ホームページの更新作業、こんな悩みはありませんか?「担当者が変わるたびに更新が止まってしまう」「デザインを少し変えるだけでも業者に頼まないといけない」。そんな課題を抱える企業にとって、今回のニュースは注目です。
2026年2月、WordPressが公式のAIアシスタント機能を搭載しました。テキストの編集から画像生成、ページの追加まで、専門知識がなくても言葉で指示するだけで操作できる仕組みです。どんな機能があるのか、どう活用できるのかを一緒に見ていきましょう。
WordPressのAIアシスタントとは?

言葉で操作できるサイト編集機能
WordPressとは、世界中で使われているホームページ作成・管理ツールのことです。国内でも多くの企業サイトやブログがWordPressで作られています。
今回搭載されたAIアシスタントは、サイトエディター(ホームページを編集する画面)の中に組み込まれています。チャット感覚で指示を入力するだけで、AIが操作を代行してくれる仕組みです。
「このセクションをもっとモダンな雰囲気にして」「フォントを読みやすいものに変えて」といった日常的な言葉で指示できるのが特徴です。専門用語を知らなくても使えるレベルに設計されています。
主な機能は4つ
AIアシスタントが対応できる操作は大きく4つあります。
1つ目は、テキストの編集と翻訳です。文章の書き直しや別の言語への翻訳をAIに任せられます。
2つ目は、画像の生成と編集です。Google Geminiの「Nano Banana(ナノバナナ)」というAIモデルを使います。「Nano Banana」とは、Googleが開発した高性能な画像生成AIのことです。追加課金なしでWordPressから利用できます。
3つ目は、新しいページの作成です。「お問い合わせページを追加して」と入力するだけでページが生まれます。
4つ目は、レイアウトの変更です。「お客様の声のセクションをこの下に追加して」のように、構成の組み替えも言葉で指示できます。
「@ai」でブロック単位の指示も可能
ブロックとは、WordPressでページを構成する部品のことです。テキストエリアや画像、ボタンなどがそれぞれ1つのブロックとして管理されています。
AIアシスタントは「@ai」というタグを使うことで、特定のブロックに対してピンポイントで指示を出せます。たとえば、あるテキストブロックのコメント欄に「@ai この段落をもっと短くして」と入力すれば、そのブロックだけを対象に編集が行われます。チームで編集作業をしている場合にも便利な機能です。
実際にどう使うのか?
設定はシンプルなオン・オフ操作
AIアシスタントは、最初から全員に有効になっているわけではありません。設定画面で「AIツール」という項目を探し、スイッチをオンにするだけで使えるようになります。
ただし、利用できるのはWordPress.comのビジネスプランまたはコマースプランのユーザーに限られます。追加料金は不要で、既存のプランの中に含まれています。
WordPressのAIウェブサイトビルダー(AI機能を使ってサイトを作る方法)で作ったサイトは、最初からAIアシスタントが有効になっています。
言葉を選ばず自然に指示できる
AIアシスタントの良い点は、指示を正確に書かなくても動くことです。たとえばこんな表現でも操作できます。
「このセクションをもっと広々した感じにして」「カラーをもっと明るい印象にして」「プロフェッショナルで清潔感のあるフォントを提案して」。難しい専門用語は必要ありません。日常的な言葉で操作できる設計になっています。
画像については、メディアライブラリ(サイトで使う画像を管理する場所)に「画像を生成」ボタンが追加されました。縦横比や画像のスタイルを指定して、ゼロから画像を作れます。既存の画像の加工(モノクロ変換、要素の入れ替えなど)にも対応しています。
中小企業の発信活動への影響
更新作業のハードルが下がる
これまで多くの中小企業が抱えていた悩みの一つは、ホームページの更新に手間がかかることでした。デザインの変更は業者に依頼しなければならず、時間もコストもかかっていました。
今回の機能により、エンジニアでなくても、言葉でサイトのレイアウトや文章を変えられるようになります。担当者が変わっても更新を止めない仕組みが、より作りやすくなりました。
継続的な情報発信は、企業の信頼を積み上げていく大切な活動です。更新のハードルが下がることで、発信を文化として根付かせやすくなります。
コンテンツ更新を支援するメニューとして活用できる
WordPress AIアシスタントは、コンテンツ更新の支援をしたいコンサルタントや制作会社にとっても新しい提案の切り口になります。
「更新が止まっているクライアントに、AIを使った運用サポートを提案する」という形で、サービスメニューに組み込むことが考えられます。実際の操作は非エンジニアの担当者でも行えるレベルのため、クライアント側での内製化を促すアドバイスにも使えます。
AIを活用したサポートの流れをイメージすると、次のような形になります。
ログイン
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リアルタイムで変化
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注意すべきポイントも押さえておく
便利な機能ですが、現時点で知っておくべき点もあります。
AIアシスタントが完全に使えるのは「ブロックテーマ」を使っているサイトのみです。ブロックテーマとは、WordPressの比較的新しい設計方式のことで、古いタイプの「クラシックテーマ」では、画像生成機能のみ使え、編集機能の一部は使えません。
また、AIが生成したコンテンツは必ず人の目で確認することをおすすめします。特に専門的な情報や正確さが求められる内容については、最終的な判断は人間が行うことが大切です。
まとめ
WordPressへのAIアシスタント搭載は、ホームページ運用のあり方を変える可能性があります。テキスト編集・画像生成・ページ追加・レイアウト変更が、言葉だけで操作できるようになりました。
特に注目したいのは、専門的な知識がない担当者でも更新作業を進めやすくなる点です。「更新が止まってしまう」という課題を持つ企業にとって、実践的な解決の選択肢になります。
まずはWordPress.comのビジネスプランを使っているサイトで設定をオンにして、どんな操作ができるか試してみることをおすすめします。情報発信を継続する仕組みを少しずつ整えていくことが、長期的な企業の信頼づくりにつながっていきます。
【参考資料】
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