばれるコンテンツもご覧ください。

つまずきやすい点・注意点

最後に、始める前に知っておきたい注意点をお伝えします。ニッチKW戦略は、量産と薄いページに気をつける必要があります。落とし穴を理解しておきましょう。

ニッチKW戦略の「失敗」と「工夫」

やりがちな失敗うまくいく工夫
薄いページを大量生産する1記事ずつ検索意図に丁寧に答える
ビッグキーワードに固執するニッチで具体的な言葉を狙う
短期で大量に作ろうとする質を保ち1つずつ積み上げる

薄いページの量産は逆効果になる

まず注意したいのが、量産の罠です。「数が大事」と聞くと、つい薄いページを大量に作りたくなります。しかし、中身の薄いページを量産しても、今の検索エンジンには評価されません。むしろ、サイト全体の評価を下げる恐れもあります。

Canvaが成功したのは、ただ量産したからではありません。一つひとつのページが、検索意図にしっかり応えていたからです。中小企業は特に、量より質を優先すべきでしょう。1記事ずつ、読者の役に立つ中身を込めることが大切です。

焦らず1つずつ積み上げる

もう一つの注意点が、成果を急ぐことです。ニッチKW戦略は、1記事ずつ積み上げる地道な手法です。すぐに大きな流入が出るわけではありません。焦って大量に作ると、質が落ちてしまいます。

Canvaも、毎営業日の更新を長く続けて今の規模に達しました。一夜にして成ったわけではないのです。月に数本でも、続ければ必ず積み上がります。短期の成果でなく、長期の資産づくりと捉えましょう。発信の進め方に迷ったら、ハッシンラボ Premiumの無料相談もご活用ください。あわせてオウンドメディアの成功事例13選もご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 「プログラマティックSEO」とは何ですか?

検索される無数のキーワードに対し、ページを大量かつ自動的に用意してSEOで上位を狙う手法です。Canvaは「○○の作り方」「○○テンプレート」といった検索意図ごとに、専用ページを大量に作りました。中小企業がそのまま量産するのは難しいですが、考え方は応用できます。

Q2. 中小企業に、何万ページもの量産は無理ではないですか?

そのとおり、量産は現実的ではありません。だからこそ、応用すべきは「ニッチなキーワードを1つずつ取りに行く」という発想です。大量生産でなく、自社が答えられる検索意図に、1記事ずつ丁寧に応えていきます。1つずつでも積み重ねれば、確かな流入の資産になります。

Q3. どんなキーワードを狙えばよいですか?

自社の商材の「使い方」や「選び方」に関わる、具体的なキーワードが狙い目です。検索ボリュームは小さくても、買う気のある人が探す言葉を選びましょう。たとえば「○○ 選び方 失敗しない」のような具体的な悩みです。大きな言葉より、ニッチで具体的な言葉のほうが中小には取りやすくなります。

Q4. 教育コンテンツも必要ですか?

あると効果的です。Canvaも、テンプレートのページに加え、デザインを学べる教育サイトを運営していました。使い方や選び方を教えるコンテンツは、信頼を生み、指名にもつながります。商品ページだけでなく、学びを提供するコンテンツも合わせると、発信の厚みが増します。

Q5. ニッチKW戦略は、成果が出るまで時間がかかりますか?

かかります。1記事ずつ積み上げる戦略のため、効果が表れるまでには時間が必要です。Canvaも、毎営業日の更新を地道に続けて今の規模に達しました。短期で大量に作ろうとすると、薄いページの量産になり逆効果です。質を保ちながら、1つずつ着実に積み上げることが成功の条件です。

飯塚昭博

この記事の著者

飯塚 昭博

Akihiro Iitsuka

コントリ株式会社 代表取締役

青山学院大学卒業後、自動車会社にて年間180億円規模の設備調達を担当。中小企業経営者の想いに触れる中でその価値を伝えることに使命を感じ、2023年独立。経営者インタビューメディア「コントリ」を運営し、100社以上の経営者を取材。SEO・AI活用・発信設計を通じて中小企業の「伝わる発信」を支援している。

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自社のニッチKW戦略を一緒に整理しましょう
Canvaの発想は、規模が小さくても転用できます。
御社の強みに合った検索意図を、一緒に洗い出すお手伝いをします。
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