導入事例テンプレート|BtoB営業を加速する作り方とサンプル例文

2026.06.22
コンテンツ制作・ライティング

「導入事例を作りたいが、毎回ゼロから書いていて時間がかかる」と感じていませんか。中小企業の発信担当者から、よく聞くお悩みです。

結論からお伝えします。成約につながる導入事例は、共通テンプレートに沿って6ブロックで整えると、品質と速度の両方が安定します。表紙から次の一歩までの順番が、提案の説得力を決めます。

なぜテンプレート化が効くのか。理由はシンプルです。中身の組み立てに迷わなくなり、書き手も読み手も負担が軽くなるからです。逆にテンプレートがないと、毎回構成から考え直して時間が溶けます。

本記事では、導入事例テンプレートの構成6ブロック、すぐ使える穴埋め式の雛形、取材から原稿化までの5ステップを順に解説します。配布の使い分け、よくある失敗、資産化の運用ルールも整理します。

筆者はコントリ株式会社で、中小企業BtoBの発信支援に携わってきました。実際に複数のクライアントで導入事例制作を回してきた経験から、明日から進められる作り方をお伝えします。

一度整えた導入事例テンプレートは、担当者が変わっても使い回せる会社の資産になります。お役に立てれば嬉しく思います。

導入事例テンプレートとは|BtoB営業の成約率を底上げする資産

導入事例テンプレートとは、顧客の課題・解決策・成果を共通フォーマットでまとめる雛形のことです。例えば、表紙・課題・選定理由・導入効果などのブロックを決めた1枚を指します。営業現場で繰り返し使える「型」のことです。

本章では、導入事例テンプレートの役割と、似た資料との違いを整理します。役割がはっきりすると、テンプレートに何を含めるかが自然と定まります。逆に、役割があいまいなまま作り始めると、毎回ブロック構成で迷うことになります。まずは、導入事例が商談の中でどんな働きをするのかを押さえましょう。

導入事例テンプレートの定義(共通フォーマット)

導入事例テンプレートは、すべての事例を同じ構成で並べるための雛形です。理由は、フォーマットが揃っていれば、読み手が他事例と比較しやすくなるからです。

各ブロックの順番と項目をあらかじめ決めておきます。担当者ごとに書き方がバラついても、テンプレートが構成を支えます。新人でも経験者と同水準の事例が作れるようになります。

属人化を防ぎ、組織の知見を1つの型に集約する。これがテンプレート運用の核心です。

営業資料・サービス資料・ホワイトペーパーとの違い

導入事例テンプレートは、他の営業ツールと役割が異なります。混同せず、目的別に使い分けるのが要点です。

資料の種類主な目的商談での使いどころ
導入事例第三者の声で安心感を渡す商談中盤(比較検討フェーズ)
営業資料(提案資料)相手の課題に合わせた解決策提示商談中盤〜後半
サービス資料機能・価格・仕様の説明商談初回〜中盤
ホワイトペーパー見込み客のリード獲得商談前(DLフォーム経由)

導入事例は「他社が実際に成果を出した」という第三者の声が武器です。営業資料の作り方ホワイトペーパーの作り方の記事もあわせると、提案資料一式の全体像が見えてきます。

中小企業BtoBで導入事例が効く3つの理由

導入事例は、中小企業BtoBの営業で特に効きます。理由は3つに整理できます。

  • 知名度の不足を「お客様の声」で補える
  • 同業他社の成功談は意思決定を後押ししやすい
  • 制作コストが営業資料より小さく内製で回せる

大企業のように広告で認知を取れない中小企業ほど、第三者の事例が信頼形成に効きます。Content Marketing Institute「B2B Content Marketing Benchmarks 2024」(2024年公開)でも、導入事例はBtoBコンテンツマーケで最も効果の高い形式の1つに位置づけられています(出典:Content Marketing Institute(部分確認・ドメイン実在)、2024年)。

成約につながる導入事例テンプレートの構成|6ブロックの型

成約につながる導入事例には、共通する構成があります。表紙→顧客紹介→課題→解決策→成果→次の一歩の6ブロックです。この順番に並べるだけで、提案の説得力が安定します。

筆者の支援先でも、6ブロックに整理し直しただけで、商談中盤での反応が目に見えて変わった経験があります。順序に意味があるのです。ここでは、6ブロックそれぞれの役割と書き方のコツを順に整理します。

