営業ゼロで年商100億超を達成したAhrefsの「製品で教える」コンテンツ事例|中小サービス業への応用

2026.06.07
SEO・GEO対策

「コンテンツで集客したいが、自社製品の宣伝になると読まれない」。中小企業の発信担当者から、よくいただくお悩みです。売り込みたい気持ちと、読者に役立ちたい気持ち。この二つは、両立しないものでしょうか。

その答えを示すのが、海外のSEOツール会社「Ahrefs」です。同社は営業チームを持たず、製品で課題解決を教えるコンテンツだけで、年商100億円超へと成長しました。宣伝ではなく、まず役立つ知識を渡す。その姿勢が、読者を顧客に変えたのです。

本記事では、Ahrefsが何をしたのか、なぜ成果が出たのかを分解します。あわせて、中小のサービス業が「教えるコンテンツ」を始める手順まで整理しました。「売り込まずに選ばれる」発信のヒントになれば嬉しく思います。

売り込まずに選ばれる発信を実現した
中小企業の「教えるコンテンツ」づくりをハッシンラボで
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この事例から中小企業が学べること

結論からお伝えします。学ぶべきは「自社の製品が解決する課題を、教えるコンテンツにする」という考え方です。これは「product-led content(プロダクトレッドコンテンツ)」と呼ばれます。製品の使い方を通じて、読者の悩みを解決して見せる発信のことです。

特別な広告費は要りません。むしろ、自社の専門性を持つ中小企業ほど向いています。大切なのは、売り込む前に役立つ知識を渡す順番です。私たちが中小企業の発信を支援する現場でも、最初に整理するのは「自社が解決できる課題は何か」になります。

結論:製品で課題解決を教える発信が効く

Ahrefsが示したのは、「教えるほど売れる」という逆説でした。多くの企業は、コンテンツで製品を宣伝しようとします。けれど、宣伝色が強い記事は、読者にすぐ見抜かれてしまうもの。

そこで効くのが、課題解決を教えるコンテンツです。読者の悩みを本気で解決すれば、感謝と信頼が生まれます。そして「この会社の製品なら使ってみたい」と思ってもらえる。宣伝ではなく、教えることが、結果として最も強い営業になるのです。

なぜ「教えるコンテンツ」が中小に効くのか

教えるコンテンツは、今の中小企業にこそ向いています。理由は2つ。まず、広告費がなくても始められること。次に、専門知識そのものが武器になることです。

中小企業には、現場で培った独自の知見があります。それを惜しまず教えれば、大手にはない深さで信頼を得られるでしょう。しかも、課題に答える記事は、AIにも引用されやすい資産になります。専門知識を無料で提供する発想は「教える発信」の実証事例もご覧ください。

何をした会社か|Ahrefsとは

Ahrefsは、SEO分析ツールを提供する海外のSaaS企業です。SaaSとは、インターネット経由で使うソフトのことを指します。Webサイトの検索順位を調べたり、競合を分析したりするツールです。

その成長の仕方が、実に異例でした。広告でも営業でもなく、コンテンツの力で大きくなったのです。

Ahrefsの戦略

営業チームを持たず、
製品で課題解決を教える

読者の悩みを解決する手順の中で、自社ツールが自然に登場する「product-led content」。外部資金に頼らず少人数で、ARR1億ドル超(年商100億円超)を達成しました。

外部資金に頼らず少人数で成長したSaaS

Ahrefsの特徴は、外部からの大きな資金に頼らなかった点です。多くのスタートアップは、投資家から資金を集めて急成長を狙います。しかしAhrefsは、自社の稼ぎで着実に伸びる道を選びました。

社員も、決して多くはありません。少人数のチームで、巨大な成果を出してきました。なぜ、それが可能だったのか。答えは、お金で人を集めるのではなく、コンテンツで人を引き寄せたからです。発信が、営業も広告も兼ねていたのです。

営業チームなしで成長を続けた

さらに驚くべきは、営業チームを持たなかったことです。Ahrefsは、創業からおよそ14年もの間、専任の営業チームなしで運営してきました。普通のSaaS企業では、考えにくい体制でしょう。

では、誰が顧客を連れてきたのか。答えは、コンテンツです。役立つ記事や動画が、24時間休まず見込み客を集め続けました。営業担当が一軒ずつ訪ねる代わりに、コンテンツが世界中の読者に届くのです。発信そのものが、最強の営業部隊になったのです。

