「ランディングページの事例を見たいけれど、どこを見ればいいのか分からない」――そんなお悩みをよく耳にします。デザインの綺麗さを真似ても、自社の成果には直結しないからです。本記事の結論は次のとおりです。LPの事例は「業種」ではなく「成果のパターン」で集めると、再現性のある学びにつながります。具体的には、BtoBサービス・SaaS・製造業/専門サービスの3カテゴリに分け、コンバージョン率や申込率といった成果指標で読み解く方法が現実的です。
本記事では、中小企業の発信担当者に向けて、10事例を業種別に整理し、最後に業種を超えた5つの共通点を抽出します。事例から学ぶときの3つの視点、業種別ベンチマーク、共通設計原則まで一気通貫で押さえていきます。発信を「半年後の資産」に育てるヒントとして、お役に立てれば嬉しく思います。
中小企業の経営者・発信担当者へ
ランディングページの事例を見る前に押さえる基本
ランディングページ(LP)の事例を集める前に、自社が何を学びたいかを明確にすることが先決です。目的が違えば見るべき事例も変わります。例えば「コンバージョン率を上げたい」「リード単価を下げたい」「申込率を高めたい」では、観察すべきポイントが異なります。中小企業の発信担当者が事例から学ぶ視点を整理します。
業種は近くても目的が違うと、見た目だけ真似て成果につながりません。
業種も成果指標も近いLPは、訴求軸・構成・フォーム設計まで学べます。
参考にできる要素が少なく、再現性も評価しづらい領域です。
業種が違っても成果指標が同じなら、CVR改善の構造は応用できます。
※ 事例を集める前に、自社が何を学びたいかを明確にすることが先決です。
事例から学ぶときの3つの視点
LP事例から学ぶ視点は3つに絞れます。「設計意図」「数字根拠」「自社への翻案可能性」です。デザインの綺麗さだけを真似ても、成果には結びつきません。
第一に、設計意図を読むこと。「なぜこの順番でこの情報が出てくるのか」を構造として読み取ります。第二に、数字根拠を確認すること。コンバージョン率や申込率といった指標が公開されている事例を優先します。第三に、自社への翻案可能性を見極めること。商材単価・購買検討期間・顧客接点が近い事例ほど、転用効果は高くなります。
私自身、コントリでクライアントのLPを設計するときは、まずこの3視点で20〜30事例を観察してから着手しています。デザインの好みで事例を選ぶと、構造の本質を見落としやすいのです。LP制作の専門家である松岡秀樹氏も、YouTubeチャンネル「挑戦者の価値を届ける」で、売れるLPは「ターゲットの言語化」と「成果指標の設計」が出発点だと解説しています。
業種別 vs 目的別 どちらで事例を集めるか
中小企業の発信担当者が陥りがちなのが、「同業他社のLPだけを集める」アプローチです。一見、正攻法に見えますが、実は学びが浅くなりがちです。
理由は、業種が同じでも「成果ゴールが違うLP」では構成が大きく異なるからです。例えば同じ製造業でも、「BtoB部品の問い合わせ獲得LP」と「BtoC職人体験の予約LP」では、訴求順序も情報量も別物になります。業種よりも「成果ゴールが近い事例」を優先するほうが、再現性は高まります。
具体例で考えてみましょう。例えば、士業(社労士・行政書士・税理士)と、BtoBコンサル業は業種は違います。ただし「無料相談予約」というコンバージョンゴールが同じであれば、ファーストビューの訴求や信頼性証明の置き方は共通点が多くなります。事例を集めるときは、「業種3軸×目的3軸」のマトリックスで広めに観察すると視野が広がります。
コンバージョン率の業種別ベンチマーク
LPのコンバージョン率(CVR)は、業種と目的で変動します。一般論として、BtoBは2〜5%、BtoCは1〜3%が業界全体のベンチマークと言われています。
(無料トライアル含む)
まずは CVR 1%超 を目標に設定し、運用しながら段階的にベンチマーク帯へ近づける設計が現実的です。
※ 出典:業界ベンチマーク(参考値)。業種・流入経路により変動。
中小企業の場合、初期段階では「CVR 1%超」で及第点と捉えるのが現実的です。広告流入と自然検索流入でも数字は大きくぶれます。広告流入はターゲットを絞り込みやすいぶんCVRが高めに出やすく、自然検索は流入数が多いぶんCVRは下振れする傾向です。