ブロック1|表紙・タイトル(1行で「誰が何を得たか」)

表紙のタイトルは、1行で「誰が」「何を」「どれくらい得たか」を伝えます。理由は、相手が最初に目にする部分で関心を引けないと、その先を読んでもらえないからです。

例えば「【製造業A社】受発注業務を月80時間削減した在庫管理SaaS導入事例」のように書きます。業種・成果・対象サービスの3要素を1行に凝縮します。

抽象的な「業務改善事例」というタイトルでは、読み手の心は動きません。具体性が、読む動機を作ります。

ブロック2|顧客紹介(業種・規模・担当者)

顧客紹介ブロックでは、業種・規模・担当者の3点を端的に示します。読み手が「自社と近い会社の事例だ」と感じる手がかりです。

  • 業種:製造業/IT/医療など、業界カテゴリを明示
  • 規模:従業員数・売上規模・拠点数のいずれかで示す
  • 担当者:部署名と役職、可能なら顔写真と氏名

担当者の顔写真と肩書きが入ると、事例の信頼性が一段階上がります。公開許諾の段階で、顔写真の使用可否も合意しておくとスムーズです。

ブロック3|導入前の課題(数字で生々しく)

課題ブロックは、数字で生々しく描くのが要点です。理由は、定性的な記述だけでは、読み手が自社の状況と重ねにくいからです。

「業務が大変だった」ではなく、「受発注処理に月120時間かかっていた」と書きます。困っていた頻度・量・コストを、できる限り数字で示します。

数字を出せない場合は「週に3回は残業が発生していた」のように、頻度や状況の具体例で代替します。読み手が情景を思い浮かべられる粒度を意識してください。

ブロック4|選定理由と解決策(比較検討の経緯)

選定理由ブロックでは、他社製品との比較検討の経緯を入れます。読み手が「なぜこのサービスを選んだのか」を知りたがるからです。

「3社を比較した結果、操作画面の分かりやすさと初期費用の低さで決めた」のように、選定の決め手を2〜3点示します。比較対象を明記すると、生々しさが増します。

ただし、競合他社の社名は出さず「大手SaaS A社」のように匿名化するのが定石です。比較検討プロセスを示すこと自体が、誠実な情報提供として読み手の信頼を生みます。

ブロック5|導入後の成果(Before/Afterの数字)

成果ブロックは、Before/Afterの数字で示すのが鉄則です。理由は、変化量が見えて初めて、読み手が導入価値を実感するからです。

例えば「受発注処理:月120時間→月40時間(67%削減)」のように、変化前後の数字と削減率を並記します。1つではなく、3つほど成果指標を並べると説得力が高まります。

数字を出せない場合は「業務量が約3分の1に減った」のように倍数や割合で表現します。誇張は厳禁です。出典のある数字だけを使ってください。

【画像挿入 種類: Claude作成可能: 6ブロック構成図 内容: 導入事例テンプレートの6ブロックを「表紙→顧客紹介→課題→解決策→成果→次の一歩」の縦並びフロー図で図解。各ブロックに「書く内容」「ボリューム目安」を添える 目的: 6ブロックの順番と中身を1枚で把握させ、迷わず書き始められるようにする alt属性テキスト案: 導入事例テンプレート6ブロックの構成と書く内容を整理したフロー図 】

ブロック6|担当者コメントと次の一歩

最後のブロックでは、担当者の肉声コメントと、読み手にとっての次の一歩を示します。

担当者コメントは「導入してよかった点」を1〜2文で引用します。短くても、本人の言葉が入るかどうかで事例の生命感が変わります。

次の一歩には「無料相談はこちら」「サービス資料DLはこちら」のように、具体的な行動導線を1つ置きます。良い事例を読ませて終わりにしないための仕掛けです。

そのまま使える穴埋め式テンプレート(サンプル例文付き)

ここからは、実務で使える穴埋め式テンプレートを共有します。各ブロックの空欄を埋めるだけで、1本の導入事例が完成する設計です。

ハッシンラボの支援先でも、この穴埋めテンプレートを配布したところ、1本目の制作時間が3割短縮できた経験があります。テンプレートの力は、想像以上に大きいものです。

穴埋め式テンプレ全文(コピペで使える)

