TikTokを始めたいけれど、撮影も編集も社内では手が回らない。そんなお困りごとから、TikTok運用代行を検討する企業様が増えています。
TikTok運用代行とは、自社のTikTokの企画・撮影・編集・投稿・分析を、外部の会社や個人に任せるサービスです。費用の目安は、編集だけで月10万〜20万円、撮影込みで月20万〜60万円です(TaTap・2026年9月時点)。
選ぶときに見るのは、再生回数の実績だけではありません。「採用や問い合わせにつながる運用か」と「動画とアカウントが自社に残る契約か」の2点です。
本記事では、任せられる業務と費用相場、メリットとデメリットを順に解説します。続けて、契約前に確かめる6項目と失敗パターン、動画を会社の資産に変える運用を紹介します。外注を「動画の穴埋め」で終わらせないための手引きとして、お役立てください。
TikTok運用代行とは|任せられる業務と依頼の形
TikTok運用代行で任せられる業務は、主に6つです。アカウント設計・企画と台本・撮影・編集・投稿・分析が該当します。どこまで任せるかで、依頼の形は「編集だけ」「企画から投稿まで」「広告・ショップ連携まで」の3段階に分かれます。
TikTokは、短い縦型動画を中心にしたSNSです。国内の月間利用者は、Lite版と合わせて4,200万人超です(TikTok公式・2025年11月)。
国内でTikTokに広告を出す企業は、48万社を超えると発表されています(同発表)。若い世代だけの場所ではなく、採用や商品紹介に使う会社も増えてきました。
任せられる6つの業務|アカウント設計から撮影・編集・分析まで
TikTokの運用は、動画を1本作って終わりではありません。最初の工程がアカウント設計です。誰に向けて、どんな印象を残すアカウントにするかを決めます。
次は企画と台本です。台本とは、動画の中で話す言葉や映す順番をまとめた設計図のことです。例えば「新人スタッフの1日を30秒で見せる」といった企画を立て、話す内容まで落とし込みます。
TikTokならではの手間が、撮影と編集にあります。撮影は社内や店舗で行うため、代行会社のスタッフが訪問する形が一般的です。
編集では、テロップと呼ばれる画面上の文字や、音源を付けて仕上げます。動画の縦横比や長さの決まりは「TikTok動画のサイズ」で詳しく紹介しています。
仕上げた動画は、説明文やハッシュタグを付けて投稿します。ハッシュタグとは、「#採用」のように#を付けた言葉で、同じ話題の動画を探しやすくする目印です。決めた時間に出す方法は「TikTokの予約投稿」にまとめました。最後に、視聴の数字を見て次の動画を直す分析までが、運用の範囲です。
依頼の形は「編集だけ」「企画から投稿まで」「広告・ショップ連携まで」の3段階
依頼の形は大きく3段階です。編集だけの依頼は、社内で撮った素材を渡し、仕上げを任せる形を指します。撮影できる社員がいて、編集の時間だけが足りない企業に向きます。
企画から投稿までの依頼は、設計・撮影・編集・投稿・分析を一括で任せる形です。社内の負担は軽くなります。その分、費用は高めです。
会社らしさが外部の演出に置き換わりやすい点にも、注意が要ります。
広告・ショップ連携までの依頼は、TikTok広告やTikTok Shopの運用まで含める形です。
TikTok Shopとは、TikTokのアプリ内で商品を販売できる仕組みのことです。例えば、動画で紹介した商品をその場で買ってもらえます。物販の会社でなければ、最初からここまで任せる必要は小さいと考えています。
出典:TaTap「TikTok運用代行の費用」(2026年9月時点の市場の目安・税別)
依頼先は運用代行会社・制作会社・フリーランスの3種類
依頼先は3種類あります。運用代行会社は、企画・撮影・分析の担当がそろっていて、体制が安定しています。制作会社は撮影と編集が得意で、動画の質を上げたいときに頼りになる存在です。
フリーランスは費用を抑えやすい反面、担当者1人の経験に成果が左右されます。
私は2026年11月9日に、YouTubeで「TikTok運用代行」を検索し、上位10本を確かめました。タイトルで分類すると、再生回数が最も多い2本は、どちらも運用代行で稼ぎたい人に向けた動画でした。約9,100回の動画は「1動画で月50万円」をうたう内容です(YouTube・2024年2月)。
