オウンドメディアの費用相場|中小企業が予算別に始める運用コストの目安

2026.06.07
発信のはじめ方・基礎知識

「オウンドメディアを始めたいけれど、結局いくらかかるのか分からない」。中小企業の経営者や発信担当者から、よくいただくご相談です。費用の情報は幅が広く、月数千円という話もあれば、月80万円という話も出てきます。なぜ、これほど差があるのでしょうか。

結論からお伝えします。オウンドメディアの費用は、内製か外注かで大きく変わります。中小企業が小規模に始める場合、月5万〜15万円が一つの目安です。記事を自社で書けば月数千円から、運用をまるごと任せれば月30万円以上にもなります。

本記事では、オウンドメディアの費用相場を4つの視点で整理します。「内訳」「予算別の始め方」「内製・外注の比較」「費用対効果の高め方」の順です。自社に合った予算の組み方を考える手がかりになれば嬉しく思います。なお、数値は2026年時点の一般的な相場目安です。

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オウンドメディアの費用相場|中小企業は「月5万〜15万円」が一つの目安

まず全体像をつかみましょう。オウンドメディアの費用は、最初にかかる「初期費用」と、毎月かかる「運用費用」の2つに分かれます。この2つを分けて考えると、予算の見通しが立てやすくなるはずです。

中小企業が小規模に始める場合の目安は、初期30万〜100万円、運用は月5万〜15万円ほどです(出典:Web幹事)。もちろん、内製の比率を上げれば、ここからさらに抑えられます。

初期費用と運用費用に分けて考える

費用は、性質の違う2種類に分けて考えるのがコツです。一つは、サイト構築やデザインなど最初だけかかる初期費用。もう一つは、記事制作やサーバー代など毎月かかる運用費用です。

初期費用は、CMSの構築だけなら30万〜200万円が相場とされています。ただし、WordPressを使えば構築自体は無料に近い形でも始められます。一方、長く効いてくるのは運用費用のほうです。記事を積み上げ続ける費用こそが、成果を左右します。まずは「毎月いくらまでなら続けられるか」から逆算してみましょう。

規模別のざっくり相場

費用の目安は、目指す規模によっても変わります。個人事業主や小規模で始めるなら、初期30万〜100万円、月5万〜15万円ほど。リード獲得やブランディングを狙う中〜大規模なら、話は変わります。構築100万〜400万円、運用は月20万〜80万円が相場です(出典:デジタリフト)。

大きな数字に驚いた方もいるでしょう。しかし、中小企業が最初から大規模を目指す必要はありません。むしろ、身の丈に合った規模で小さく始めるほうが長続きします。次の章から、その内訳と現実的な始め方を見ていきましょう。

オウンドメディアの費用の内訳

費用の中身を分解すると、予算の立て方がぐっと見えてきます。オウンドメディアの費用は、大きく3つに分けられます。記事制作費、基盤費用、そしてその他の費用です。

なかでも、もっとも大きな割合を占めるのが記事制作費です。継続的にかかる費用なので、ここをどう設計するかが鍵になります。一つずつ見ていきましょう。

オウンドメディアの費用の内訳と目安

区分内容目安金額
記事制作費外注1記事/監修/撮影/BtoB高品質1記事5万円前後(監修+1万・撮影3〜5万・BtoB8〜20万)
基盤費用サーバー・ドメイン・CMSサーバー月千〜数千円/ドメイン年千〜数千円(WordPressは無料)
本格構築は30〜200万
その他画像素材・分析ツール・人件費無料素材/無料ツールで圧縮可。社内執筆は人件費(時間)

記事制作費は1記事5万円前後が目安

運用費用の中心は、記事制作費です。外注した場合、1記事あたり5万円前後が一つの目安になります。これに専門家の監修を付ければ1万円ほど、写真撮影を頼めば3万〜5万円ほどが加わります(出典:Web幹事)。

専門性が高いBtoBの記事では、1本8万〜20万円になることもあります。一方、自社で書けば制作費は人件費だけで済みます。月に何本出すか、どこまで外注するか。この設計しだいで、毎月の費用は大きく変わるでしょう。

CMS・サーバー・ドメインの基盤費用

次に、サイトを動かすための基盤費用です。意外に思われがちですが、ここは大きな金額になりません。WordPressというCMSは無料で使えます。CMSとは、サイトを簡単に作って更新できる仕組みのことです。

かかるのは、主にレンタルサーバー代とドメイン代です。サーバー代は月千円〜数千円、ドメイン代は年に千円〜数千円ほど。合わせても、月数千円に収まる場合がほとんど。基盤の費用は心配いりません。凝ったデザインでサイトを外注構築すると30万〜200万円かかりますが、まずは最小限の基盤で十分始められます。

画像・ツール・人件費

最後に、見落としがちな3つの費用です。記事に使う画像素材、アクセスを測る分析ツール、そして社内で動く人の人件費です。

画像は無料素材やAI生成で抑えられます。分析もGoogleの無料ツールで始められます。見落としやすいのは、人件費です。社内で書く場合、制作費はゼロに見えても、担当者の時間は確実に費やされています。「内製=無料」ではない点は、頭に入れておきましょう。時間も立派なコストだからです。