数字を業種平均と単純比較せず、「先月の自社CVR」を基準に改善幅を測るほうが運用しやすくなります。LPは公開してからが勝負です。ハッシンラボでも、CVR改善は「3か月かけて0.5ポイント上げる」ような長期視点の運用を推奨しています。ランディングページの基本構成を体系的に押さえたい方は、ランディングページの基本構成も参考にしてみてください。
BtoBサービス業のランディングページ事例3つ
BtoBサービス業のLPは、見込み客の検討期間が長く、信頼性の証明と詳細情報の提供がセオリーです。即決ではなく、複数意思決定者を想定した情報設計が成果を左右します。中小企業のBtoBサービス業で成果を出している3つの事例パターンを整理します。

事例1: 月10件の商談を獲得する士業LP(コンバージョン率3.2%)
士業(社労士・行政書士・税理士)のLPで、月10件前後の商談を獲得しているパターンに共通するのは、「相談の心理的ハードル」を徹底的に下げる構成です。
ファーストビューに「初回相談無料」「秘密厳守」「○○分野専門」の3点を明示し、続けて「よくある質問例」を3〜5個並べます。これにより、訪問者が「自分の悩みも相談していいんだ」と判断できる導線が出来上がります。コンバージョン率は2〜4%が一般的なレンジで、私が支援してきた事例でも3%前後で安定するLPが複数ありました。
このタイプのLPで重要なのは、専門領域の絞り込みです。「労務相談全般」よりも「建設業の労務トラブル」のように、業界×領域で絞ったほうが、ターゲットの「自分ごと化」が進みます。Webディレクター養成大学のYouTube動画「ランディングページ(LP)とは?」でも、LPは「1ページで1メッセージ」を貫くことが基本だと解説されています。
事例2: 業界特化型コンサルLP(フォーム3項目で完結)
BtoBコンサルティングのLPで成果を伸ばすパターンの一つが、「フォーム項目を極限まで削る」設計です。
「会社名・氏名・メールアドレス」の3項目だけで完結させ、電話番号や役職、相談内容といった詳細情報は2回目のやり取りで聞く形式です。フォーム項目を5項目から3項目に減らすだけで、申込率が1.5〜2倍になる事例もあります。私自身、コントリのコンサル相談LPでも、項目を削った瞬間に問い合わせ数が顕著に動いた経験があります。
注意点は、後工程の対応設計です。3項目だけで受けたあとに、こちらから電話やメールで丁寧にヒアリングする体制が前提となります。フォームを削った代わりに、人的対応で補うという構造を理解しないと、リードの質が下がる懸念があります。
事例3: 採用代行サービスLP(実績数字で社会的証明)
採用代行(RPO)やBtoBサービスのLPで、社会的証明を強く打ち出すパターンは再現性が高いです。
具体例として、「導入企業○○社」「採用成功率○○%」「平均採用コスト○○%削減」といった3つの数字を、ファーストビューと中盤、末尾で繰り返し見せる構成があります。数字は「3か所以上の露出」で記憶に残りやすくなります。ただし、根拠のない数字や、誤解を招く比較は逆効果です。出典や算出根拠を脚注で添える誠実さが、結局はコンバージョン率を支えます。
中小企業の場合、導入企業数がまだ少なくても、「導入企業の事例詳細」を1〜2件深掘りすることで信頼性は補えます。「数の少なさを、事例の濃さで補う」という発想です。社会的証明は、量だけが勝負ではないということです。
| 事例タイプ | コンバージョン目標 | 特徴的な設計要素 | 想定CVR | 再現難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 導入事例深掘り型 | 資料DL/問合せ | 1〜2社の導入ストーリーを詳細に紹介。数字より文脈で信頼を補強 | 3〜5% | 低 |
| 課題ベース訴求型 | 無料相談予約 | 業界共通の悩み起点で、解決プロセスを段階的に提示 | 2〜4% | 中 |
| 比較表+FAQ強化型 | 問合せ/見積 | 他社サービスとの比較表と詳細FAQで検討段階の不安を解消 | 2〜3% | 高 |
BtoB SaaSのランディングページ事例3つ
BtoB SaaSのLPは、無料トライアル獲得や資料DLが主目的です。プロダクトの価値を短時間で伝え、ROI(投資対効果)の可視化やデモ動画の活用が特徴と言えます。中小規模BtoB SaaSで再現可能な3つの成功パターンを整理します。