約2,200回の2本目も、「月140万稼いだ方法」を語る副業向けの動画でした(YouTube・2024年8月)。一方で、発注する側に向けて費用を説明した動画は、多くても約400回にとどまります。100回台の動画もありました(2026年11月9日時点)。
代行は、副業として始める人に向けた情報も多い分野です。依頼先を選ぶときは、担当者の経験を具体的に聞いてみてください。
TikTok運用代行の費用相場|業務範囲別の月額と見積もりの内訳
TikTok運用代行の費用は、月10万〜80万円以上と幅があります(TaTap・2026年9月時点)。差を生むのは、動画の本数と、撮影や演者の手配まで含めるかどうかです。月額だけで比べず、工程ごとの内訳を見ると、見積もりの妥当さが判断できます。
出典:TaTap「TikTok運用代行の費用」(2026年9月時点の市場の目安・税別)
業務範囲別の月額の目安|編集のみから広告連携まで
公開されている市場の目安を、業務範囲別に並べました。編集のみは月10万〜20万円で、月4〜5本の投稿代行などが含まれます(TaTap・2026年9月時点)。
企画から撮影・投稿までは、月20万〜60万円です。この価格帯では、月8〜12本の動画と分析レポートが目安とされます。広告やTikTok Shopの連携まで含めると、月60万〜100万円以上まで上がります。
別の比較サイトでは、代行企業の月額を月20万〜100万円程度が一般的としています(@SOHO・2026年8月更新)。サイトごとに幅は違いますが、どちらも、撮影まで会社に頼むなら月20万円前後が下限の目安です。
なお、TaTapは運用代行を手がける会社で、@SOHOは仕事の受発注サイトを運営しています。公的な費用統計は見当たらないため、民間の目安として読み、最後は複数社の見積もりで確かめてください。
月額の目安を一覧にまとめました。見積もりを比べるときの物差しとして使ってください。
| 業務範囲・依頼先 | 月額の目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 編集のみ(月4〜5本の投稿代行など) | 10万〜20万円 | 2026年9月時点・TaTap |
| 個人・フリーランス | 2万〜20万円前後 | 2026年8月更新・@SOHO |
| 企画から撮影・投稿まで(月8〜12本・分析込み) | 20万〜60万円 | 2026年9月時点・TaTap |
| 代行企業の一般的な水準 | 20万〜100万円程度 | 2026年8月更新・@SOHO |
| 広告・TikTok Shop連携まで | 60万〜100万円以上 | 2026年9月時点・TaTap |
表のうちTaTapは業務範囲別、@SOHOは依頼先別の目安で、数字の決め方が違います。2つを並べて、おおよその価格帯をつかむ材料にしてください。
工程別の単価|企画・撮影・編集・分析
見積もりの中身は、工程ごとの単価に分けて見ると理解が進みます。市場の目安では、企画・台本が1本1万〜5万円、動画編集が1本1万〜3万円です(TaTap・2026年9月時点)。
費用が大きくなりやすいのは撮影です。撮影・ディレクションは月10万〜30万円とされます。ディレクションとは、撮影の段取りや演出を取り仕切る仕事を指します。例えば、どの場所で誰が何を話すかを決め、当日の撮影を進める役割です。
演者の手配は月10万円から、分析・改善提案は月5万〜20万円が目安です。社員が出演するか、外部の演者を立てるかで、見積もりは大きく動きます。
工程ごとの単価を図にまとめました。見積書の項目と見比べると、どこに費用がかかっているかが見えてきます。
出典:TaTap「TikTok運用代行の費用」(2026年9月時点の市場の目安・税別)
依頼先別の目安と月額の外側にかかる費用
依頼先別に見ると、個人・フリーランスは月5万〜15万円が目安とされます(TaTap・2026年9月時点)。編集・投稿・簡単な企画までが中心です。別のサイトでは月2万〜20万円前後とされ、出典ごとに幅が違います(@SOHO・2026年8月更新)。
クラウドソーシングとは、ネット上で仕事を募集し、個人に依頼する仕組みのことです。例えば、編集だけなら1本3,000〜10,000円の例もあります(TaTap・2026年9月時点)。
