「SNSを外注したいけれど、予算もないし、自社らしさが伝わるか不安」。中小企業の発信担当者から、よくいただくお悩みです。外注すべきか、社内でやるべきか。迷っていませんか。
その答えのひとつを示すのが「土屋鞄製造所」です。同社は、撮影もライティングもSNS運用も、ほぼすべて社内で内製しています。それでいて、Instagramでは57万人級のフォロワーを集めました。外注に頼らないからこそ、ぶれない世界観を築けたのです。
本記事では、土屋鞄が何をしたのか、なぜ内製で世界観を統一できたのかを分解します。あわせて、中小企業が内製でSNSを運用する手順まで整理しました。「自社らしさが伝わる」発信のヒントになれば嬉しく思います。
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この事例から中小企業が学べること
結論からお伝えします。学ぶべきは「内製こそ、世界観を統一できる中小の強み」という考え方です。外注は手間が省ける一方、自社らしさが薄れがちです。一方、内製なら細部まで「らしさ」を貫ける。これが大きな違いです。
特別な機材や専門チームは要らないのです。むしろ、自社の価値観を一番理解している社内の人が運用すべきでしょう。大切なのは、世界観のルールを決め、社内で回す仕組みを作ることです。私たちが発信を支援する現場でも、世界観の統一は内製の最大の利点だと感じています。
結論:内製は低コストで世界観を統一できる
土屋鞄が示したのは、「内製は弱みでなく強みになる」という事実です。外注すると、コストがかかるうえ、担当者ごとにトーンが割れがちです。世界観が、少しずつぼやけていきます。
一方、内製なら自社の手で隅々まで統一できます。しかも、外注費もかかりません。低コストで、かつ世界観を守れる。これは、予算の限られた中小企業にとって理想的でしょう。内製は、我慢の選択ではなく、積極的な戦略になり得ます。
なぜ内製のSNS運用が中小企業に効くのか
内製のSNS運用は、今の中小企業にこそ向いています。理由は2つ。まず、外注費をかけずに始められること。次に、自社の世界観を最も理解している人が運用できることです。
外部のプロは、技術は高くても、自社の空気までは知り尽くせません。一方、社内の人なら、ブランドの細かなニュアンスを共有しています。「うちらしいかどうか」を、肌感覚で判断できるのです。世界観で勝負する発信は北欧、暮らしの道具店の事例もご覧ください。
何をした会社か|土屋鞄製造所の内製運用
土屋鞄製造所は、革製のかばんやランドセルを手がけるメーカーです。職人の手仕事による、上質なものづくりで知られています。その世界観を、SNSでも一貫して発信してきました。
その運用方法に、大きな特徴があります。
撮影・ライティング・SNSを
ほぼ社内で内製し世界観を統一
外注に頼らず自社の手で発信を作るからこそ、細部までぶれない世界観を築けた。Instagramは57万フォロワー級、海外からも世界観を称賛されています。
撮影・ライティング・SNSをほぼ社内で完結
土屋鞄の発信は、ほぼすべて社内で作られています。商品の撮影も、文章のライティングも、SNSの投稿も。外部のプロのカメラマンやコピーライターに、丸ごと頼ってはいないのです。
これは、その洗練されたビジュアルを思えば驚くべきこと。プロが作ったかのような写真や言葉が、社内から生まれています。なぜ内製にこだわるのか。それは、自社の世界観を誰よりも理解しているのが、社内の人だからです。外注では出せない「らしさ」を、自分たちの手で守り抜いたのです。
プロフィール画面まで設計された世界観
土屋鞄のこだわりは、1枚1枚の投稿にとどまりません。プロフィール画面全体の見え方まで、緻密に設計されています。商品の写真、自然の風景、食べ物、暮らしの場面、人。これらをバランスよく配置しています。
なぜなら、訪れた人はまず全体の印象を受け取るからです。単調にならないよう、写真の種類を意識して並べています。一覧で見たときに、世界観が伝わる。この細やかな配慮が、ブランドの空気を作りました。内製だからこそ、ここまで作り込めました。
なぜ成果が出たのか|内製が世界観を生む仕組み
土屋鞄の成功には、明確な理由があります。内製だからこそ、世界観を隅々まで統一できたことです。その仕組みを分解してみましょう。
内製が世界観を生む3つの仕組み
1. 外注は世界観が割れる
複数の人が関わるとトーンが割れがち。色・言葉・空気感のどれかがずれると全体がぼやける。
2. 内製は細部までそろう
同じ価値観を共有する人が作るので、誰が作ってもぶれない。これが信頼を育てる。
3. 場ごとに伝え方を変える
InstagramとFacebookで最適化。軸はぶらさず、表現は柔軟に。内製だから可能。