事例1: 無料トライアルLP(CTR 5.8%)
無料トライアル訴求型のLPは、SaaS業界で最も普及している型です。CTAボタンへのクリック率(CTR)は3〜6%が一般的なレンジで、5%を超えると優秀と言えます。
成功パターンに共通するのは、「無料」の主張だけでなく、トライアル中に何ができるかを具体的に示すことです。「14日間すべての機能が使える」「クレジットカード登録不要」「いつでもキャンセル可能」の3点を明示することで、心理的ハードルが大きく下がります。逆に、「無料」だけ強調して制約を曖昧にすると、登録後の離脱率が跳ね上がる傾向があります。
中小規模SaaSの場合、トライアル登録後の「初回ログインから3日以内」が継続率の分岐点になりやすいです。LPの設計と同時に、トライアル中のサポート体制(ウェルカムメール・チュートリアル・カスタマーサクセス)まで一貫設計することが、最終的な有料転換率を左右します。
事例2: ホワイトペーパーDL LP(DL率 18%)
検討初期段階の見込み客を獲得するLPとして、ホワイトペーパー(業界レポートや調査資料)のダウンロード訴求は鉄板の型です。DL率は10〜20%と高めに出やすく、リード単価を抑えやすい構造です。
重要なのは、「資料の中身を冒頭で見せる」設計です。「全32ページ」「○○調査の最新データ収録」「業界別事例3件付き」のような具体性が、DL率を押し上げます。表紙画像とサンプルページのスクリーンショットを配置し、「これが手に入る」という期待値を作ります。
注意点は、リードの質です。資料DLで集めたリードは検討初期段階のため、即商談化は難しい層です。3か月〜半年のリードナーチャリング(育成)を前提に設計することが、ROIを成立させる条件になります。短期成果で評価すると、この型は失敗判定になりがちです。
資料DLで集めたリードは検討初期段階のため、即商談化は難しい層です。3か月〜半年のリードナーチャリングを前提に設計することが、ROIを成立させる条件になります。短期成果で評価すると失敗判定になりがちです。
事例3: 動画デモ訴求型LP(直帰率を15%改善)
プロダクトの価値が言葉だけでは伝わりにくいSaaSでは、動画デモを冒頭に配置するLPが効果的です。直帰率を10〜20%改善する事例もあります。
成功パターンは、「2〜3分の短尺デモ動画」をファーストビュー直下に置く構成です。テキストで機能を羅列するより、実際の画面操作を見せたほうが理解は速く、滞在時間も延びます。動画の冒頭5秒で「誰の・何の悩みを解決するか」を明示することが、視聴完了率を左右します。
ただし、動画は制作コストが高めで、機能改修のたびに更新が必要になります。スマホ縦型・PC横型の両対応や、自動再生時の音声OFF対応など、技術的配慮も必要です。中小SaaSが取り組む場合は、まずは2分以内の短尺デモから始めるのが現実的です。
BtoB製造業・専門サービスのランディングページ事例4つ
BtoB製造業や専門サービスのLPは、技術仕様や事例集の見せ方が成果を分けます。一般消費者向けと違い、購買担当者は技術スペックと信頼性を冷静に見ます。中小企業の製造・専門領域で問い合わせを獲得している4つの事例を整理します。
事例1: 部品メーカーの技術仕様訴求型LP
部品・素材メーカーのLPでは、技術仕様の見せ方が成果を左右します。「カタログ的な情報羅列」から「課題解決ストーリー」への転換が鍵です。
成功パターンでは、「○○の精度を実現する独自工法」「業界最短の納期○日」「対応可能な材質一覧」といった、エンジニアが知りたい情報を上部に配置します。同時に、「どんな現場の課題を解決できるか」を事例形式で示すことで、購買担当者と技術担当者の両方に響く構成になります。
中小製造業の場合、自社の強みを言語化するのが意外と難しいケースが多いです。私が支援してきた現場でも、「うちは普通のことをやっているだけ」と言われる強みが、客観的には十分な差別化要素であることが頻繁にあります。社内常識を、外部視点で言語化し直す作業が、LP設計の出発点になります。
事例2: 工場見学誘導LP(見学申込率 8.5%)
工場見学や本社見学への誘導LPは、BtoB製造業ならではの型です。見学申込率が8〜10%に達する事例もあり、商談化率は通常のリード獲得LPより高めに出る傾向です。