予算別・オウンドメディアの始め方

使える予算によって、現実的な始め方は変わります。ここでは、月5万円以内・10〜30万円・30万円以上の3段階に分けて整理します。自社の予算に近いところから読んでみましょう。

予算別・オウンドメディアの始め方

月5万円以内

内製中心でスモールスタート

自社執筆+無料ツール。本数より継続を優先し、現場の話や顧客の質問を記事化。手応えを確かめる時期。

月10〜30万円

一部を外注して本数確保

月2〜4本を外注+内製。自社の言葉を共有してトーンを統一。成果が見え始める段階。

月30万円以上

運用代行でスピード重視

戦略〜制作〜分析を一括外注。短期間で立ち上げ可。丸投げせず一次情報の共有が要。

月5万円以内:内製中心でスモールスタート

予算が月5万円以内なら、内製を中心にスモールスタートしましょう。サーバー代と画像・ツール代で数千円〜数万円。記事は自社で書き、制作費を人件費の範囲に収めます。

この段階で大切なのは、本数より継続です。月2本でも、まずは書き続ける習慣をつくること。自社しか語れない現場の話や顧客の質問は、お金をかけずとも書ける貴重なネタです。小さく始めて、手応えを確かめる時期と考えましょう。

月10〜30万円:一部を外注して本数を確保

月10万〜30万円を使えるなら、一部を外注して本数を確保できます。たとえば、月に2〜4本を外注し、残りを内製する形です。自社の強みが出る記事は社内で、リサーチに時間がかかる記事は外注。こう分担するわけです。

この段階では、外注先に「自社の言葉」を共有することが重要になります。丸投げすると、どこにでもある記事になりがち。これは避けたいところです。ガイドラインや過去記事を渡し、トーンをそろえてもらいましょう。本数が増えれば、成果が見え始める時期でもあります。

月30万円以上:運用代行でスピード重視

月30万円以上を投じられるなら、運用代行という選択肢が現実的になります。戦略設計から記事制作、効果測定までを一括で任せられます。相場は月30万〜80万円ほどです(出典:Web幹事)。

メリットは、スピードと専門性です。社内のリソースが乏しくても、短期間で立ち上げられます。ただし、丸投げは禁物。自社の一次情報や狙いを伝え、二人三脚で進める姿勢が成果を分けます。外注と内製の使い分けはオウンドメディアの内製・外注・ハイブリッド運用ガイドでも詳しく解説しています。

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内製・外注・ハイブリッドのコスト比較

誰が記事を書くかで、費用も成果の出方も変わります。選択肢は3つ。内製、外注、そして両方を組み合わせるハイブリッドです。それぞれの費用感と、向いている会社を比べてみましょう。

実際、オウンドメディア運営の72.6%が外部委託を活用しているという調査もあります。社内完結は難易度が高いのが実情です(関連:オウンドメディア運営の72.6%が外部委託)。

内製・外注・ハイブリッドのコスト比較

 内製外注ハイブリッド
費用目安月数千〜数万(人件費中心)月10〜80万月10〜30万
メリット低コスト・自社の言葉手間最小・スピード質と継続を両立
注意点更新が止まりやすい費用大・丸投げで没個性分担の線引きが要
向く会社書ける人がいる会社予算あり・人手なし多くの中小企業

内製のコストと向いている会社

内製は、社内で記事を書く方式です。外注費はかからず、費用は基盤費用と人件費に収まる方式です。月数千円〜数万円で回せるのが強みです。

向いているのは、社内に書ける人がいて、自社の専門知識を発信したい会社です。一方、注意点もあります。担当者が本業に追われ、更新が止まりやすいことです。失敗の多くは、この「継続できない」が原因。内製を選ぶなら、続けられる本数を先に決めることが欠かせません。

外注のコストと向いている会社

外注は、記事制作や運用を外部に任せる方式です。費用は1記事5万円前後から。運用代行なら月30万〜80万円ほどです。費用は大きくなりますが、社内の手間は最小限で済みます。

向いているのは、予算はあるが社内に書く人や時間がない会社です。スピードを重視したい立ち上げ期にも適しています。ただし、丸投げには注意が必要です。自社の一次情報を渡さなければ、他社と似た記事になりかねないからです。外注でも、ネタや方向性の共有は自社の役割です。

ハイブリッドが中小企業の現実解

多くの中小企業にとって、現実的なのはハイブリッドです。自社しか語れない記事は内製し、手間のかかる記事は外注する。いいとこ取りの方式と言えます。

費用は月10万〜30万円ほどに収まることが多く、質と継続を両立しやすいのが利点です。すべて内製では止まりやすく、すべて外注では費用がかさみます。自社の強みが出る部分だけ社内に残す。この線引きが、費用対効果を大きく左右します。私たちが中小企業の発信を支援する現場でも、まずはこのハイブリッド型から提案することがほとんどです。