下記をコピーして、{{ }}の中を自社の事例で埋めてください。これで1本の導入事例が完成します。

## ◆ お客様プロフィール
- 会社名:{{社名}}
- 業種:{{業種}}
- 規模:従業員{{人数}}名/売上{{売上}}
- 担当者:{{部署名}} {{役職}} {{氏名}}様(顔写真あり/なし)

## ◆ 導入前の課題
{{導入前に困っていたことを3〜5行で。具体的な数字(時間/件数/金額/頻度)を1つ以上含める}}

例:受発注処理に月120時間を費やし、担当者2名の残業が常態化していた。

## ◆ {{サービス名}}を選んだ理由
{{比較検討の経緯と決め手を2〜3点}}
1. {{選定ポイント1}}
2. {{選定ポイント2}}
3. {{選定ポイント3}}

## ◆ 導入後の成果(Before/After)
| 項目 | 導入前 | 導入後 | 変化 |
|:--|:--|:--|:--|
| {{指標1}} | {{Before}} | {{After}} | {{削減率/倍率}} |
| {{指標2}} | {{Before}} | {{After}} | {{削減率/倍率}} |
| {{指標3}} | {{Before}} | {{After}} | {{削減率/倍率}} |

## ◆ ご担当者様のコメント
「{{担当者の肉声コメントを1〜2文・主観の言葉そのまま}}」

## ◆ 同じ課題をお持ちの方へ
{{読者への呼びかけと次の一歩CTA(無料相談/資料DL/個別デモなど1つ)}}

このテンプレートをスプレッドシートで管理すれば、複数事例を並列で進められます。各案件で同じフォーマットを使うと、運用がさらに効率化します。

サンプル例文|製造業向けSaaS導入事例

実際に穴埋めした例を示します。架空の例ですが、書き方の参考になります。

# 【製造業・株式会社サンプル様】受発注業務を月80時間削減した在庫管理SaaS導入事例

## ◆ お客様プロフィール
- 会社名:株式会社サンプル
- 業種:金属加工業
- 規模:従業員45名/売上8億円
- 担当者:管理部 部長 山田太郎様

## ◆ 導入前の課題
受発注処理にExcelとFAXを併用しており、月120時間を費やしていた。
担当者2名の月20〜30時間の残業が常態化し、繁忙期は3割を超えていた。

## ◆ 在庫管理SaaSを選んだ理由
1. 既存業務フローをそのまま活かせる柔軟な設計
2. 月額1万円台から始められる料金プラン
3. 中小製造業向け導入実績が豊富

## ◆ 導入後の成果(Before/After)
| 項目 | 導入前 | 導入後 | 変化 |
|:--|:--|:--|:--|
| 受発注処理時間 | 月120時間 | 月40時間 | 67%削減 |
| 残業時間 | 月20〜30時間 | 月5時間以下 | 約80%減 |
| 入力ミス件数 | 月10件前後 | 月1〜2件 | 約85%減 |

## ◆ ご担当者様のコメント
「以前はFAXを探す時間も多かったのですが、今は在庫状況がすぐ確認できて、お客様への返答も早くなりました」

## ◆ 同じ課題をお持ちの方へ
受発注業務の効率化にお困りでしたら、まずは30分の無料相談をご利用ください。

例文として読むと、6ブロックの威力が体感できるはずです。

テンプレ使用時の3つの注意点

穴埋めテンプレートを使う際の注意点を3つ整理します。事前に押さえておくと、運用がスムーズになります。

  • 数字は誇張せず出典を残す:取材時の数字を改変しない
  • 顧客の言葉を勝手に編集しない:意味が変わらない範囲の整文のみ
  • 公開許諾は文書で取得する:口約束は後の差し戻し原因

テンプレートは便利な道具ですが、扱い方を誤ると顧客との信頼関係を損ねます。「事例は顧客との共同作品」という意識で運用してください。

導入事例の取材から原稿化までの5ステップ

導入事例の制作は、依頼→取材設計→ヒアリング→原稿化→確認の5ステップで進めます。1本あたり2〜3週間が目安です。中小企業BtoBでも、内製で十分に回せるフローです。

ここでは、明日から進められる5つのステップを順に紹介します。いきなり取材を始めない設計が、結果として最短ルートになります。

STEP1|依頼と公開許諾の取得(メールテンプレあり)

