CVR改善とは|中小企業が問い合わせを増やす見直しの手順

発信戦略と仕組み化

アクセスは増えてきたのに、問い合わせがなかなか伸びない——。発信を続ける担当者が、次にぶつかる壁です。その鍵を握るのが、CVRの改善です。

CVRとは、サイトを訪れた人のうち、成果に至った人の割合のことです。問い合わせや申し込みが、どれだけ生まれたかを示します。改善の基本は、ファーストビュー・CTA・フォーム・信頼の4つを見直すこと。そして、一度に全部ではなく、一箇所ずつ検証するのが成功の近道です。

本記事では、CVRの意味と計算方法から、上がらない原因、改善の基本施策、中小企業が優先すべきことまでを順に解説します。問い合わせを増やす手がかりとして、お役に立てれば嬉しく思います。

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CVRとは|訪問者が成果に至る割合

CVRとは、サイトを訪れた人のうち、成果に至った人の割合のことです。コンバージョン率とも呼ばれます。問い合わせや申し込みといった「成果」が、どれだけ生まれたかを表す数字です。

この数字を見れば、発信が成果に結びついているかを確かめられます。アクセスを増やす努力と並んで、CVRは成果を左右する大切な指標なのです。まずは、意味と計算方法、目安を順に押さえておきましょう。基礎が分かると、改善の打ち手も見えてきます。

CVRとは|押さえたい3つの基本

成果に至る割合

訪れた人のうち、問い合わせや申し込みに至った割合です。

÷

計算はシンプル

成果数÷訪問数×100。ページごとに見ると弱点が分かります。

集客と並ぶ指標

成果は「訪問数×CVR」。集客とCVRは成果の両輪です。

CVR(コンバージョン率)の意味と読み方

CVRは「シーブイアール」と読みます。コンバージョンの頭文字をとった言葉です。コンバージョンとは、サイトで達成したい成果のことを指します。問い合わせ、資料請求、申し込みなどが、その代表例です。

つまりCVRは、「訪れた人が、どれだけ成果につながったか」を示します。アクセス数が多くても、CVRが低ければ成果は伸びません。逆にCVRが高ければ、少ない訪問でも成果を生み出せます。量と質の両面から発信を見る目を、養っていきたいところです。

CVRの計算方法

CVRの計算は、とてもシンプルです。「コンバージョン数 ÷ 訪問数 × 100」で求められます。たとえば100人が訪れて2人が問い合わせたなら、CVRは2%です。

大切なのは、サイト全体だけでなく、ページごとに見ることです。ページ別に出すと、どこに問題があるかが見えてくるはずです。オウンドメディアのKPI設計とあわせて、見るべき数字を整理しておくと迷いません。数字を分解する習慣が、改善の精度を高めてくれます。

CVRの目安はどのくらいか

CVRの目安は、一概には言えません。業種やサイトの種類によって、大きく変わるからです。BtoBの問い合わせなどでは、1〜3%前後が一つの目安とされます。

ただし、他社の数字と比べすぎる必要はありません。大切なのは、自社の過去と比べて改善できているかどうかです。先月より今月、と少しずつ伸ばす視点を持ちましょう。自社の数字を基準に置くことが、現実的な目標づくりの第一歩です。

CVRが上がらない主な原因

CVRが上がらないときには、たいてい原因が潜んでいます。多くは、ファーストビュー・導線・フォーム・信頼の4つに関わります。まず、どこでつまずいているかを見極めましょう。

原因を特定せずに手を打っても、空振りに終わりがちです。逆に、原因さえ分かれば、対策は自然と定まるものです。代表的な4つの原因を、順に見ていきましょう。

CVRが上がらない4つの原因と症状
※ 原因を特定してから施策を打つと、空振りを防げます。
原因現れやすい症状
ファーストビュー冒頭で魅力が伝わらず、数秒で離脱される。
行動への導線問い合わせボタンが見つけにくく、迷わせている。
入力フォーム項目が多く、入力の途中で離脱されている。
信頼の不足実績や声がなく、不安で行動に移れない。