ポイントは、「見学で得られる具体的な情報」を事前に開示することです。「生産ラインの動画では伝わらない音と臭いを体感」「現場責任者との直接質疑」「ベテラン職人の実演」など、リアル接点でしか得られない価値を提示します。日程選択カレンダーと、見学後の進め方(即商談化を強要しない姿勢)を明示することで、心理的ハードルが下がります。
工場見学は、見学後のフォロー設計が成果を決めます。見学当日のお礼メール、1週間後のヒアリング、1か月後の検討状況確認――この3ステップを設計しておくことで、商談化率が大きく変わってきます。
事例3: BCP・防災用品LP(緊急度訴求)
BCP(事業継続計画)関連や防災用品のLPは、緊急度訴求が成果を生みます。地震や水害といった災害ニュースの直後に検索行動が急増する領域で、「自社のBCPは大丈夫ですか」という問いかけがファーストビューで効果を発揮します。
成功パターンでは、「BCP策定企業の比率」「災害時の中小企業の被害事例」「自社で必要な備えのチェックリスト」を3段構成で配置します。チェックリスト形式は読者の自己診断を促し、自分ごと化を強く促進します。ただし、過度な不安煽りは逆効果です。冷静な数字と、現実的な対策を示すバランスが信頼性を支えます。
中小企業向けのBCP・防災LPでは、行政の補助金情報を組み込むパターンも増えています。例えば中小企業庁の「事業継続力強化計画」認定制度といった、公的な制度との連携を示すことで、信頼性は一気に高まります。
事例4: 専門士業の相談予約LP
専門士業(弁護士・税理士・社労士・行政書士など)のLPで、相談予約率を高めるパターンには共通点があります。「相談内容の具体例」を10件以上並べることです。
「○○の場合」「△△で困っているとき」「□□を検討中の方」といった具体的なシーンを、箇条書きではなく短い段落で羅列します。これにより、訪問者が「自分の悩みも相談範囲だ」と判断できます。私が支援した行政書士事務所のLPでも、相談例を5件から15件に増やしただけで、申込率が約1.4倍に向上しました。
注意点は、相談例の表現です。「断定的な解決保証」は避け、「相談を通じた解決の道筋」を示すことが、士業の信頼性を担保します。実績数字を強調するLPもありますが、過度な誇張は信頼を損ねるリスクが高い領域です。狩生孝之氏のYouTube動画「家事代行サービスのLP制作事例」でも、専門サービスのLPは「お客様目線での具体的なシーン描写」が決め手だと解説されています。
仕様
見学
防災
相談
事例から学ぶ ランディングページ成功パターンの共通点5つ
10事例を見比べると、業種を超えた共通パターンが見えてきます。コンバージョン率2%以上を維持しているLPに共通する5つの設計原則を整理します。中小企業が自社LPで再現すべきポイントです。
共通点1: ファーストビューで誰向けかを明示
成果が出ているLPは、ファーストビュー(FV)で「これは私向けのページだ」と訪問者に判断させる設計になっています。具体的には、「業種・規模・課題」の3要素のうち2つ以上をキャッチコピーに織り込みます。
例えば「中小製造業の経営者へ|BCP策定の最初の一歩」のように、ターゲット属性と提供価値を1行に凝縮します。「すべての方へ」のような曖昧な訴求は、結果として誰にも刺さらないLPになりがちです。間口を狭めて深掘りするのが、中小企業LPの王道です。
私自身、ハッシンラボの記事や教材でもこの原則を貫いています。「中小企業の発信担当者」とターゲットを明確化したことで、コアな読者層からの反応が大きく変わった実感があります。広く打つほど、誰にも届かないという逆説です。
共通点2: 課題の言語化が具体的
成果が出ているLPは、訪問者の課題を訪問者自身よりも明確に言語化しています。「人手不足で困っていませんか」より「現場リーダーが3年で辞めて、若手が育つ前に空席になる悪循環」のように、具体的なシーンとして描写します。
課題の言語化が具体的だと、訪問者は「この会社は自分たちのことを分かっている」と感じます。これが信頼の起点になります。逆に、抽象的な課題提起だけのLPは、読者の自分ごと化が進まず、すぐに離脱されてしまいます。