最初は、顧客への依頼と公開許諾の取得です。取材前に公開条件を文書で合意するのが鉄則です。

依頼メールには、取材の目的・所要時間・公開媒体・社名表記の希望・顔写真の使用可否を明記します。テンプレ化しておけば、毎回ゼロから書く必要がなくなります。

「気軽に協力してください」と曖昧に依頼すると、後から「やはり匿名で」となり原稿が崩れます。最初に合意を文書化することが、お互いの負担を減らします。

STEP2|取材設計(質問項目15個の準備)

取材の前に、質問項目を15個ほど用意します。理由は、その場で考えながら質問すると、6ブロックに対応した話を引き出せないからです。

質問は6ブロックに紐づけて設計します。例えば「導入前の業務はどう回していましたか」「具体的に何時間かかっていましたか」のように、抽象→具体の順で並べます。

質問項目を顧客に事前共有すると、当日のヒアリングが格段に深まります。先方も準備して臨んでくれます。

STEP3|ヒアリング(60〜90分・録音必須)

ヒアリングは60〜90分が標準です。録音を取り、後で文字起こしできる状態にしておきます。録音の許可も、依頼時に取得済みである必要があります。

進行は「現状→課題→選定→導入→成果→今後」の時系列で組みます。読み手が物語として追える順番です。

筆者の経験では、最後の10分を「自由発話の時間」に設けると、台本にない本音や具体エピソードが出てきます。事例の生命感は、この自由発話から生まれることが多いものです。

STEP4|原稿化(テンプレに沿って構成)

原稿化では、先ほどの穴埋めテンプレに沿って構成します。文字起こしから6ブロックに該当する部分を抜粋し、テンプレの空欄に当てはめていきます。

注意点は、担当者の口調をそのまま残すブロックと、編集者が整文するブロックを意識的に分けることです。コメント欄は肉声を残し、課題や成果の本文は読みやすく整文します。

AIによる文字起こし整形を活用すれば、原稿化の時間を半分以下に短縮できる構造です。HubSpotの「The State of Marketing 2024」(2024年公開)でも、コンテンツ制作にAIを活用するマーケターは前年比で大幅に増えたと報告されています(出典:HubSpot State of Marketing 2024(部分確認・ドメイン実在))。中小企業のAI活用の記事もあわせて参考にしてください。

STEP5|顧客確認と公開(修正サイクル1〜2回)

原稿ができたら、顧客に確認依頼を出します。修正のやり取りは1〜2サイクルが目安です。

確認時には「数字の正確性」「ニュアンスの違い」「公開時の最終許諾」の3点をチェックしてもらいます。チェック項目を整理して伝えると、確認のスピードが上がります。

公開後は、必ず顧客に公開URLを送ります。SNSでシェアしてもらえる関係づくりにつながります。

【画像挿入 種類: Claude作成可能: 5ステップフロー図 内容: 取材から公開までの5ステップを「依頼→取材設計→ヒアリング→原稿化→顧客確認」の横並びフロー図で表現。各ステップに所要日数と成果物を添える 目的: 制作の全体像と所要期間を1枚で把握できる alt属性テキスト案: 導入事例制作の5ステップを取材から公開まで時系列で示したフロー図 】

導入事例テンプレートの配布チャネル|営業・サイト・SNSの使い分け

せっかく作った導入事例を眠らせないため、配布の型を整えます。営業現場・自社サイト・SNSの3つを目的別に使い分けるのが要点です。1本の事例を多面活用する考え方を共有します。

中小企業ほど、1本の事例を最大限に活かす設計が重要です。多くの企業様が、せっかくの事例を公開して終わりにしてしまうケースを見てきました。ここを丁寧に運用するだけで、事例制作の費用対効果が大きく変わります。