ファーストビューで魅力が伝わっていない

最初に疑いたいのが、ファーストビューです。ファーストビューとは、ページを開いて最初に見える範囲のことを指します。訪れた人は、ここを数秒見て読み続けるかを判断します。

「誰の、どんな悩みを、どう解決するか」が一目で伝わらないと、人は去っていきます。せっかく集めた訪問者を、入り口で逃しているのです。ランディングページの基本でも、ここが最重要だと触れています。最初の数秒に、全力を注ぎたいところです。

行動への導線が分かりにくい

二つ目は、行動への導線です。問い合わせや申し込みへ進むボタンが、見つけにくい場合があります。どこを押せばよいか迷わせると、その時点で離脱を招きます。

CTAと呼ばれる行動を促すボタンは、目立つ場所に置きます。読者が「次に何をすればいいか」を、迷わず分かる設計が理想です。迷わせない導線こそ、成果へ橋を架ける土台です。

入力フォームで離脱されている

三つ目は、入力フォームです。せっかく問い合わせる気になっても、入力項目が多いと心が折れます。途中で面倒になり、離脱してしまいます。

フォームの項目は、必要最小限にとどめます。氏名とメールだけで済むなら、それに越したことはありません。フォームの最適化はEFOと呼ばれ、CVR改善の定番施策として知られています。最後のひと押しを、フォームで邪魔しないようにしましょう。

信頼を裏づける情報が足りない

四つ目は、信頼の不足です。良い内容でも、「本当に大丈夫か」という不安が残ると人は動きません。とくに初めて訪れた相手は、警戒心を持っているものです。

実績の数字、お客様の声、会社の情報などが、その不安をやわらげます。顔の見える情報があるほど、安心して行動に移れます。信頼の裏づけを添えることが、最後の決め手になるわけです。

CVRを改善する基本施策

CVR改善の施策は、原因に合わせて打ちます。結論として、ファーストビュー・CTA・フォーム・信頼要素の4点を見直します。効果の出やすい順に紹介しましょう。

闇雲に手を動かすより、原因とセットで施策を考えるほうが効きます。前の章で見た原因に、一つずつ対応させていくのです。具体的な4つの打ち手を見ていきましょう。

CVRを改善する4つの基本施策
1

ファーストビュー

悩みと解決策を冒頭でひと目で伝える。

2

CTAの見直し

文言に価値を添え、要所に目立たせて置く。

3

フォーム最適化

項目を絞り、入力の手間を極力なくす(EFO)。

4

信頼要素の追加

実績やお客様の声で、行動の不安をやわらげる。

ファーストビューの訴求を磨く

まず取り組みたいのが、ファーストビューの改善です。冒頭で、相手の悩みと解決策をはっきり示します。「○○でお困りの方へ、△△で解決します」と、ひと目で伝わる言葉に磨きます。

写真やキャッチコピーも、悩みに寄り添うものに変えます。ここが響けば、続きを読んでもらえる確率が高まるわけです。最も訪問者の目に触れる場所だけに、改善の効果も大きい箇所と言えます。

CTAの文言と配置を見直す

次に、CTAの見直しです。「お問い合わせはこちら」だけでなく、行動の先にある価値を添えます。「無料で相談する」のように、心理的なハードルを下げる言葉が効きます。

配置も大切です。ページの最後だけでなく、要所に置くと押されやすくなるものです。色や大きさで、ボタンを目立たせる工夫も加えましょう。小さな言葉の違いが、クリック率を左右することも珍しくありません。

入力フォームを最適化する(EFO)

三つ目は、入力フォームの最適化です。EFOとは、入力フォーム最適化を意味する言葉です。項目を減らし、入力の手間を極力なくします。スマートフォンでも、数十秒で完了する形が理想です。

必須項目を絞り、入力例を添えるだけでも離脱はぐっと減らせます。エラー表示を分かりやすくする工夫も効果的です。SEOの効果測定と改善と同じく、小さな改善の積み重ねが数字を動かします。

