サーチコンソール(Search Console)に、生成AIのレポートが加わりました。どこにあり、何が分かるのか、迷っていませんか。
生成AIレポートとは、AIによる概要とAIモードで、自社サイトのリンクが表示された回数を確認できるレポートのことです。2026年8月31日に、世界中のすべてのウェブサイトに提供されました。
私は、2026年10月10日、自社のSearch Consoleでこのレポートを開いたのです。直近3か月で、AI機能での表示回数は約14万回。ただ、クリック数は、このレポートでは見えません。
本記事では、開き方、画面の見方、自社で見えたこと、読むときの注意を解説します。AI機能に含めるか除外するかを選ぶ設定も、あわせて紹介します。中小企業の担当者の方が、迷わず確認できる流れです。
生成AIレポートとは|AI機能での表示回数が分かる
生成AIレポートは、Google検索のAI機能での、サイトの表示を確認するレポートです。見られるのは、AI機能でリンクが表示された回数だけです。分かること、対象の機能、表示されないときの理由を、順に見ていきましょう。
何が分かるのか
Googleのヘルプが挙げる使い道は、3つ。表示回数の推移、多いページと少ないページ、発生元(デバイスや国)です(出典:Google「生成AIパフォーマンスレポート(検索)」)。
つまり、AI機能の中で、自社サイトがどれだけ見られているか、時系列と内訳で把握できるのです。
対象はAIによる概要とAIモード
対象の機能は、AIによる概要とAIモードの2つ。Googleは、機能のリストを随時更新するとしています。Discoverの生成AI機能は、別のレポートです。
なお、Search Labsの試験運用版のデータは、現時点で対象外です。
レポートが表示されないとき
レポートが出ない主な理由は、AI機能での表示回数が、十分に得られていないことです。もうひとつは、AI機能からサイトを除外している場合。除外の設定は、のちほど説明します。
開き方と画面の見方|自社の画面で確認
画面の見方は、シンプルです。指標は表示回数の1つだけで、切り口は4つです。自社の画面で確認した内容をもとに説明します。
開き方
左のメニューで、「検索パフォーマンス」の下にある「生成AI」を選びます。通常の検索パフォーマンスの画面にも、生成AIレポートへの案内が表示されます。そこから開くこともできます。
画面の見出しには、「ベータ版」の表示がありました。機能の提供は世界に広がりましたが、画面は今後も変わりそうです。
見えるのは表示回数だけ
通常の検索パフォーマンスには、クリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位の4つの指標があります。生成AIレポートで確認できるのは、合計表示回数の1つだけです。
Googleのヘルプによると、表示回数とは、AI機能でユーザーにサイトへのリンクが表示された回数です。同じサイトのリンクが複数出ても、グラフでは1回の数え方です。
4つの切り口(ページ・国・デバイス・日)
表を見る切り口は、ページ、国、デバイス、日の4つ。通常のレポートにある「クエリ」の切り口は、生成AIレポートにはありません。
検索タイプは、「ウェブ:テキストベース」と「ウェブ:マルチモーダル」で絞れます。マルチモーダルとは、画像を使った検索のことを指します。
| 項目 | 通常の検索パフォーマンス | 生成AIレポート |
|---|---|---|
| 指標 | クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位 | 合計表示回数のみ |
| 切り口 | クエリ・ページ・国・デバイスなど | ページ・国・デバイス・日 |
| 対象 | ウェブ検索全体 | AIによる概要・AIモード |
※出典:Google「生成AIパフォーマンスレポート(検索)」、自社のSearch Consoleの画面(2026年10月10日確認)
自社サイトで見えたこと|3か月のデータ
自社のSearch Consoleで、3か月分のデータを確認しました。期間は、2026年7月7日から10月6日までです。1つのサイトの、1つの期間の数字なので、傾向をつかむ目安として読むのが適切です。
AI機能での表示回数の推移
グラフを見ると、7月は、1日あたり数百回の水準。8月上旬から増え始め、9月上旬から中旬には、1日に2,500回前後で推移しています。10月に入ると、いったん下がり、上向きに戻りました。
増えた理由は、このレポートだけでは特定できない。記事の追加や更新、AI機能の提供範囲の広がりなど、要因は複数考えられます。
ページ別の偏り
ページ別の表を見ると、自社のデータでは、表示回数が1ページに偏っていました。最も多いページが8万6,503回で、全体の半分を超えています。2位は1万5,647回、3位は8,506回です。
上位に並んだのは、SNSの使い方を扱った記事が中心。AI対策の記事では、PR TIMESの使い方の記事が、2,102回で7位に入っています。ページ数は、全体で290ページでした。
この数字から言えないこと
この数字は、AIに引用された証明にはなりません。表示とは、リンクが出た回数のことです。AIの回答の中に自社の名前が出たかは、不明のままです。
また、表示が多いことが、売上や問い合わせにつながったかは不明です。ここから先は、クリックや成果のデータで確かめましょう。
読むときの注意|クリック数は見えない
読むときの注意点は、2つあります。クリック数が見えないことと、合計が一致しないことがあることです。公式のヘルプにも、注意点が書かれています。
クリックは通常のレポートやGA4で補う
AI機能からのクリックは、このレポートでは把握できません。通常の検索パフォーマンスやGA4で、流入の動きを補うのが基本です。
