2026年は、Googleのコアアップデートが立て続けに行われた一年でした。3月と5月、二度の大きな変動に、頭を抱えた発信担当者も多いはずです。
順位が動くたびに不安になる。その気持ちは、よく分かります。けれども、変動には共通した理由があります。理由を読み解けば、次の備えが見えてきます。一過性の対策ではなく、長く効く土台づくりに目を向けたいところです。
この記事では、2026年に起きたコアアップデートを振り返ります。3月と5月の変化、そこから見える傾向、そして中小企業がとるべき対応までを、現場目線で整理してお伝えします。
2026年のGoogleコアアップデートの全体像
2026年は、コアアップデートが短い間隔で実施された年でした。まずは、いつ何が起きたのかという全体像をつかみましょう。基礎用語にも軽く触れておきます。
一年を通して見ると、変動の波には一貫した方向性がありました。場当たり的に順位が動いたわけではありません。Googleの評価軸が、はっきりと一つの方向へ進んでいます。
2026年のGoogleコアアップデート時系列
3月
大規模な順位変動
検索上位3位の約8割が入れ替わる大変動。直前のスパムアップデート完了から数日での展開でした。
5月
まとめ記事の淘汰
独自情報の薄いまとめ記事が大きく下落。一次情報を持つページは評価を維持し、明暗が分かれました。
AI検索時代の評価軸が鮮明に
「引用される情報源」になれるか。独自性と一次情報を重視する方向性が、はっきりと示されました。
2026年に実施された主なコアアップデート
2026年は、3月と5月にコアアップデートが展開されました。いずれも完了まで数日から2週間ほどかかり、その間は順位が安定しませんでした。
注目すべきは、その間隔の短さです。3月の余韻が冷めないうちに、5月の波が来た。立て続けの更新は、Googleが品質改善を急いでいる表れとも読めます。
この頻度は、発信担当者に一つの示唆を与えます。年に何度も来る変動を、その都度こわがっていては身が持ちません。大切なのは、波ごとに一喜一憂しない土台づくりです。
そもそもコアアップデートとは(基礎のおさらい)
コアアップデートとは、Googleが検索品質を全体的に見直す大規模な更新のことです。特定のサイトを罰するものではなく、評価基準そのものを底上げする仕組みです。
仕組みの詳しい解説は、基礎をまとめた別の記事に譲ります。ここでは「順位変動は相対評価の見直し」とだけ押さえておけば十分です。
つまり、順位が下がっても自社が罰せられたわけではありません。周囲との相対的な位置づけが変わっただけです。この前提を共有しておくと、以降の話が腹落ちしやすいはずです。
2026年3月コアアップデートで起きたこと
2026年最初の大きな変動が、3月のコアアップデートでした。順位の入れ替わりが大きく、多くのサイトが影響を受けています。その特徴を見ていきます。
3月の動きは、後に続く5月の前触れでもありました。何が評価され、何が落ちたのか。その輪郭を確認しておきましょう。
検索上位の顔ぶれが大きく入れ替わった
3月のアップデートでは、検索上位3位の約8割が入れ替わったとする分析が報告されています。これは、相当に大きな変動です。
長く上位を保っていたページが、一気に順位を下げる。そんな例が各所で見られたのです。安定していた検索結果が、根こそぎ動いた印象です。
ただし、すべてのサイトが下がったわけではありません。むしろ、これまで埋もれていた良質なページが浮上する場面も目立ちました。変動は、淘汰であると同時に、新しい書き手にとっての好機でもあります。
スパムアップデート直後の展開だった
もう一つの特徴が、タイミングです。3月のコアアップデートは、直前のスパムアップデート完了からわずか数日で展開されました。
スパムアップデートとは、規約違反の手法を取り締まる更新のことです。二つの更新が連続したことで、変動の幅はさらに広がっています。
