オウンドメディアの1人担当|最初の90日の進め方

2026.09.08
コンテンツ制作・ライティング

オウンドメディアを1人で任されたら、最初に読者・目的・使える時間・確認者を決めます。いきなり本数を増やすより、1本を企画から公開まで通し、続けられる条件を確かめましょう。

オウンドメディアとは、自社で運営し情報を蓄積する媒体です。例えば、顧客の疑問や仕事の内容を伝える会社ブログが該当します。本記事では、着任した担当者が最初の90日に何を決め、何を残すかを整理します。

更新:2026年9月24日。90日の区切りと配分は編集部の計画例です。成果が出る期限や業界標準ではありません。すでに運用中の方は週次・月次の運用手順へ進めます。

着任直後は、目的と担当範囲を1枚にまとめる

記事を書く前に、誰のどんな疑問に答える媒体かを共有します。採用情報と製品の使い方では、読者も確認相手も変わります。最初に重点を置く読者を決めると、企画の判断基準になります。

既存メディアの引き継ぎなら、新しい計画の前に公開記事と運用記録を確認します。担当者が変わったことを理由に、URLや計測設定を一括で変える必要はありません。

上司と合意する項目のひな形

次の項目を埋め、未決定の項目には決める人と期限を添えます。「担当者1人」は、企画・専門確認・公開承認まで1人で抱える意味ではありません。

重点読者:
答えたい疑問:
媒体の目的:
成果を確認する方法:
使える時間・予算:
担当者が決めてよい範囲:
専門内容の確認者・回答希望日:
公開を承認する人:
今期は扱わないテーマ:
90日後に見直す日:

例えば製造業の採用ブログなら、読者は応募前の求職者です。疑問は仕事内容、教育、働く環境などに分けられます。現場の説明は現場責任者、採用条件は採用担当者へ確認する設計にします。

最初の90日で残す成果物と判断の順序

90日は、検索成果を約束する期間ではなく、運用条件を検証する区切りです。日付どおりに進めることより、次へ進む条件がそろったかを確かめます。

90日の計画例(2026年9月・編集部作成)
期間すること残す成果物
1〜14日目的・読者・体制を確認担当範囲の合意メモ
15〜30日企画候補と根拠を整理候補一覧と最初の構成案
31〜45日試作記事を確認・公開記事1本と作業時間の記録
46〜60日詰まった工程を修正確認手順と見積もりの修正版
61〜90日続ける範囲を決める次期の本数・時間・役割の計画

新規サイトの構築や、社内の承認に時間が必要なら日程を延ばします。すでに公開環境がある場合は、準備済みの工程を省けます。試作記事は、必要な確認が済めばこの例より早く公開して構いません。

1〜30日|読者の疑問と自社の資料を対応させる

最初の記事は、需要だけでなく根拠を用意できるかで選びます。問い合わせ記録、営業が聞く質問、公開可能なマニュアルなどから候補を集めます。個人情報や未公開情報は、そのまま原稿へ転記しません。

キーワードとは、読者が検索に使う言葉です。例えば「加工 精度 確認方法」のような表現です。言葉の一覧だけでなく、読者が知りたい答えと掲載できる資料を並べます。

製造業の採用記事を想定した企画例
読者の疑問用意する根拠確認相手
未経験でも仕事を覚えられるか研修の内容・実施時期教育担当者
どの工程を担当するか公開可能な工程写真・業務説明現場責任者
どんな働き方か現行の勤務条件・制度採用担当者

候補を選ぶ前に既存記事を見る

同じ疑問に答える記事があれば、新規作成より更新を検討します。既存記事のURL、扱う疑問、不足する情報を一覧にします。タイトルの言い換えだけで別の記事を増やさないことが大切です。

選んだ企画では、冒頭の答え、必要な見出し、根拠の順に構成を作ります。SEO記事の構成づくりも参考にしてください。

31〜60日|1本を公開まで通して、詰まる工程を見つける

試作では、記事の品質と作業量を両方確かめます。企画・下書き・確認・入稿の各工程で、予定時間と実績時間を残します。確認待ちの日数は作業時間と分けましょう。

公開前には、次の点を点検します。点数だけで「70点なら公開」と決めず、事実と掲載可否に未解決の問題がないかを確認します。

  • 答え:読者の疑問に対する結論と条件があるか。
  • 根拠:数字や仕様の参照元、確認日が分かるか。
  • 掲載可否:写真・発言・顧客事例を公開してよいか。
  • 表示:リンクが開き、スマートフォンで本文や表を読めるか。