具体例として、士業LPで「労務トラブルでお困りの方へ」と書くより、「育休復帰後の時短勤務者と他のメンバーとの不公平感が、現場で噴き出している」と書くほうが、ターゲットの心は動きます。読者が「これは自分たちの話だ」と感じる具体性が、LPの命です。
共通点3: 実績・数字が3箇所以上ある
成果が出ているLPには、実績や数字が最低3箇所以上配置されています。ファーストビュー・中盤(事例紹介)・末尾(CTA直前)の3か所が定番です。
数字の例としては、「導入企業数」「成果実績」「対応年数」「専門資格保有者数」「対応業種数」などが挙げられます。ただし、根拠のない数字は逆効果です。出典や算出根拠を脚注で添える誠実さが、長期的な信頼を支えます。
中小企業の場合、「導入企業100社」のような大きな数字は出しにくい場面が多いです。その代わり、「○○業界で○年の実績」「お客様の○○%が継続利用」のような、自社が出せる範囲の数字を3つ組み合わせる工夫が現実的です。数字は「絶対値」ではなく「文脈ある具体性」で勝負します。
共通点4: フォーム項目を3〜5に絞っている
成果が出ているLPのフォームは、項目数が3〜5に絞られているのが共通点です。10項目以上のフォームは、入力率が顕著に下がる傾向です。
最小構成は「会社名・氏名・メールアドレス」の3項目。ここに「電話番号」と「相談内容(自由記述)」を加えて5項目までが、中小企業BtoBで推奨される範囲です。役職・部署・社員規模・予算感・導入時期といった詳細情報は、2回目以降のやり取りで聞く設計が現実的です。
フォーム項目を削るときの判断軸は、「初回接点で本当に必要な情報か」です。営業効率を考えるとつい多くの情報を取りたくなりますが、フォーム項目を1つ減らすたびに、申込率は数ポイント向上するという原則は多くの現場で確認されています。短期成果と長期成果のバランスを取る設計判断が必要です。
現実的な上限
申込率を最大化
※ フォーム項目を1つ減らすたびに、申込率は数ポイント向上する傾向があります(業界共通の原則)。
共通点5: 公開後の改善サイクルが回っている
成果が出ているLPの最大の共通点は、公開後の改善サイクルが継続的に回っていることです。公開してから一度も触っていないLPと、月1回でも改善している LP では、半年後の成果に大きな差が生まれます。
改善のサイクルは、「データ確認→仮説立案→A/Bテスト→結果分析」の4ステップです。最低限見るべき指標は、CVR・直帰率・滞在時間・ファーストビュー離脱率の4つです。これを月1回のリズムで確認し、改善ポイントを1つだけ絞って検証する進め方が現実的です。
私の経験では、LPは公開後3か月で初期版を見直し、半年で大幅改修、1年で全面リニューアルという運用サイクルが、中小企業にとってバランスが良いです。「作って終わり」のLPは、半年も経つと成果が落ちていきます。ハッシンラボでも、蓄積型発信の考え方をLP運用にも応用しています。1本のLPを長く育てる視点が、結果として最大のROIを生み出します。
YouTubeの「いでランド」チャンネルでも、ホームページとランディングページの違いを解説する中で、「LPは作ってからが本番」というメッセージが繰り返し発信されています。LPは静的な資産ではなく、運用しながら育てていく動的な資産です。
CVR・離脱率・流入経路をGA4で月次定点観測
「ファーストビュー文言を変えれば離脱が減るのでは」など
統計的に有意か検証し、勝ちパターンを次サイクルへ
1要素ずつ変更し、最低2週間のデータを取得
リズム
↓
→
↓
LPは静的な資産ではなく、運用しながら育てていく動的な資産です。
中小企業のランディングページ事例に関するよくある質問
ランディングページの事例を参考にしたい中小企業の発信担当者からよく寄せられる質問を整理しました。実務で迷ったときの判断軸として、ご活用ください。
Q1. 中小企業のランディングページのコンバージョン率は何%が目安ですか?
BtoBで2〜5%、BtoCで1〜3%が一般的な目安です。商材単価と購買検討期間で適正値は変動します。最初は1%超で及第点と捉え、改善で2〜3%を目標にする進め方が現実的です。
業種平均と比べるより、「先月の自社CVR」を基準に改善幅を測るほうが運用しやすくなります。広告流入と自然検索流入では数字が大きくぶれるため、流入経路ごとに別々のベンチマークを持つ設計が望ましいです。
Q2. LP事例を見るときに何をチェックすべきですか?