短期間に二段階で評価が見直された格好です。だからこそ、3月の順位だけを見て一喜一憂するのは早計でした。展開が完全に落ち着くまで待つ。その忍耐が、正しい現状把握につながります。
2026年5月コアアップデートで起きたこと
3月に続き、5月にもコアアップデートが展開されました。ここでは、コンテンツの中身による明暗がいっそう鮮明になりました。生データから見えた事実をお伝えします。
5月の変動は、これからの発信の方向を指し示しています。何を作るべきか、その答えがはっきりと表れました。
2026年5月アップデートで分かれた明暗
順位を分けたのは、文章のうまさではなく中身の独自性でした
独自情報の薄いまとめ記事
他サイトの情報を寄せ集めただけのページ。検索すれば見つかる内容のため、AIにも要約され、わざわざ読む理由が薄れました。
一次情報・実体験を持つページ
自社のデータや現場の声、実際に試した体験を盛り込んだページ。そこでしか得られない情報が、評価の維持につながりました。
「まとめ記事」が大きく順位を落とした
5月の生データ検証では、独自情報の薄い「まとめ記事」型のページが大きく順位を落としました。他サイトの情報を寄せ集めただけのページが、評価を下げたのです。
一方で、自社の一次情報や実体験を持つページは、評価を保っています。中身の独自性が、明暗をはっきり分けた格好です。
この差は、文章のうまさではありません。書かれている中身が、そこでしか得られないものかどうか。その一点に尽きます。技術より、素材。5月の結果は、そう語りかけてきます。
AI検索時代の評価軸が鮮明になった
この結果は、AI検索時代の評価軸を映しています。AIが要約できる情報は、わざわざ検索で読む理由が薄れます。だからこそ、AIには出せない独自の情報が選ばれます。
「引用される情報源になれるか」。2026年の変動は、この問いを私たちに突きつけました。表面をなぞる発信は、もう通用しません。
2026年の変動から見える3つの傾向
3月と5月の動きを並べると、2026年のGoogleが何を評価しているかが浮かび上がります。中小企業の発信に直結する3つの傾向に絞って整理します。
傾向をつかめば、対応は難しくありません。やみくもに動くのではなく、向かうべき方向を見定めましょう。
2026年の変動から見える3つの傾向
向かうべき方向は、はっきりと示されています
一次情報と実体験の重視
自社で集めたデータや現場の声を語れるページが、評価を伸ばしています。借りものの知識では差がつきません。
AIに引用される情報源
AI検索が要約の引用元に選ぶのは、独自データや専門的な見解。引用される情報を持つことが強みになります。
薄いまとめ記事の淘汰
検索すれば見つかる情報の寄せ集めは価値を認められにくく、一本の深さで勝負する流れが強まっています。
一次情報と実体験がますます重視される
最も明確な傾向が、一次情報の重視です。一次情報とは、自社で集めたデータや現場の声など、他にはない元情報のことです。例えば、自社の利用者アンケートが当てはまります。
書き手が実際に体験したこと。それを語れるページが、評価を伸ばしています。借りものの知識では、もはや差がつきません。
例えば、同じ「導入手順」を解説するにも、実際に使った人の一言は重みが違います。つまずいた点、工夫した点、現場ならではの注意。そうした生の声が、読者にもAIにも響きます。
AIに引用される情報源が選ばれる
次に、AIに引用される存在になれるかという軸です。AI検索は、信頼できる情報源を要約して答えます。その引用元に選ばれることが、新しい露出の形と言えます。
独自データや専門的な見解は、AIが頼りにする素材です。引用される情報を持つことが、これからの強みになっていきます。
見方を変えれば、これは中小企業への追い風です。大手と物量で張り合う必要はありません。自社の現場にしかない一次情報こそ、AIに選ばれる切り札です。
薄いまとめ記事が淘汰されていく
三つ目は、薄いまとめ記事の淘汰です。検索すれば見つかる情報を並べただけのページは、価値を認められにくくなりました。