運用方式別・月額費用の目安

内製

数千〜数万円

人件費が中心

中小の現実解

ハイブリッド

10〜30万円

質と継続を両立

外注フル

30〜80万円

運用代行

オウンドメディアの費用対効果を高める3つの考え方

同じ費用でも、考え方しだいで成果は変わります。最後に、かけた費用を無駄にしないための3つの視点をお伝えします。どれも、予算を組む前に押さえておきたい考え方です。

費用対効果を高める3つの考え方

1

「広告費」ではなく「資産への投資」と捉える

広告は止めれば効果も止まる。記事は公開後も残って集客し続け、積むほど複利のように効いてきます。

2

成果が出るまでの期間を予算に織り込む

成果は半年〜2年。3か月で諦めるのが最多の失敗。「1年は続ける」前提で予算を確保します。

3

小さく始めて、成果を見ながら増やす

月5万円で開始し、流入や問い合わせが増えたら外注を追加。段階的な増資でリスクを抑えます。

「広告費」ではなく「資産への投資」と捉える

1つ目は、費用の捉え方です。広告は、出稿をやめた瞬間に効果が止まります。一方、オウンドメディアの記事は、公開後も残り続けて集客し続けてくれます。つまり、費用は「消える広告費」ではなく「積み上がる資産への投資」です。

書いた記事は、検索やAIから見つけられる資産です。1本ずつ積み上げるほど、複利のように効いてくるのが特長です。同じ10万円でも、消える広告と残る資産では、長い目で見た価値が違います。蓄積型の発信についてはコンテンツマーケティングの複利効果もご覧ください。

成果が出るまでの期間を予算に織り込む

2つ目は、時間の見込みです。オウンドメディアは、成果が出るまでに半年〜2年ほどかかります。ここを見誤ると、「3か月やって効果がないからやめる」となりがちです。これが、もっとも多い失敗パターンになります。

大切なのは、成果が出るまでの期間を、はじめから予算に織り込むこと。たとえば「1年は続ける」と決めて、その分の予算を確保します。短期で費用対効果を求めず、腰を据えて取り組む。この合意が、途中での撤退を防ぎます。

小さく始めて、成果を見ながら増やす

3つ目は、予算の増やし方です。最初から大きな予算を投じる必要はありません。むしろ、小さく始めて手応えを確かめるほうが、無駄が出にくくなります。

月5万円で始め、問い合わせや検索流入が増えてきたら、外注を足して本数を増やす。成果を見ながら段階的に増資する。これがリスクを抑える進め方です。費用に迷ったら、まずは自社に合う規模を一緒に考えるところからでも構いません。ハッシンラボ Premiumでは、発信運用の個別相談を承っています。

よくある質問(FAQ)

Q1. オウンドメディアの費用は最低いくらから始められますか?

内製を中心にすれば、月数千円〜数万円から始められます。WordPressの利用自体は無料で、レンタルサーバー代とドメイン代が中心になるためです。記事を自社で書けば、制作費は人件費のみで済みます。まずは小さく始め、成果を見ながら外注を足していく進め方が現実的でしょう。

Q2. 記事制作を外注すると1本いくらかかりますか?

1記事あたり5万円前後が一つの目安です。専門家の監修を付ける場合は1万円ほど、写真撮影を依頼する場合は3万〜5万円ほどが加算されます。BtoB向けの専門性が高い記事では、1本8万〜20万円になることもあります。文字数や専門性、リサーチ量によって変動します。

Q3. 運用をまるごと代行してもらうといくらですか?

運用代行の料金相場は、月30万〜80万円程度です。戦略設計・記事制作・効果測定までを一括で任せられる一方、費用は大きくなります。社内に担当者がいて、保守やCMS利用のサポートだけで足りる場合は、月数千円〜数万円に収まることもあります。自社の体制に合わせて範囲を選ぶことが大切です。

Q4. 費用をかければ早く成果が出ますか?

費用と成果のスピードは、必ずしも比例しません。オウンドメディアは、検索やAIから見つけられる資産が積み上がるまでに、半年〜2年ほどかかるのが一般的です。本数を増やすことはできますが、成果が表れる期間は短縮しにくいもの。先に期間を見込んで予算を組むことをおすすめします。

Q5. 中小企業は内製と外注のどちらがよいですか?

多くの中小企業には、両方を組み合わせるハイブリッドが現実的です。自社しか語れない一次情報は社内で、リサーチに時間がかかる記事は外注、という分担になります。すべて内製では更新が止まりやすく、すべて外注では費用がかさみます。自社の強みが出る部分だけ内製に残すと、費用と質のバランスが取りやすくなります。

飯塚昭博

この記事の著者

飯塚 昭博

Akihiro Iitsuka

コントリ株式会社 代表取締役

青山学院大学卒業後、自動車会社にて年間180億円規模の設備調達を担当。中小企業経営者の想いに触れる中でその価値を伝えることに使命を感じ、2023年独立。経営者インタビューメディア「コントリ」を運営し、100社以上の経営者を取材。SEO・AI活用・発信設計を通じて中小企業の「伝わる発信」を支援している。

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