月額の外側にも費用がかかります。初期費用は5万〜30万円程度が目安です(@SOHO・2026年8月更新)。TikTok広告を任せる場合は、広告費とは別に運用手数料がかかり、20%前後とされています。
契約期間にも目を向けてください。同じサイトでは「最低6か月契約」といった縛りが多いと紹介されています。月額が安く見えても、半年分の総額で比べると印象が変わります。
TikTok運用代行のメリットとデメリット|自社運用との比較
TikTok運用代行の一番のメリットは、撮影と編集の手間を外に出し、投稿を止めずに続けられることです。一方で、費用がかさみやすく、会社らしさや運用の知見が社内に残りにくい弱点もあります。自社運用と並べて、向き不向きを見ていきましょう。
メリット|制作の手間・企画力・分析の知識を買える
1つ目のメリットは、制作の手間を手放せることです。TikTokの動画は短くても、1本の企画・撮影・編集に数時間かかることがあります。担当者が兼務の会社では、この時間の確保が最初の壁です。
2つ目は、企画力です。TikTokでは、最初の数秒で見るかどうかが決まります。冒頭の見せ方や流行の音源の使い方など、多くのアカウントを見てきた会社ほど引き出しを持っています。
3つ目は、分析の知識です。視聴維持率とは、動画が最後までどれだけ見られたかを示す数字のことです。例えば、平均して半分で離脱されているなら、冒頭か中盤の構成を直します。こうした数字の読み方を、運用しながら学べます。
デメリット|費用・会社らしさの薄まり・ノウハウの空洞化
デメリットの1つ目は、費用です。会社に撮影まで頼むと月20万円前後からが目安で、中小企業には軽くない金額。成果が出るまでの期間も見込んで、予算を組む必要があります。
2つ目は、会社らしさが薄まりやすいことです。流行の型に合わせた動画は再生されやすい反面、どの会社でも作れる内容になりがちです。社員の人柄や仕事のこだわりが映らないと、見た人の記憶に会社が残りません。
3つ目は、ノウハウの空洞化です。すべてを任せると、何が効いたのかが社内にたまりません。解約した翌月から、動画を作れない状態に戻りやすくなります。
自社運用・代行・併用の比較
選び方は「自社運用」「代行」「併用」の3つです。私がコントリの発信支援の現場で見てきた範囲では、中小企業には併用が合う場面が多いと捉えています。撮影は社内、編集と分析は外部という分け方です。
3つの形を、費用・社内の負担・知見の残りやすさで比べました。
| 運用の形 | 費用 | 社内の負担 | 知見の残りやすさ | 向いている会社 |
|---|---|---|---|---|
| 自社運用 | 低い(人件費のみ) | 大きい | 残りやすい | 撮影と編集ができる社員がいる |
| 運用代行(企画から投稿まで) | 高い(月20万〜60万円が目安) | 小さい | 残りにくい | 早く体制を整えたい・予算がある |
| 併用(撮影は社内・編集と分析は外部) | 中程度 | 中程度 | 残りやすい | 社員の協力は得られるが編集の時間がない |
出典:TaTap「TikTok運用代行の費用」(2026年9月時点の市場の目安・税別)
TikTok運用代行の選び方|契約前に確かめる6つの項目
TikTok運用代行の選び方で大切なのは、再生回数の実績より「自社の採用や問い合わせにつながる運用ができるか」です。打ち合わせで確かめたい6つの項目を、質問例と一緒に紹介します。
確認1:自社と近い業種・目的(採用・集客・販売)の運用実績
最初に、自社と近い業種と目的での実績を聞きます。TikTokの使い方は、採用・集客・販売で大きく違います。採用なら職場の雰囲気、集客なら来店のきっかけ、販売なら商品の使い方が動画の軸です。
質問例は「採用目的で運用したアカウントの例と、応募数の変化を教えてください」です。数字で答えられる会社は、目的から逆算した運用をしていると判断できます。
実績を見せてもらうときは、アカウントの画面だけでなく、運用前後の数字の変化も聞いてみてください。
BtoBとは、会社同士の取引を中心にした事業のことです。BtoBの会社なら、同じBtoBでの実績があるかも確かめどころです。若い世代向けの演出が得意な会社でも、取引先に見られて困らない動画を作れるとは限りません。
確認2:再生回数以外のKPIをどう決めるか
KPIとは、目標に向けた進み具合を測る指標のことです。例えば「月の採用応募数」や「プロフィールからのサイト訪問数」が当たります。再生回数だけを目標にすると、会社に関係のない人に見られて終わる心配があります。