外注では世界観が割れやすい
世界観の統一は、思いのほか難しいものです。特に外注では、複数の人が関わるため、トーンが割れがちです。あるカメラマンの写真と、別のライターの文章。それぞれは良くても、並べると違和感が出るもの。
世界観は、細部の積み重ねでできあがります。色合い、言葉づかい、写真の空気感。そのどれかがずれると、全体がぼやけます。外注を悪く言うわけではありません。ただ、世界観を最優先するなら、内製のほうが守りやすいのです。
内製なら細部までトーンをそろえられる
内製の強みは、その一貫性にあります。同じ価値観を共有した人たちが作るため、自然とトーンがそろいます。「うちならこう撮る」「この言葉は使わない」。そんな判断を、肌感覚で共有できるのです。
土屋鞄の投稿が美しいのは、技術だけが理由ではありません。全員が同じ世界観を理解しているからです。だから、誰が作ってもぶれないのです。この統一感こそが、ブランドへの信頼を育てます。細部まで「らしさ」を貫けるのは、内製ならではの力です。
プラットフォームごとに伝え方を変える
土屋鞄は、ただ同じ投稿を使い回してはいません。InstagramとFacebookで、伝え方を変えています。利用者の層も、画面の見え方も違うからです。
それぞれの場に合わせて、最適な形で世界観を届ける。この細やかさも、内製だからこそ可能でした。外注では、ここまで手間のかかる調整は難しいはず。世界観は守りつつ、見せ方は場に合わせる。軸はぶらさず、表現は柔軟に。この両立が、各プラットフォームでの支持につながりました。
数字で見る成果
土屋鞄の内製による世界観づくりは、数字にもはっきり表れています。フォロワー数と、ブランドへの評価に注目してください。
内製の世界観づくりが生んだ成果
広告でなく、共感で集まった支持
ほぼ全て内製
撮影・ライティング・SNS運用
約57万フォロワー
メインInstagram(2017年時点)
海外も称賛
Instagram創業者が世界観を評価
Instagramで57万フォロワー級の支持
土屋鞄のメインのInstagramは、約57万人のフォロワーを集めました(出典:ネットショップ担当者フォーラム)。革製品のブランドとして、際立った数字といえます。しかも、これを内製で達成した点に価値があります。
ランドセルの専用アカウントなど、複数のアカウントも運用しています。それぞれが、土屋鞄らしい世界観で統一されています。広告で集めた数字ではありません。世界観に共感したファンが、自然と集まった結果でしょう。内製の積み重ねが、確かな支持につながっています。
海外からも評価される世界観と指名検索
土屋鞄の世界観は、海外でも評価されています。Instagram共同創業者のケビン・シストロム氏が、同社を称賛したほどです。「真正性、細部へのこだわり、デザイン」を理由に挙げました(出典:WWDJAPAN)。
ここまで世界観が確立すると、「土屋鞄」という名前で検索されるように。これが、指名検索です。広告に頼らずとも、ブランド名で探してもらえる状態です。世界観が、強力な集客力に変わりました。内製で築いた世界観が、ブランドそのものの価値を高めたのです。
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自社に応用する|中小企業が内製SNSを始める3ステップ
ここからが本題です。土屋鞄の内製運用は、大企業だけのものではありません。世界観のルールと、社内で回す仕組みがあれば始められます。3つのステップに整理しました。
中小企業が内製SNSを始める3ステップ
1
自社の世界観をルールに落とし込む
色・写真のトーン・言葉づかい・避けたい表現を言語化。誰が投稿してもぶれない設計図に。
2
売る投稿と世界観投稿を混ぜる
理想は世界観の中に商品が自然に溶け込む形。暮らしのシーンにさりげなく商品を登場させる。
3
毎週、数値を見て改善する
保存数や反応を振り返り、すぐ次に活かす。完璧でなく、回しながら良くする。内製の強み。
STEP1:自社の世界観をルールに落とし込む
最初の一歩は、世界観のルール化です。頭の中の「らしさ」を、具体的な決まりへ落とし込みましょう。使う色、写真のトーン、言葉づかい、避けたい表現。これらを言語化するのです。
ルールがあれば、誰が投稿してもぶれないもの。土屋鞄も、プロフィール画面の見せ方まで決めていました。最初は簡単な「投稿の決まりごと」で十分です。チームで共有できる形にしておくと、運用が安定します。世界観の設計図を、まず作りましょう。
STEP2:売る投稿と世界観投稿を混ぜる