実績やお客様の声で信頼を高める

四つ目は、信頼要素の追加です。実績の数字や導入事例、お客様の声をページに加えます。第三者の言葉は、自社の主張よりも説得力を持つものです。

すべてを一度にそろえる必要はありません。まずは一つ、信頼につながる材料を足してみます。お客様の声を集める取り組みは、発信の資産にもなる一石二鳥です。安心の材料を増やすほど、行動への後押しは強まるのです。

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中小企業がCVR改善で優先すべきこと

中小企業のCVR改善で大切なのは、優先順位です。一度にすべてを変えると、何が効いたか分からなくなります。数字で当たりをつけ、一箇所ずつ検証しましょう。

限られた時間と人手のなかでは、的を絞る判断が欠かせません。やみくもに手を広げるより、効く一手に集中するほうが成果につながります。中小企業ならではの、3つの優先の考え方を紹介します。

CVR改善を進める3ステップ
1

数字で当たりをつける

アクセス解析で、離脱の多いページを特定する。

2

一箇所ずつ検証する

同時に複数変えず、効いた施策だけを残していく。

3

影響の大きいページから

アクセスが多く成果に近い主力ページに集中する。

数字で改善すべき箇所に当たりをつける

最初にやるのは、数字での当たりづけです。Googleアナリティクスなどのアクセス解析を使い、どのページで人が離脱しているかを確かめます。勘ではなく、データで弱点を見つけるのが出発点です。

私自身、感覚で直したページが空振りに終わった経験があります。数字を見たら、別のページに本当の課題が隠れていました。事実から始めることが、無駄な改善を防いでくれるのです。

一度に一箇所だけ変えて検証する

二つ目は、一箇所ずつの検証です。同時に複数を変えると、どれが効いたのか分からなくなります。ファーストビューを直したら、その結果を見てから次へ進みます。

地味に思えますが、これが改善の精度を上げる近道です。効いた施策だけを残し、効かない施策は手放せます。一手ずつ確かめる姿勢が、再現性のある改善を生みます。

影響の大きいページから手を打つ

三つ目は、優先するページの選び方です。アクセスが多く、成果に近いページから手をつけます。同じ改善でも、訪問者の多いページのほうが効果は大きく出やすいものです。

すべてのページを直す必要はありません。主力ページに集中するほうが、限られたリソースを活かせます。効く場所から動くことが、早く成果を実感する秘訣でしょう。

蓄積型発信とCVR改善の関係

CVR改善は、集客と切り離せません。どれだけCVRを上げても、訪問者が少なければ成果は限られます。蓄積型発信で母数を育てながら、CVRも磨くのが理想です。私も、記事を増やして母数が育つほど、同じCVRでも成果が積み上がる手応えを得てきました。

CVRと集客は、車の両輪のような関係です。片方だけでは、成果は思うように伸びません。両者をつなぐ視点を、3つの角度から考えてみます。

集客とCVRは成果の両輪

成果は、「訪問数 × CVR」で決まります。つまり、どちらが欠けても成果は小さいままでしょう。CVRを2倍にしても、訪問が半分なら成果は変わらないのです。

だからこそ、集客とCVRの両方に目を配ります。ブログからの集客で母数を増やしつつ、CVRで取りこぼしを減らします。両輪をそろえる意識が、成果を大きく育てる原動力です。

コンテンツが信頼と理解を生む

蓄積型発信は、CVRにも静かに効いてきます。役立つ記事を読んだ人は、自社への理解と信頼を深めてくれます。その状態で問い合わせページに来れば、行動の確率はぐっと高まるはずです。

つまり、日々の発信そのものが、信頼という土台を静かに築いています。広告で一度きり集めた人より、記事で育った人のほうが動きやすいでしょう。発信の蓄積は、CVRを底上げする見えない力になります。

リライトとCVR改善を同時に回す

既存記事のリライトと、CVR改善は相性が良いものです。読まれている記事に、的確なCTAを足すだけで成果は変わってくるでしょう。アクセスのある資産を、成果へつなげ直す作業です。

新しく集客するより、既にある訪問を活かすほうが手早く効きます。記事を見直すついでに、導線も点検する習慣をつけましょう。育てると活かすを同時に回すことが、効率の良い成長を支えます。