営業現場|PDF1枚版で商談中盤に投入

営業現場では、A4 1枚にまとめたPDF版を用意します。商談中盤、相手が「他社の事例はあるか」と聞いてくるタイミングで渡すのが定石です。

1枚版には6ブロックを凝縮します。表紙+顧客紹介+課題+成果+次の一歩のような縮約版でも十分機能します。

複数業種のPDFを揃えておき、相手の業種に近いものを商談前に選びます。事前の準備が、商談中盤の信頼形成に直結します。

自社サイト|HTML記事版でSEO・GEOに効かせる

自社サイトには、6ブロックを丁寧に展開したHTML記事版を掲載します。理由は、検索流入とGEO(AI検索の引用獲得)の両方で機能するからです。

「{{業種}} {{サービス領域}} 事例」というKWで、見込み客が能動的に検索します。HTML記事として整備しておくと、商談前のリード接点になります。

SEO観点では、3,000〜5,000字で構成し、構造化データ(Article schema)を入れると、検索結果での視認性が上がります。

SNS・メルマガ|ダイジェスト版でリード接点を増やす

SNSやメルマガでは、ダイジェスト版を発信します。「{{業種}} {{社名}}様、月80時間削減」のように、成果の数字を見出しに据えます。

ダイジェスト版から自社サイトのHTML記事版に誘導する設計が定石です。SNSで興味喚起、サイトで本編、商談でPDFという3段階の活用が完成します。

1本の事例を3チャネルで使い回すだけで、制作コストの回収速度が大きく上がる仕組みです。

よくある失敗3つと改善|「自社自慢」「数字なし」「公開許諾忘れ」

導入事例制作で失速する中小企業に共通する3つの落とし穴を整理しました。どれも事前のテンプレ設計と運用ルールで回避できる失敗です。

失敗1|自社目線の自慢で終わってしまう

最も多い失敗が、自社目線の自慢で終わるパターンです。「弊社のサービスを使った」が主語になり、顧客の物語が消えます。

改善のポイントは、主語を必ず顧客に置くことです。「お客様が課題を解決した」が物語の中心です。自社サービスは、その手段として登場します。

主語を顧客に変えるだけで、事例の読後感が大きく変わります。「売り込み」から「学び」へと印象が転換します。

失敗2|成果に数字がなく説得力が弱い

2つ目は、成果が抽象表現で終わり、説得力が弱まる失敗です。「業務が効率化した」「みんなが喜んでいる」だけでは、読み手の意思決定材料になりません。

ヒアリング時に「具体的に何時間/何件/何円ですか」と一段深掘りします。数字を引き出すヒアリング技術が、事例の質を決めます。

数字が出せない場合は、頻度や倍率(3倍に増えた等)で代替します。誇張せず、出典のある数字を残すことを徹底してください。

失敗3|公開許諾を取らずに公開・差し戻し発生

3つ目は、公開許諾を口頭でしか取らず、公開直前で差し戻される失敗です。社内承認プロセスが想定より長く、結果的に公開できなくなるケースもあります。

改善のポイントは、取材依頼時に公開条件を文書で合意することです。社名表記の有無・数字の公開可否・担当者顔写真の使用可否を、メール本文で明記します。

完成原稿の最終許諾も、文書で取り直します。この2段階の文書化で、差し戻しがほぼ発生しなくなります。

【画像挿入 種類: Claude作成可能: NG/OK 比較表 内容: 導入事例制作のNGパターン3つとOKパターン3つを左右対比。自社自慢vs顧客主語、抽象成果vs数字成果、口頭許諾vs文書許諾の3軸で示す 目的: よくある失敗とその改善ポイントを一目で把握できる alt属性テキスト案: 導入事例制作のよくある失敗3つと改善ポイントを比較したNG/OK表 】

導入事例テンプレートを資産化する3つの運用ルール

導入事例テンプレートは、作って終わりではなく「会社の資産」として育てる対象です。中小企業BtoBが定着させるための3つの運用ルールを共有します。

蓄積型発信の考え方と、導入事例テンプレートは相性が良い組み合わせです。一度整えた事例は、担当者が変わっても使い回せる資産として残ります。

ルール1|業種・規模別に最低3本のラインナップを揃える

導入事例は、業種・規模別に最低3本のラインナップを揃えます。理由は、商談相手の業種や規模に近い事例を出せるかどうかで、説得力が変わるからです。

「製造業中規模1本+IT中小1本+小売中堅1本」のように、ターゲット業界を3〜4分類で押さえます。これで多くの商談に対応できるラインナップが完成します。

3本目以降は、業界を絞り込んでさらに深掘りした事例集を作る運用に移行します。

ルール2|半年に1度、数字と肩書を更新する

蓄積した事例は、放置すると情報が古くなります。半年に1度、数字と肩書を更新するルールを決めておきます。

数字は、導入後1年・3年・5年と時間が経つほど変化します。担当者の肩書も異動で変わります。古い情報を更新せずに使うと、信頼を損ねるリスクがあります。

更新の担当者と頻度をあらかじめ決めるだけで、鮮度が保たれる仕組みになります。

ルール3|営業・マーケ・広報が共通テンプレで運用する

3つ目のルールは、部門横断で共通テンプレを使うことです。営業・マーケ・広報がそれぞれ別フォーマットで事例を作ると、ブランドの統一感が崩れます。

社内ガイドラインとしてテンプレートを1つに決め、全部門がそれを使う運用に統一します。SaaS/製造業/IT業の事例も、すべて同じテンプレートで運用するのが理想です。

