Google LabsとDeepMindが開発した「Pomelli(ポメリ)」は、WebサイトのURLを入力するだけでブランドのカラーやフォント、トーンを自動分析し、SNS投稿・広告クリエイティブ・メールバナーなどを無料で自動生成するAIツールです。現在はベータ版として無料提供されており、将来的に日本市場へ展開される可能性もあることから、コンテンツマーケティングに携わる方はいま把握しておきたいツールの一つです。
Pomelliが解決する中小企業の悩み
マーケティング素材の制作コストが重い
中小企業がSNSや広告に使う画像・バナーを制作しようとすると、デザイナーへの外注費や制作時間がかかります。Salesforceの調査(2024年)によると、中小企業の75%がAIの活用を検討しており、特に成長中の企業では83%が高い活用意欲を示しています。にもかかわらず、実際に使えるツールはまだ限られているのが現状です。
(Business DNA生成)
ブランドのトンマナ統一が難しい
「トンマナ」とは、トーン(文章の語調)とマナー(デザインの統一ルール)を合わせた言葉です。例えば、SNS投稿のフォントや色味がバラバラだと、企業としての信頼感が薄れてしまいます。LucidpressがDemand Metric社と実施した調査(2016年)では、ブランドを一貫して表現することで売上が平均23%向上する可能性があると報告されています。一貫したブランド発信は、企業の長期的な資産になります。
Pomelliの3ステップ使い方
ステップ1:WebサイトURLを入力するだけ
Pomelliにアクセスして自社のWebサイトURLを入力すると、AIがサイトを自動分析します。読み取る内容は、ブランドカラー・使用フォント・画像スタイル・文章のトーンの4つです。この分析結果は「Business DNA(ビジネスDNA)」プロフィールとして保存されます。
ステップ2:キャンペーンアイデアを選ぶ
Business DNAが作成されると、ツールが自社ブランドに合ったキャンペーンのアイデアを複数提案します。「春の新商品をInstagramで紹介したい」のように自分でテーマを入力することも可能です。提案から選ぶだけで、次のステップへ進めます。
ステップ3:素材を編集してダウンロード
SNS投稿・広告バナー・メール用ヘッダーなど、複数のマーケティング素材が自動で生成されます。テキストや画像は「背景色を緑に変えて」のような自然な言葉で指示して編集できます。完成したファイルはPNG・JPG形式でダウンロードして、そのまま各プラットフォームで使えます。
2026年に追加された注目の新機能
Photoshoot:スマホ写真をプロ品質に変換
2026年2月19日に追加された「Photoshoot(フォトシュート)」機能は、スマートフォンで撮った商品写真をスタジオ品質のプロダクト写真に自動変換します。Googleの画像生成技術「Nano Banana」を活用しており、「スタジオ撮影風」「フローティング風」「素材・食材風」「使用シーン風」の4種類のテンプレートから選べます。商品URLを入力するだけで画像を自動取得して変換することも可能です。

Pomelli Animate:動画コンテンツも自動生成
「Pomelli Animate(ポメリ・アニメート)」は、静止画マーケティング素材をワンクリックで動画アニメーションに変換する機能です。Googleが開発した動画生成AI「Veo 3.1(ベオ 3.1)」を搭載しており、InstagramリールやTikTok・YouTube向けの短尺動画素材を手軽に作れます。デザインスキルや動画編集ソフトがなくても使える点が特徴です。
日本市場での活用可能性と注意点
現時点での制限を理解しておく
Pomelliはベータ版の提供当初、米国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの4か国向けに英語のみで提供されていました。2026年2月26日にはインドでも展開が開始され、対応地域は着実に広がっています。日本語には未対応のため、現状では即座に業務活用するのは難しい状況です。また、Google Labsの実験的プロジェクトであるため、将来的な提供継続や有料化のタイミングは未定です。ベータ版が終了した際の価格については、現在のCanva Pro(年間約120〜180ドル相当)と比較しながら今後の動向を注視するといいでしょう。
将来の日本展開に備えて今できること