CVR改善でよくある失敗と注意点

CVR改善には、陥りやすい失敗があります。一度に多く変えすぎる・母数不足で判断する・数字だけ追う、の3つです。先に知っておけば、避けられます。

失敗の多くは、焦りと思い込みから生まれます。改善は、落ち着いて続けるほど成果が積み上がるものです。代表的な3つの落とし穴を、確認しておきましょう。

CVR改善でよくある失敗と回避策
× 失敗

一度に多くを変えて原因が分からなくなる

○ 回避策

変える箇所を一つに絞り、効果を見てから次へ

× 失敗

アクセスが少ないのに数字で判断する

○ 回避策

十分な母数がたまるのを待って判断する

× 失敗

数字だけを見て読者の気持ちを忘れる

○ 回避策

数字の向こうの人に誠実に向き合う

一度に多くを変えて原因が分からなくなる

最も多い失敗が、一度に多くを変えることです。あれもこれもと直すと、何が効いたのか分からなくなります。次に活かせる学びが、得られなくなってしまいます。

対策は、変える箇所を一つに絞ることです。手間はかかりますが、学びは財産として確実に残るはずです。一つずつという地道さが、結局は早道になります。

アクセスが少ないのに数字で判断する

二つ目は、母数の不足です。アクセスが少ないページでは、CVRが偶然で大きく上下します。10人中1人と2人では、数字が倍違っても誤差の範囲です。

判断には、ある程度のアクセス数が前提です。数字が少ないうちは、結論を急がず母数がたまるのを待ちます。十分な母数を確かめてから判断する冷静さが、誤りを防ぎます。

数字だけを見て読者の気持ちを忘れる

三つ目は、数字への偏りです。CVRばかり追うと、読者の気持ちが見えなくなります。煽るような表現で一時的に数字が上がっても、信頼を損なえば長続きしません。

数字の向こうには、悩みを抱えた人がいます。私は数字を追うあまり読者目線を忘れ、伸びかけたCVRを落とした苦い経験があります。その人に誠実に向き合うことが、結局は成果につながるものです。数字と人の両方を見る視点を、忘れないようにしましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. CVRはどうやって計算しますか?

CVRは「コンバージョン数 ÷ 訪問数 × 100」で計算します。たとえば100人が訪れて2人が問い合わせたら、CVRは2%です。サイト全体だけでなく、ページごとに見ると、改善すべき場所が分かりやすくなります。

Q. CVRの目安はどのくらいですか?

業種やサイトの種類によって大きく変わるため、一概には言えません。一般的にBtoBの問い合わせなどでは1〜3%前後が一つの目安とされます。他社と比べるより、自社の過去の数字を基準に、改善できているかを見るのがおすすめです。

Q. CVR改善で最初に手をつけるべき場所はどこですか?

アクセスが多いのにCVRが低いページです。影響が大きく、改善の効果も出やすいからです。まずアクセス解析で離脱の多い箇所を特定し、ファーストビューやCTA、フォームのうち、つまずいている部分から見直します。

Q. CVRと集客はどちらを優先すべきですか?

両方が成果の両輪ですが、状況によりけりです。訪問数が十分あるのにCVRが低いなら、CVR改善が先です。逆に訪問数が少なすぎる場合は、CVRを上げても成果は限られるため、蓄積型発信で母数を増やすことから始めます。

Q. CVR改善はどのくらいで効果が出ますか?

すぐに分かるとは限りません。判断には、ある程度のアクセス数が必要だからです。アクセスの少ないページでは、数字が偶然で上下します。母数がたまるのを待ち、一箇所ずつ検証しながら、落ち着いて効果を見極めます。

飯塚昭博

この記事の著者

飯塚 昭博

Akihiro Iitsuka

コントリ株式会社 代表取締役

青山学院大学卒業後、自動車会社にて年間180億円規模の設備調達を担当。中小企業経営者の想いに触れる中でその価値を伝えることに使命を感じ、2023年独立。経営者インタビューメディア「コントリ」を運営し、100社以上の経営者を取材。SEO・AI活用・発信設計を通じて中小企業の「伝わる発信」を支援している。

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