なぜ成果が出たのか|製品で教えるコンテンツの仕組み

Ahrefsの成功には、明確な理由があります。製品の使い方を通じて、読者の課題を解決して見せたことです。その仕組みを分解してみましょう。

製品で教えるコンテンツの3つの工夫

1. 製品で解決して見せる

悩みに手順で答え、その中で自社ツールが自然に登場。教えると売るが一記事で両立。

2. 無料で信頼を築く

無料SEO講座まで提供。「ここまで無料で?」の驚きが信頼に。先生として認識される。

3. 既存記事を改善

新規量産より、古くなった記事の更新を重視。育てる発想で順位や流入が回復する。

読者の課題を、自社製品で解決して見せる

Ahrefsの記事は、読者の課題解決が主役です。「検索順位を上げるには」「競合を分析するには」。こうした悩みに、具体的な手順で答えます。そして、その手順の中で自社ツールが自然に登場するのです。

これが、product-led contentの核心でしょう。製品を売り込むのではなく、製品を使った解決法を見せる。読者は学びながら、「このツールがあれば便利だ」と実感します。教えることと売ることが、一つの記事の中で両立しているのです。

無料の教育コンテンツで信頼を築く

Ahrefsは、知識を出し惜しみませんでした。SEOの基礎を学べる無料の講座まで提供しています。「ここまで無料で教えてくれるのか」という驚きが、信頼に変わります。

無料で価値を渡すことは、損ではありません。むしろ、信頼という見返りが返ってきます。学んだ読者は、Ahrefsを「SEOの先生」として認識するでしょう。いざツールが必要になったとき、真っ先に思い浮かぶ存在に。無料の教育が、有料の契約につながる流れです。

新規量産より既存記事の改善を重視する

意外なのが、新しい記事の量産にこだわらない点です。Ahrefsは、すでにある記事の改善にも力を注ぎました。情報が古くなった記事を更新し、価値を保ち続けたのです。

これは、見落とされがちな視点でしょう。多くの企業は、新規記事を増やすことばかり考えます。しかし、書きっぱなしの記事は、やがて成果が落ちていきます。育てる発想で既存記事を磨けば、検索順位や流入が回復することも珍しくありません。

数字で見る成果

Ahrefsの「教えるコンテンツ」は、数字にもはっきり表れています。営業をかけずに、これだけの規模を築いた点に注目してください。

コンテンツの力で築いた成果

広告でも営業でもなく、すべて発信で

ARR 1億ドル超

年商100億円超を達成

約14年 営業ゼロ

専任営業チームなしで成長

YouTube55万超

少人数・ブートストラップ経営

営業ゼロで年商100億円超(ARR1億ドル超)

Ahrefsは、営業チームを持たずにARR1億ドル超を達成しました。日本円にして、年商100億円を超える規模です。しかも、外部資金に頼らない自力経営での到達でした(出典:btw.so)。

この数字が示すのは、コンテンツの底力です。営業マンを増やさなくても、役立つ発信が売上を生み続けました。広告費に依存しないため、利益率も高くなります。教えるコンテンツが、強い収益構造そのものを作ったと言えるでしょう。

少人数・無料講座・YouTube55万登録の発信力

Ahrefsは、少人数のチームでこの成果を出しています。一人あたりの生み出す売上は、業界平均をはるかに上回るほど。発信が効率よく働いている証拠でしょう。

発信のチャネルも多彩です。深いブログ記事に加え、無料のSEO講座も用意。YouTubeでは55万人を超える登録者を集めています(出典:Jonathan Rintala)。記事も動画も、すべて「教える」という一貫した姿勢で貫かれています。

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自社に応用する|中小サービス業が今日から始める3ステップ

ここからが本題です。Ahrefsの発信は、商品やサービスを持つ中小企業ほど再現しやすいものです。最初から大規模なメディアは要りません。3つのステップに整理しました。

中小サービス業が今日から始める3ステップ

STEP
1

自社の商品が解決する「課題」を書き出す

お客様のどんな悩みを解決するか。検索される悩みと自社の解決領域が重なる所がテーマ。

STEP
2

その課題の解決法を無料で教える

手順まで出し惜しまず教え、解決法の一部として自社を自然に登場させる。押し売りはしない。

STEP
3

新規量産より既存コンテンツを磨く

数字や事例を最新に更新するだけでも価値は保てる。新規3本より既存1本の改善が効くことも。

STEP1:自社の商品が解決する「課題」を書き出す

最初の一歩は、課題の棚卸しです。「自社の商品やサービスは、お客様のどんな悩みを解決するのか」。この問いに、具体的に答えてみましょう。工務店なら家づくりの不安、士業なら手続きの煩雑さが、その悩みにあたります。

ここが、教えるコンテンツの出発点です。お客様が検索する悩みと、自社が解決できる課題。この二つが重なるところに、書くべきテーマがあります。まずは、よく相談される悩みを一覧にしてみてください。

STEP2:その課題の解決法を無料で教える

次に、書き出した課題の解決法を記事にします。出し惜しみせず、具体的な手順まで教えるのがコツです。その解決法の中で、自社の商品やサービスが役立つ場面を、自然に示しましょう。