質問例は「再生回数のほかに、どの数字を毎月の報告に入れますか」です。保存数やプロフィールへのアクセス数まで追う会社を選びましょう。
報告の頻度と形式も、このときに決めます。月1回の報告書に加えて、30分ほどの振り返りの場を設けると、社内で数字の意味を理解しやすくなります。数字の説明が「再生が伸びました」だけで終わる会社は、改善の提案も浅くなりがちです。
確認3:撮影の分担と、社員の出演・顔出しの範囲
撮影の分担は、費用と社内の負担を大きく左右します。代行会社が月に何回訪問するのか、社内で撮る素材はあるのかを決めておきます。
社員の出演も、早めに話し合いたい点です。顔出しなしで撮れる企画を持っている会社もあります。外部の演者を立てると、月10万円からの費用が加わります(TaTap・2026年9月時点)。
質問例は「月に何回訪問して、1回で何本分を撮りますか。顔出しなしで撮れる企画の例はありますか」です。撮影1回あたりの本数が分かると、社内で空けておく時間の見当がつきます。
確認4:動画の確認フローと炎上時の連絡体制
投稿前に、誰が動画を確認するのかを決めます。炎上とは、投稿に批判が集まり、拡散して収まらなくなる状態のことです。例えば、店内の撮影で他のお客様の顔が映り込んだだけでも、批判の的になることがあります。
質問例は「投稿前の確認は何日前に届きますか。炎上したら何時間以内に連絡をもらえますか」です。夜間や休日の連絡先まで決めておくと、慌てずに済みます。
確認の締め切りも決めておきましょう。例えば「投稿の2営業日前に動画が届き、1営業日で返事をする」という流れです。締め切りが無いと、確認待ちの動画がたまり、投稿の予定が崩れていきます。
確認5:PR表記・ステマ規制と音源の権利の扱い
2023年10月1日から、広告であることを隠した表示は景品表示法の規制対象になりました(消費者庁)。ステルスマーケティングとは、広告なのに広告と分からない形で宣伝する手法を指します。
PR表記とは、投稿に「PR」「広告」と書き、宣伝だと分かるようにする表示です。インフルエンサーに紹介を頼むなら、PR表記の扱いを確かめましょう。
音源の扱いも大事な確認点です。TikTokで流行している音楽でも、企業アカウントでは使えない曲があります。会社のアカウントで使える曲は、商用向けの音楽ライブラリにある曲に限られます。どの音源を使うか、権利をどう確かめているかを質問してください。
確認6:アカウントの名義と、動画データ・素材の帰属
アカウントは、会社のメールアドレスで作り、名義を自社に置くことが前提です。代行会社の担当者の個人メールで作られると、解約時の引き継ぎで揉めやすくなります。
見落としやすいのが、動画データと撮影素材の帰属です。投稿済みの動画はアカウントに残ります。ただ、編集前の素材や元データは、契約によっては渡されません。解約時に何を受け取れるかを、契約書で確かめておきましょう。
質問例は「解約したとき、編集前の素材とプロジェクトのデータは渡してもらえますか」です。二段階認証とは、パスワードに加えて確認コードでも本人確認する仕組みです。ログイン情報の管理と、確認コードの受け取り先も決めておきます。解約したら、すぐにパスワードを変えましょう。
6つの確認で使う質問例を、打ち合わせにそのまま持っていける形でまとめました。
1. 採用(集客・販売)目的で運用したアカウントの例と、数字の変化を教えてください。
2. 再生回数のほかに、どの数字を毎月の報告に入れますか。
3. 月に何回訪問して、1回で何本分を撮りますか。顔出しなしの企画例はありますか。
4. 投稿前の確認は何日前に届きますか。炎上したら何時間以内に連絡をもらえますか。
5. PR表記の扱いと、使う音源の権利はどう確かめていますか。
6. 解約したとき、編集前の素材とプロジェクトのデータは渡してもらえますか。
TikTok運用代行で中小企業が失敗しやすい4つのパターン
TikTok運用代行の失敗は、代行会社の腕よりも、目的と契約の決め方で起きることが多いです。中小企業でよく見る4つのパターンと、それぞれの防ぎ方を見ていきます。
パターン1:再生回数とフォロワー数だけを目標にする
1つ目は、再生回数とフォロワー数だけを目標にすることです。数字は伸びたのに、採用の応募も問い合わせも増えない。こうした相談は、私たちの取材・支援の現場でもよく耳にします。