Googleの有用なコンテンツの自己評価(✓本文確認済み)も、独自性、明確な情報源、事実の正確さを確認する観点を示しています。記事数を増やす前に、読者が疑問を解消できるか点検しましょう。

専門家への依頼を具体的にする

「記事を見てください」だけでは確認範囲が伝わりません。確認してほしい箇所と回答希望日を指定します。例えば「工程図の順序、使用可能な写真、公開できない表現」を分けて尋ねます。

回答が遅れているなら、原稿全体の書き直しを始める前に依頼内容を確認します。代わりの確認者や公開日の変更は、責任者と相談して決めます。

61〜90日|検索データと工数から次の計画を決める

初期の振り返りでは、検索成果と運用の成立を分けて見ます。検索表示が少なくても、どこで作業が止まったかは改善できます。

Search Consoleは、Google検索での表示回数やクリックを確認するツールです。公式の検索パフォーマンス説明(✓本文確認済み)を参考に、対象ページと期間をそろえます。順位だけでタイトルを直すのではなく、検索語句と記事の答えの対応も見ます。

公開しても検索に出ない場合は、まず登録状況を確認します。Search ConsoleのURL検査(✓本文確認済み)で確認できます。検索表示や成果が得られる時期を、一律に3〜6か月と決めることはできません。

次期の判断は3つに分ける

  1. 続ける:品質を保ち、使える時間に収まるテーマと工程を継続する。
  2. 変える:資料不足や確認待ちが多いテーマは、範囲・依頼先・公開時期を見直す。
  3. 休止する:根拠や確認体制がそろわない企画は止め、条件が整ってから再開する。

次期の本数は、試作で分かった工数から決めます。毎月4本、最初に10本内製といった一律の条件は置きません。外注しても、社内の確認時間は計画に含めます。

外注とAIは、足りない工程を補うために使う

初期から協力を得ても構いません。専門内容を担当者だけで判断できないなら、最初の記事から社内外の専門家へ確認を依頼します。依頼する作業、根拠資料、納期、修正範囲を決めてから進めましょう。

AIは構成案や表記確認の補助に使えます。ただし、出力された事実や引用元は人が確認します。Googleの生成AIガイダンス(✓本文確認済み)も、正確さ・品質・関連性を重視しています。

機密情報の入力可否は、社内ルールと利用環境を確認します。「この用途なら安全」と一括りにはしません。工程を受け渡す方法は記事制作の業務フローで整理できます。

1人担当の立ち上げでよくある質問

最初の90日で何本公開すればよいですか?

一律の本数はありません。試作記事で工数と確認体制を確かめ、その結果から決めます。調査・取材が必要な記事を、短い解説記事と同じ工数で数えないようにします。

90日でアクセスが増えなければ失敗ですか?

その期間だけで失敗と決めません。登録状況、検索での表示、記事の内容、制作負担を分けて確認します。続ける理由と、見直す条件を次期計画に残してください。

ツールを買ってから始めるべきですか?

先に目的と必要な作業を決めます。既存の公開環境・計測・文書管理でできることを確かめ、不足する機能と費用を比較します。導入作業や運用の時間も見積もりましょう。

最初はすべて自分で書くべきですか?

すべて内製する必要はありません。読者の疑問や自社の根拠を整理し、品質を確認できる体制を作ることが大切です。外注時も、公開の責任者と確認手順を決めます。

既存メディアを引き継ぐ場合も同じ順ですか?

公開記事・担当者・計測・権限を先に確認します。すでに決まっている項目は使い、未整備の工程から改善します。新規作成を増やす前に、重要記事の更新漏れも点検しましょう。

まとめ|90日で、次も続けられる条件を残す

着任直後は、読者・目的・時間・確認者を共有します。試作記事を公開まで通し、作業時間と確認待ちを記録しましょう。

90日後に残したいのは、本数だけではありません。何を続け、どこを変え、誰に頼むかを判断できる記録です。日常の作業配分は週次・月次の運用手順で具体化できます。

飯塚昭博

この記事の著者

飯塚 昭博

Akihiro Iitsuka

コントリ株式会社 代表取締役

青山学院大学卒業後、自動車会社にて年間180億円規模の設備調達を担当。中小企業経営者の想いに触れる中でその価値を伝えることに使命を感じ、2023年独立。経営者インタビューメディア「コントリ」を運営し、100社以上の経営者を取材。SEO・AI活用・発信設計を通じて中小企業の「伝わる発信」を支援している。

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