次に、投稿のバランスを設計します。売り込みの投稿ばかりでは、フォロワーが離れます。一方、世界観の投稿だけでは、売上につながりません。両者を、心地よいリズムで混ぜましょう。
理想は、世界観の中に商品が自然に溶け込む形です。たとえば、暮らしのワンシーンの中に、さりげなく商品を登場させます。直接的な宣伝より、ずっと響きます。土屋鞄の投稿も、商品と暮らしが地続きでした。売ると魅せるを、上手に織り交ぜてください。
STEP3:毎週、数値を見て改善する
最後に、改善の仕組みを作ります。投稿しっぱなしでは、成長しません。毎週、どの投稿が伸びたかを振り返りましょう。保存数、反応、フォロワーの動き。数字が、次のヒントをくれます。
内製の強みは、この改善をすぐ次に活かせることです。外注だと、調整に時間がかかります。社内なら、気づいたその日に直せます。完璧を目指すより、回しながら良くしていく。週次の小さな改善が、大きな差を生みます。内製化の進め方はコンテンツマーケティング内製化の進め方もご覧ください。
つまずきやすい点・注意点
最後に、始める前に知っておきたい注意点をお伝えします。内製は強力ですが、属人化と世界観のぶれに気をつける必要があります。落とし穴を理解しておきましょう。
内製SNS運用の「失敗」と「工夫」
| やりがちな失敗 | うまくいく工夫 |
|---|---|
| 担当者まかせで属人化する | 世界観のルールを共有しておく |
| 売り込みすぎて世界観を壊す | 売る投稿と世界観投稿を混ぜる |
| 投稿しっぱなしで改善しない | 毎週、数値を見て磨く |
属人化に備えてルールを共有する
まず注意したいのが、属人化です。内製は、特定の担当者の感覚に頼りがちです。その人が辞めたり休んだりすると、世界観が揺らぎます。これは、小さなチームほど起きやすいリスクでしょう。
備えとして、世界観のルールを文書で共有しておきましょう。「らしさ」を個人の頭の中に閉じ込めないことです。土屋鞄のように、判断基準を明文化しておけば安心です。人が変わっても、世界観は守られます。内製の良さを保つには、仕組み化が欠かせません。
売り込みすぎて世界観を壊さない
もう一つの注意点が、売り込みのしすぎです。成果を焦ると、つい宣伝ばかりになります。しかし、売り込みが続くと、フォロワーは興ざめします。せっかくの世界観も、台無しになりかねません。
大切なのは、世界観を最優先することです。商品は、その世界観の中にそっと置く。土屋鞄も、押し売りはしませんでした。あくまで、暮らしの提案の延長で商品を見せたのです。売りたい気持ちは、ぐっとこらえましょう。世界観を守ることが、結局は売上への近道です。発信の進め方に迷ったら、ハッシンラボ Premiumの無料相談もご活用ください。あわせてオウンドメディアの成功事例13選もご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. なぜSNS運用を内製したほうがよいのですか?
内製のほうが、世界観を隅々まで統一しやすいためです。外注すると、担当者ごとにトーンが割れがちです。土屋鞄は撮影もライティングも社内でこなし、ぶれない世界観を保ちました。自社の価値観を深く理解した人が運用するからこそ、細部まで「らしさ」を貫けます。
Q2. 中小企業でも、SNSの内製はできますか?
できます。プロ並みの機材や専門チームは必要ありません。スマホでの撮影と、社内の担当者がいれば始められます。土屋鞄も、特別な外部スタッフに頼らず社内で運用しました。むしろ、自社の世界観を一番理解しているのは社内の人です。それが内製の強みになります。
Q3. 世界観を統一するには、何をすればよいですか?
発信のルールを決めることです。使う色、写真のトーン、言葉づかい、投稿のバランスなどを言語化します。土屋鞄は、プロフィール画面の見え方まで意識し、商品・自然・暮らしの写真を配置しました。ルールがあれば、誰が投稿しても「らしさ」がぶれません。
Q4. 売り込みの投稿はしてはいけないのですか?
してかまいません。大切なのは、売る投稿と世界観を伝える投稿のバランスです。売り込みばかりでは、フォロワーが離れます。一方、世界観の投稿だけでは売上につながりません。両者を混ぜ、心地よいリズムを作りましょう。世界観の中に、自然に商品を溶け込ませるのが理想です。
Q5. 内製SNSで成果を出すには、どう続ければよいですか?
毎週、数値を見て改善を重ねることです。どの投稿が伸びたか、何が響いたかを振り返りましょう。土屋鞄も、反応を見ながら投稿を磨いてきました。内製なら、その改善をすぐ次に活かせます。完璧を目指すより、回しながら良くしていく姿勢が成果につながります。
内製SNSの始め方を一緒に考えませんか
自社の現状に合わせて、無理のない進め方を整理します。