防ぎ方は、事業の数字につながるKPIを先に決めることです。例えば採用目的なら、動画を見て応募した人の数を面接で聞くだけでも、効果が見えてきます。
パターン2:流行の型をなぞるだけで、会社の顔が見えない
2つ目は、流行の型をなぞるだけの動画が続くことです。人気の音源とダンスで再生は伸びても、どの会社の動画だったか覚えてもらえません。
防ぎ方は、社員や現場を映す企画を混ぜることです。例えば、職人の手元や、ベテラン社員が新人に教える場面は、その会社でしか撮れない映像です。
パターン3:社内の撮影協力が続かず、本数が落ちる
3つ目は、社内の協力が続かないことです。最初の月は張り切って撮影しても、繁忙期に入ると撮影日が延期になります。そのまま投稿が止まるケースは珍しくありません。
防ぎ方は、撮影日を月の予定に先に入れることです。1回の撮影で3〜4本分の素材を撮りためると、繁忙期でも投稿が途切れません。
パターン4:解約したら動画の元データが手元に残らない
4つ目は、解約後に元データが残らないことです。撮影した素材は、インスタやYouTube、採用サイトにも使える会社の財産です。その素材が代行会社のパソコンにしか無い、という事態が起こります。
防ぎ方は、素材と元データの受け渡しを契約書に入れることです。毎月の納品物に、編集前の素材を含めてもらうと安心です。
TikTok運用代行に任せる前に社内で決めておく4つのこと
依頼前に社内で決めるのは、届けたい相手・撮影の窓口・確認の担当・予算の4つです。TikTokの動画は、現場の人や仕事ぶりが映るほど見てもらえます。社内の協力が無いと、どこにでもある一般論の動画が並ぶので、先に土台を整えておきましょう。
TikTokで届けたい相手と、TikTokに任せる役割
最初に、TikTokで誰に届けたいかを決めます。学生や若手の求職者なのか、近所の買い物客なのかで、動画の内容は大きく違ってきます。
あわせて、TikTokに任せる役割も決めておきましょう。例えば「会社の雰囲気を知ってもらう入口」と決めれば、詳しい情報は採用サイトや自社ブログで伝える流れができます。
撮影に協力する担当と、出演してよい人の範囲
撮影に協力する窓口の担当を1人決めます。代行会社との日程調整や、撮影場所の確保を受け持つ役割です。
出演してよい人の範囲も、社内で先に話し合いましょう。顔出しの可否は、本人の同意を取ったうえで書面に残します。退職した社員が映った動画をどう扱うかも、あわせて決めておくと揉めずに済みます。
動画の確認担当と、映してはいけないもののリスト
投稿前に動画を確認する担当を決めます。確認が社長1人に集中すると、確認待ちで投稿が止まりがちです。
映してはいけないもののリストも作ります。例えば、取引先の名前が見える書類、お客様の顔、社内の掲示物などです。このリストを代行会社に渡すと、撮り直しの手間が減ります。
予算の上限と、続けるか見直す時期
最後に、予算の上限と見直しの時期を決めます。TikTokは、反応を見ながら動画の切り口を直していく媒体です。最初の3か月は改善の期間と考えるのが現実的です。
見直しの時期には、確認2で決めたKPIの推移を見て、続けるか、範囲を絞るかを判断します。判断の基準を先に決めておくと、ずるずると契約を続ける事態を防げます。
TikTok運用代行の成果を会社に残す|動画を蓄積型の資産にする
代行の成果を会社に残す鍵は、元データと数字を毎月受け取り、ほかの媒体へ広げることです。
TikTokの動画は、おすすめ(利用者ごとに選ばれて表示される動画の一覧)に載る期間が過ぎると、見られる機会が減ります。ただ、反応のよかった動画には、見る人の関心を映した切り口が残ります。積み上げる工夫は、次の4つ。
動画の元データと月次の数字を毎月受け取る
最初の工夫は、動画の元データと月次の数字を毎月受け取ることです。月次の報告書は、読んで終わりにしないでください。社内の共有フォルダに、月ごとに保存していきます。
数字は、再生回数だけでなく、視聴維持率や保存数も受け取りましょう。半年分そろうと、どんな動画が最後まで見られるかの傾向が見えてきます。
反応のよかった動画をインスタ・YouTube・ブログへ展開する