蓄積型発信の発想は、SNSのような借り物の発信とは違います。自社に積み上げた資料やコンテンツは、消えずに残り続ける資産です。導入事例テンプレートも、その代表例の1つです。

【画像挿入 種類: Claude作成可能: サイクル図 内容: 導入事例テンプレートを資産として育てる運用サイクルを「テンプレ設計→事例制作→3チャネル配布→半年ごと更新」の4ステップで循環図に。中心に「会社の営業資産として蓄積」と置く 目的: 導入事例を一度きりで終わらせず、回し続ける運用イメージを伝える alt属性テキスト案: 導入事例テンプレートを設計から更新まで循環させ資産化する運用サイクル図 】

ハッシンラボでも、導入事例テンプレートを社内で運用し、半年に1度の更新サイクルを回しています。仕組み化することで、属人化せず継続できる構造を作れます。

まとめ|導入事例テンプレートは中小企業BtoBの営業資産

導入事例テンプレートとは、顧客の課題・解決策・成果を共通フォーマットでまとめる雛形です。中小企業BtoBが成果を出す要点は、次の3つです。

  • 6ブロック構成で品質を安定させる:表紙→顧客紹介→課題→解決策→成果→次の一歩
  • 穴埋め式テンプレで制作時間を3割短縮:1本2〜3週間で内製可能
  • 営業・サイト・SNSの3チャネルで多面活用:1本の事例を最大化

短期的な営業ツールではなく、「会社の営業資産」として位置づけてください。今日から1本目の取材依頼を出し、属人化した営業を、長期的に価値を積み重ねる仕組みへと変えていきましょう。

オウンドメディアでの情報蓄積に関心がある方は、オウンドメディアの作り方もあわせてご覧ください。導入事例と同じ「蓄積型」の考え方で、会社の発信全体を資産化できます。

よくある質問

導入事例テンプレートは何ブロック構成が適切ですか?

表紙・顧客紹介・課題・解決策・成果・次の一歩の6ブロックが目安です。これ以上増やすと読み手が疲れ、減らすと説得力が落ちます。中小企業BtoBの場合、A4 1〜2枚に6ブロックを収める設計が、商談中盤の投入資料として最も機能しやすい構成です。

導入事例の取材は1本あたりどのくらい時間がかかりますか?

依頼から公開まで2〜3週間が目安です。取材自体は60〜90分、原稿化に2〜3営業日、顧客確認の往復で1〜2週間という配分が現実的です。テンプレートを整備しておくと、2本目以降は1本1〜2週間に短縮できます。

顧客の社名や数字を出せない場合はどうしますか?

業種・規模・地域を残し、社名のみ匿名化する方法があります。例えば「東京都・従業員50名規模の製造業」と表記し、数字は割合や倍数(売上1.5倍など)で表現します。匿名でも構成が整っていれば、十分に説得力のある事例として機能します。

導入事例テンプレートの作成にAIは使えますか?

取材音源の文字起こしや、原稿の構成チェックに活用できます。ヒアリング内容の要約や、テンプレートの空欄を埋める下書きづくりにも有効です。ただし、顧客の発言や数字の最終確認は必ず人が行い、誇張のない形で仕上げてください。

公開許諾はどのタイミングで取るべきですか?

取材前に「公開可否・社名表記の有無・担当者顔写真の使用可否」をメールで明文化するのが定石です。原稿完成後に再度、最終版での公開許諾を取り直します。この2段階の確認で、公開直前の差し戻しがほぼ発生しなくなります。

飯塚昭博

この記事の著者

飯塚 昭博

Akihiro Iitsuka

コントリ株式会社 代表取締役

青山学院大学卒業後、自動車会社にて年間180億円規模の設備調達を担当。中小企業経営者の想いに触れる中でその価値を伝えることに使命を感じ、2023年独立。経営者インタビューメディア「コントリ」を運営し、100社以上の経営者を取材。SEO・AI活用・発信設計を通じて中小企業の「伝わる発信」を支援している。

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