表示が増えても、クリックが増えるとは限りません。AIの回答の中で完結し、サイトに来ない人もいるからです。表示とクリックを別々に見る習慣が、役に立ちます。
合計が一致しない理由と暫定データ
グラフの合計と、表の合計は、一致しないことがあります。グラフはプロパティ単位、ページ別の表はページ単位で集計するためです。公式のヘルプは、この差を、集計方法の違いによるものとしています。
最新のデータは暫定値で、数時間で変わります。日付は、太平洋時間で数えられています。表には、通常の制限(1,000行など)も適用されます(出典:Google「生成AIパフォーマンスレポート(検索)」)。
検索の生成AI設定|含める・除外する・継承する
検索の生成AI設定とは、AIによる概要やAIモードに、サイトを含めるかどうかを選ぶ設定のことです。初期設定は「含める」で、選び方は3つあります。この設定も、2026年8月31日に世界中で提供されました(出典:Googleヘルプ)。
3つの選択肢
設定は、Search Consoleの「設定」にある「検索の生成AI」で変更します。選択肢は、含める・除外する・親から継承する、の3つ。
初期設定は「含める」。設定を変えると、子プロパティを含む、プロパティ内のすべてのページに影響します。変更は慎重に行ってください。
除外すると何が変わるのか
除外すると、サイトのリンクとコンテンツが、AI機能に表示されなくなります。AIの回答の根拠としても、使われなくなります。ただし、他のサイトの似た内容は、引き続き表示されます。
公式のヘルプは、次の点も明記しています。この設定は、ランキングや掲載可否のシグナルには使われません。AIのトレーニングにも影響せず、その制限にはGoogle-Extendedを使う仕組みです。検索に出したくない場合は、noindexを使います(出典:Google「検索の生成AI設定」)。
設定の変更は、通常、数日以内に反映されます。除外は、設定の有効化から1〜2日以内に始まるものの、反映に時間がかかる内容もあるようです。
自社の設定と考え方
自社の画面では、「管理設定の継承元:comtri.jp」と表示されていました。親のドメインの設定に従う、初期の状態です。現在の設定は、AI機能に「含める」です。
多くの中小企業は、「含める」のままで構わないと考えています。AIの回答に自社の情報が使われることは、認知を広げる機会になるためです。除外を考えるのは、有料の限定コンテンツを守りたい、権利の事情があるなど、はっきりした理由があるときにしましょう。
月1回の確認手順|3ステップ
確認は、月に1回、3つの手順で足ります。表示回数の推移、ページ別の偏り、引用の確認の順に進めましょう。時間は、30分もかかりません。
表示回数の推移とページを見る
期間を3か月にして、表示回数の推移を見ます。急に増えた日や減った日があれば、メモしておく。続いて、ページ別の表で、多いページとほとんど表示されないページを確認します。
表示が多いページは、内容が古くなっていないかを点検します。AIの表示は、更新されない記事から外れやすいためです。表示が少ないページは、AIに伝わりやすい書き方へ直せないか、検討する段階です。
引用そのものは質問セットで確かめる
このレポートは、リンクの表示回数です。引用の有無や、回答の中の自社の描かれ方は、質問セットで確かめます。自社名や商品名を含む質問を、複数のAIで聞いてみましょう。
測り方は、GEOの効果測定とツールで解説しています。Search Consoleの基本は、サーチコンソールの使い方と活用法を参考にしてください。レポートの設定をAIに頼む機能は、Search ConsoleのAI機能でデータ分析がラクになるで紹介しています。
AI対策の全体像は、AI検索対策とは|GEO・AEOの違いと始め方でまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 生成AIレポートが表示されないのは、なぜですか?
主な理由は、AI機能での表示回数が十分でないことです。AI機能からサイトを除外していないかも、確認してみましょう。
Q2. このレポートで、クリック数は分かりますか?
分かりません。確認できる指標は、表示回数だけ。クリックは、通常の検索パフォーマンスやGA4で補ってください。
Q3. AIに引用されているかも、分かりますか?
分かりません。このレポートが示すのは、リンクの表示回数。引用の有無は、質問セットでAIに聞いて確かめます。
Q4. AI機能から除外したほうがよいですか?
多くの中小企業は、含めたままで十分です。除外は、有料の限定コンテンツを守りたいなど、事情があるときの選択肢になります。
Q5. 除外すると、検索順位は下がりますか?
公式のヘルプでは、この設定はランキングや掲載可否のシグナルに使われないとされています。ただ、AI機能での表示はなくなるのです。
Q6. 表のデータは、どれくらい前まで見られますか?
期間は、画面で選べます。自社の画面では、3か月が選べました。表の行数には、1,000行の制限があるのです。
まとめ:表示回数を月1回確認する
生成AIレポートは、AIによる概要とAIモードでの、サイトの表示回数を確認するレポートです。2026年8月31日に、世界中で提供されました。見られるのは表示回数だけ。クリックやクエリは分かりません。
自社の画面では、3か月で約14万回の表示があり、1ページに半分以上が集中していました。検索の生成AI設定は、初期設定の「含める」のままで十分と考えています。
月に1回、表示回数の推移とページを確認し、引用は質問セットで別に確かめましょう。まずは、自社のSearch Consoleを開き、「生成AI」のレポートがあるかを、見てみてください。一緒に、AI時代の発信の土台を整えていきましょう。