次の工夫は、反応のよかった動画をほかの場所へ広げることです。縦型の短い動画は、インスタのリールやYouTubeショートにも投稿できます。どちらも、各SNSにある縦型の短い動画の投稿枠のことです。
私自身、発信支援の現場で反応のよかった動画の切り口を、ブログ記事や採用ページに展開する運用をすすめてきました。SNSの動画は流れて消えますが、自社サイトの記事は検索やAIに見つけてもらえる資産として残ります。動画で反応のあったテーマは、記事にしても読まれやすい傾向です。
インスタの外注も検討しているなら「インスタ運用代行の費用と選び方」もあわせてご覧ください。
月次レポートを社内の「切り口の勝ちパターン集」として育てる
3つ目の工夫は、月次レポートを社内の財産に変えることです。反応がよかった動画と、その理由を社内で共有します。
例えば「社員の失敗談は最後まで見られる」「商品の説明だけの動画は離脱が早い」といった気づきです。半年分たまると、自社だけの切り口の勝ちパターン集ができあがります。
少しずつ自社運用に切り替えられる体制を作る
最後の工夫は、少しずつ社内に運用を戻すことです。最初は企画から投稿まで任せても、撮影だけ社内で担う、月1本だけ社内で編集する、と範囲を広げます。
例えば、次のような進め方です(成果の数字を伴わない想定例)。
1〜3か月目は代行会社が撮影と編集を受け持ち、社内はネタ出しと確認に専念します。4〜6か月目は、撮影を社内で担当し、編集と分析を外部に任せます。
7か月目以降は、企画の相談と振り返りだけを頼む形へ。
代行会社には、撮影や編集のコツを社内に教えてもらう時間をお願いしてみてください。1年後に、外部に頼らなくても回る状態が理想です。一時的なバズ(短期間に一気に拡散すること)ではなく、積み上がる発信の土台がそこにできます。
SNS全般の外注の考え方は「SNS運用代行の費用相場と選び方」でも紹介しています。Xも検討中なら「X運用代行の費用と選び方」をご覧ください。
よくある質問
TikTok運用代行は月いくらから頼めますか?
編集だけなら月10万〜20万円、撮影込みなら月20万〜60万円が目安です(TaTap・2026年9月時点)。個人・フリーランスなら月5万〜15万円の例もあります。初期費用が別にかかる場合があるので、見積もりで確認しましょう。
TikTok運用代行の最低契約期間はどれくらいですか?
「最低6か月契約」の縛りが多いとする比較サイトがあります(@SOHO・2026年8月更新)。3か月から契約できる会社もあります(TaTap・2026年9月時点)。最初の数か月は改善の期間と考え、見直しの基準になるKPIを決めてから契約しましょう。
社員が動画に出演しないといけませんか?
顔出しなしの撮影や、演者を手配するプランもあります。ただし、演者の手配は月10万円からの費用が加わる目安です(TaTap・2026年9月時点)。社員の出演範囲は依頼前に社内で決め、代行会社に伝えておきましょう。
解約したら作った動画はどうなりますか?
アカウントを自社名義で作っていれば、投稿済みの動画はそのまま残ります。編集前の素材や元データの扱いは、会社によって違います。契約前に、帰属と受け渡しの方法を確かめておきましょう。
TikTok運用代行とSNS運用代行は何が違いますか?
SNS運用代行は、X・Instagram・TikTokなど複数のSNSを対象にしたサービスの総称です。TikTok運用代行は、その中でもTikTokに特化したサービスを指します。撮影と編集の比重が大きいのが、TikTokならではの特徴です。
まとめ|TikTok運用代行は「会社の顔と動画が残る契約」で選ぶ
TikTok運用代行は、企画・撮影・編集・分析といった手間のかかる業務を、外部に任せられるサービスです。費用は業務範囲で大きく変わります。編集だけなら月10万〜20万円、撮影込みなら月20万〜60万円が目安です(TaTap・2026年9月時点)。
選ぶときは、採用や問い合わせにつながるKPIを置けるか、アカウントと元データを会社に残せるかを確かめましょう。依頼前に、届けたい相手・撮影の協力体制・確認の流れ・予算を決めておくと、外注の成果が早く見えてきます。
TikTokの動画は流れていきますが、切り口と素材は会社に残せます。反応のよい動画を記事や採用ページに育て、勝ちパターンを社内で共有する。その積み重ねが、半年後・1年後に残る会社の資産です。外注をきっかけに、社内に発信の力を少しずつ蓄えていきましょう。