GoogleはGoogle翻訳やGoogleマップなど、多くのサービスを段階的に世界展開してきた実績があります。Pomelliについても、インドへの展開が始まったことで、日本を含む他の地域への拡大が現実味を帯びてきました。VPN(仮想プライベートネットワーク:自分の所在地を別の国に見せかけてネット接続する技術)を経由すれば試用できるとの報告もありますが、Googleの利用規約に抵触する可能性もあるため自己責任での判断が必要です。日本展開を待ちながら、ツールの概要をいまから把握しておくだけでも、正式公開時にすぐ動き出せる準備につながります。
| Pomelli | Canva Pro | Adobe Express Premium |
|
|---|---|---|---|
| 提供元 | Google Labs× DeepMind | Canva | Adobe |
| 料金 | 無料ベータ期間中 | 月額 $15年払い $120/年 | 月額 $9.99年払い $99.99/年 |
| ブランド 自動分析 |
○Business DNA | ×手動設定 | ×手動設定 |
| AI画像生成 | ○無制限 | △回数制限あり | △月250クレジット |
| 商品撮影AI | ○Photoshoot機能 | × | × |
| 動画生成 | ○Veo 3.1搭載 | △基本機能 | △基本機能 |
| 素材 ライブラリ |
△限定的 | ○1億点以上 | ○2億点以上 |
| テンプレート | ×AI生成のみ | ○豊富 | ○豊富 |
| 日本語対応 | ×英語のみ | ○ | ○ |
| 提供地域 | 5カ国米/加/豪/NZ/印 | グローバル | グローバル |
まとめ
Google PomelliはWebサイトURLを入力するだけでブランドのカラー・フォント・トーンを自動分析し、SNS投稿・広告・バナーを無料で生成できるAIマーケティングツールです。2026年2月には商品写真の自動変換機能「Photoshoot」と動画生成機能「Pomelli Animate」が追加され、機能が急速に拡充されています。現時点では日本語未対応で一部地域限定ですが、将来の日本展開を見据えて動向を追っておく価値は十分あります。一時的なバズを狙うのではなく、ブランドに一貫した素材を継続的に発信していく「蓄積型発信」を実践したい中小企業にとって、Pomelliは強力な選択肢になり得るツールです。ぜひ今のうちにツールの概要を把握しておきましょう。
よくある質問
Q. Google Pomelliは完全無料で使えますか?
A. 現在はパブリックベータ版として完全無料で提供されています。Googleはベータ終了後の料金プランをまだ発表していませんが、現時点では費用なしで利用できます。将来的に有料プランが導入される可能性があるため、無料の今のうちに試しておくことをおすすめします。
Q. Pomelliは日本語に対応していますか?
A. 2026年3月時点では英語のみの対応です。提供地域はベータ開始当初の米国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドに加え、2026年2月26日にはインドでも展開が始まりました。日本語対応・日本展開の時期は未定ですが、対応地域が着実に拡大していることから、2026年中に日本を含む他の地域へ広がる可能性があります。
Q. Pomelliを使うにはデザインの知識が必要ですか?
A. デザインスキルは一切不要です。WebサイトのURLを入力して、キャンペーンのテーマを文章で伝えるだけで素材が自動生成されます。テキストや画像の編集も「背景色を変えて」のような自然な言葉で指示できるため、初めての方でも15分程度で最初のコンテンツを作れます。
Q. Photoshoot機能はどんな商品写真に使えますか?
A. スマートフォンで撮影したクオリティの低い写真でも変換できます。商品写真を直接アップロードするか、商品ページのURLを入力するだけで、スタジオ・フローティング・食材・使用シーンの4つのテンプレートからプロ品質の写真に変換されます。外部のカメラマンに依頼しなくても商品撮影を完結できる点が特徴です。
Q. PomelliはCanvaやAdobe Expressと何が違いますか?
A. 最大の違いは「ブランドの自動抽出」です。CanvaやAdobe Expressではカラーやフォントを手動で設定する必要がありますが、PomelliはWebサイトURLを読み込むだけでブランドカラー・フォント・トーンを自動で抽出し、一貫したコンテンツを生成します。また、商品写真のスタジオ変換機能はCanva ProやAdobe Expressには含まれていない独自の機能です。
【参考資料】
公式情報