量で押す時代は、静かに終わりつつあります。一本の深さで勝負する。中小企業にとっては、むしろ追い風と言える変化です。
記事の本数を競っても、大手にはかないません。けれど、一本の濃さでなら勝てます。現場を知る当事者だからこそ書ける深掘りに、勝機があるのです。
中小企業が2026年のアップデートにどう備えるか
傾向が分かれば、打ち手はおのずと決まってきます。人手の限られる中小企業でも実践できる、3つの備えをお伝えします。どれも今日から始められます。
大切なのは、特別な裏技ではありません。地に足のついた取り組みを、淡々と続けることです。
中小企業が次のアップデートに備える3つの行動
どれも今日から始められます。チェックして取りかかりましょう
特別な裏技より、地に足のついた継続が最大の備えです
自社の一次情報を棚卸しする
まずは、社内に眠る一次情報を探しましょう。顧客の声、現場の数字、よく聞かれる質問。どれも他社にはない財産です。
これらを記事に織り込むだけで、独自性は一気に高まります。手元の素材を見直すことが、最初の一歩です。
難しく考える必要はありません。営業がよく受ける質問を一つ、丁寧に記事化する。それだけでも、検索する人の役に立つ一次情報になります。素材は、すでに社内にあります。
判断の基準は、一つだけ。「この内容は、自分たちだから書けるか」。その答えがイエスなら、2026年以降のアップデートにも揺らがない記事へ近づいています。
専門テーマを蓄積で深掘る
次に、専門領域を一つ決めて掘り続けます。あれもこれもと広げず、自社の強みが活きるテーマに絞ります。
蓄積型発信とは、一過性の話題ではなく、資産として残る情報を積み上げる考え方です。深く掘ったテーマは、更新の波が来ても揺らぎません。
一つの領域を、基礎から応用、よくある失敗まで網羅していく。そうしたサイトは、Googleから「この分野に詳しい場所」と認識されていきます。広く浅くより、狭く深く。これが2026年以降の発信の合言葉です。
公式情報で事実を確認する習慣を持つ
最後に、情報源を見極める習慣です。アップデートの噂が流れると、SNSは騒がしくなります。そんなときこそ、Google検索セントラルの公式情報で事実を確かめましょう。
一次情報にあたる癖は、発信の精度も高めます。不確かな情報に振り回されず、落ち着いて判断できます。
アップデートのたびに、真偽の怪しい対策法が出回ります。鵜呑みにすれば、かえって遠回りです。公式の一次情報という拠りどころを持つことが、無駄な施策を防ぐ盾になってくれます。
次のコアアップデートに向けて今やること
コアアップデートは、これからも定期的にやってきます。次の波に振り回されないために、今のうちにやっておきたいことを確認しましょう。
備えがあれば、変動は怖くありません。むしろ、自社の発信を見直す機会に変えていけます。
2026年の二度の変動も、振り返れば学びの宝庫でした。何が評価され、何が消えたのか。その教訓を次に生かせる人だけが、波を味方につけられます。
順位が下がったときの落ち着いた初動
もし順位が下がっても、慌てて記事を消さないでください。コアアップデートは相対評価の見直しのため、回復は次回更新で判断されます。
まずは質の低いページを棚卸しし、読者起点で記事を磨く。その淡々とした対応こそ、結局は最短の回復ルートです。
サーチコンソールで、表示回数の推移を見るのも有効です。順位という結果だけでなく、その手前の表示回数に目を向ける。回復の兆しは、たいていそこに先に表れます。
続けることが最大の備えになる
最後に、何より大切なのは続けることです。一度のバズより、十本の積み重ね。回し続けた発信だけが、資産として残ります。
2026年の変動は、独自性と継続の価値を改めて教えてくれました。自社にしか書けない情報を、こつこつと積み上げる。それが、次のアップデートに揺るがない一番の備えになります。
強みと「次の一歩」を、その場でお返しします。