たとえば「失敗しない業者の選び方」を教える中で、自社の強みに触れる。押し売りではなく、あくまで解決法の一部として登場させます。無料で価値を渡すほど、信頼は積み上がります。「この会社は頼れる」と感じてもらうことが目的です。

STEP3:新規量産より既存コンテンツを磨く

最後に、書いた記事を育てる視点を持ちます。新しい記事を増やすことばかりに気を取られてはいけません。一度書いた記事も、情報が古くなれば成果が落ちます。

Ahrefsのように、既存記事を定期的に見直しましょう。数字や事例を最新に更新するだけでも、価値は保てます。新規3本より、既存1本の改善が効くこともあるのです。発信を資産として育てる考え方は規模別のオウンドメディア事例もご覧ください。

つまずきやすい点・注意点

最後に、始める前に知っておきたい注意点をお伝えします。教えるコンテンツは強力ですが、バランスを誤ると逆効果になります。落とし穴も理解しておきましょう。

製品で教えるコンテンツ「失敗」と「工夫」

やりがちな失敗うまくいく工夫
製品を押し売りする課題解決を主役にし製品は脇役に
知識を出し惜しむ惜しまず教えて信頼を得る
新規量産だけに走る既存記事も改善して育てる

製品の押し売りにならないようにする

まず大切なのが、製品を主役にしないことです。記事の主役は、あくまで読者の課題解決です。製品は、その解決を助ける脇役にとどめましょう。前面に出しすぎると、ただの宣伝になってしまいます。

読者は、宣伝には敏感です。「結局、売りたいだけか」と感じた瞬間、離れていきます。Ahrefsも、製品をさりげなく登場させる加減を大切にしました。教えることが8割、製品の紹介は2割。そんなバランスを意識してみてください。

成果が出るまで継続する

もう一つの注意点が、成果を急がないことです。教えるコンテンツは、信頼を積み上げる発信です。書いてすぐに契約が増えるものではありません。

Ahrefsも、長い年月をかけて今の規模に育ちました。一夜で成果が出たわけではないのです。短期で結果を求めると、続ける前にやめてしまいます。半年、1年と腰を据え、改善しながら積み上げる覚悟が肝心です。発信の進め方に迷ったら、ハッシンラボ Premiumの無料相談もご活用ください。あわせてオウンドメディアの成功事例13選もご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 「product-led content(製品で教えるコンテンツ)」とは何ですか?

読者の課題を解決する方法を教える中で、その解決策として自社製品が自然に登場するコンテンツです。Ahrefsは、SEOの課題解決を教える記事の中で、自社ツールの使い方を示しました。単なる宣伝ではなく、まず役立つ知識を渡す点が特徴です。教わった読者が、自然と製品に関心を持ちます。

Q2. 中小企業やサービス業でも応用できますか?

応用できます。自社の商品やサービスが解決できる課題は、必ずあるはずです。その課題の解決法を教える記事を書けば、同じ発想が使えます。たとえば工務店なら家づくりの注意点、士業なら手続きの進め方が題材です。教える中で、自社の専門性と価値が自然に伝わります。

Q3. 営業をかけずに、本当に売上は伸びますか?

時間はかかりますが、十分に伸びるものです。Ahrefsは約14年間、営業チームを持たずに年商100億円超まで成長しました。役立つコンテンツで信頼を築けば、読者のほうから問い合わせや契約に動きます。押して売るのではなく、引き寄せて選ばれる。そんな状態を目指す考え方です。

Q4. 新しい記事をたくさん書くべきですか?

新規の量産より、既存記事の改善も重視することをおすすめします。Ahrefsも、すでにある記事を見直し、価値を高めることに力を入れました。情報が古くなった記事を更新するだけでも、検索順位や成果が回復することがあります。書きっぱなしにせず、育てる視点が大切です。

Q5. 成果が出るまで、どれくらいかかりますか?

一般に、半年から数年の継続が必要です。コンテンツが検索やAIに評価され、信頼を積み上げるまで時間がかかるためです。Ahrefsも、長年の積み重ねで今の規模に育ちました。短期で成果を求めず、教えるコンテンツを地道に積み上げ、改善し続けることが成功の条件になります。

飯塚昭博

この記事の著者

飯塚 昭博

Akihiro Iitsuka

コントリ株式会社 代表取締役

青山学院大学卒業後、自動車会社にて年間180億円規模の設備調達を担当。中小企業経営者の想いに触れる中でその価値を伝えることに使命を感じ、2023年独立。経営者インタビューメディア「コントリ」を運営し、100社以上の経営者を取材。SEO・AI活用・発信設計を通じて中小企業の「伝わる発信」を支援している。

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