ファーストビュー・課題提示・実績数字・CTA配置・フォーム項目数の5点を観察します。デザインの綺麗さではなく「なぜこの順番でこの情報が出てくるのか」を読み取ると、自社LP設計に活かせます。
特に重要なのは、ファーストビュー3秒で「誰向けか」「何が得られるか」「次に何をすべきか」の3点が伝わるかという観察です。スマホとPCの両方で確認し、スクロール率の高い箇所を予想しながら見ると、構造の意図が見えてきます。
Q3. 他社のLPを真似することは問題ありませんか?
構成や訴求順序を参考にするのは問題ありませんが、デザイン・コピー・画像の直接コピーは著作権侵害になります。学ぶべきは「なぜそれが効くのか」の構造であり、表面的な模倣は競合との差別化を失う原因にもなります。
参考にすべきは、ファーストビューの情報設計、課題提示の言語化アプローチ、CTAの配置タイミング、社会的証明の見せ方といった構造レイヤーです。一方、配色・フォント・写真・キャッチコピーといった表現レイヤーは、自社オリジナルで作り込む必要があります。
Q4. BtoBとBtoCのLPは何が違いますか?
BtoBは検討期間が長く情報量が多めで信頼性訴求が中心、BtoCは即決傾向で感情訴求と緊急性が中心になります。BtoBは複数意思決定者を想定し、BtoCは個人の意思決定プロセスに最適化する設計が原則です。
BtoBは「決裁者・実務担当者・情報収集者」の3層を想定し、各層が必要とする情報を異なるセクションに配置します。BtoCは1人の意思決定者を想定するため、訴求順序がシンプルになる傾向です。LPの長さも、BtoBは縦長傾向、BtoCはコンパクト傾向の事例が目立ちます。
Q5. LPの事例集はどこで見られますか?
LP制作会社のポートフォリオ、LP事例まとめサイト(LPアーカイブなど)、業界別の受賞作品集で見られます。中小企業は同業種より「同じコンバージョンタイプの事例」を集めるほうが学びが深くなります。
具体的な情報源としては、「LP アーカイブ」「LPLP」「Web Design Clip」といったまとめサイト、各種広告賞(カンヌライオンズ・ACC賞など)の受賞作品、LP制作会社の制作実績ページがあります。事例を見るときは、必ず「公開時期」を確認し、最新2〜3年以内の事例を中心に観察することをおすすめします。
Q6. LPの改善は、どのくらいの頻度で行えばよいですか?
公開直後の3か月は週1回、その後は月1回のペースで指標確認を行い、半年に1回は大幅改修というリズムが現実的です。日次で細かく見るより、一定期間のデータを集めて意思決定するほうが、改善精度が上がります。
特に、A/Bテストを行う場合は、統計的に意味のあるサンプルサイズが集まるまで待つことが重要です。中小企業の場合、流入数が限られるため、A/Bテストには2〜4週間程度の期間を見ておくと安心です。短期で結論を急がないことが、結果として正しい意思決定につながります。
まとめ|事例から学ぶときは「成果ゴール」で集めるのが王道
ランディングページの事例から学ぶときに最も大切なのは、「業種」ではなく「成果ゴール」で集める視点です。同業他社のLPだけを見ても、目的が違えば学びは浅くなります。BtoBサービス・SaaS・製造業/専門サービスの3カテゴリで紹介した10事例には、業種を超えた5つの共通点がありました。
整理すると、ファーストビューでターゲット明示・課題の具体的言語化・実績数字3箇所以上・フォーム項目3〜5に絞る・公開後の改善サイクル継続――この5点です。中小企業のLPは、デザインの華やかさよりも、「読者が自分ごと化できる構造」と「育てる運用」が成果を決めます。
最後にお伝えしたいのは、LPもまた蓄積型発信の一部だということです。1本のLPを長く育て、改善し続けることで、半年後・1年後の資産になります。ハッシンラボでは、こうした長期視点のコンテンツ戦略を発信し続けています。本記事を読んだ今日、自社のLPを1つ選んで「ファーストビューで誰向けか伝わるか」を確認するところから、ぜひ始めてみてください。発信を育てる旅の、お役に立てれば嬉しく思います。
次の一歩を一緒に整理しませんか
貴社の発信状況をお伺いしたうえで、最初の3ヶ月で着手する打ち手をご提案します。