AI時代のSEO、指名検索の多いサイトが安定して伸びる

SEO・検索流入の活用

朝、パソコンを開いて自社サイトのアクセス数を確認する。

その数字を見るたびに、「本当にこのままのSEO対策で大丈夫だろうか」と不安を感じる経営者の方は少なくないのではないでしょうか。

Googleの検索結果にAIが答えを表示するようになり、どれだけ良い記事を書いても、以前ほどクリックされなくなってきました。こうした変化の中で、2025年に安定して成長したサイトには、ある共通点があることがわかってきています。

それが「指名検索の多さ」という視点。

Web担当者Forumの調査によると、2025年のSEOで伸びたサイトの傾向は「指名検索の多いサイトが安定して伸びた」ことです。AI検索の普及により、ブランド力と信頼性がこれまで以上に重要になっています。

この記事では、なぜ今「指名検索」が経営者の皆様にとって重要なのか、そして明日から始められる具体的な対策について、実践的にお伝えしていきます。

AI検索時代のSEO環境の変化
従来の検索結果
広告(リスティング)
自然検索結果 1位
自然検索結果 2位
自然検索結果 3位
自然検索結果 10位
AI Overview表示後
AI生成の回答(AI Overview)
広告(リスティング)
↓ 押し下げ
自然検索結果 1位
自然検索結果 2位
自然検索結果 3位…
AI Overview表示時の検索1位ページ
34.5%
クリック率 減少
出典:Ahrefs(2025年 30万キーワード調査)
だからこそ「指名検索」が重要

なぜ今、指名検索が重要なのか?

AI検索時代の到来がもたらす変化

2024年から本格的に導入されたGoogleの「AI Overviews」という機能をご存じでしょうか。

検索結果の最上部に、AIが自動で生成した答えが表示されるようになりました。ユーザーは複数のWebサイトを一つひとつ開かなくても、質問に対する答えの概要を素早く把握できる仕組みです。

この変化により、Ahrefsの調査では「AI Overviewが表示される場合、トップページのクリック率が34.5%減少する」という結果が出ています。従来の「良いコンテンツを作れば上位表示される」という図式だけでは、通用しにくくなってきている現実があります。

実際に、キーワードマーケティングが2025年5月に実施した調査では、2025年3月以降「AI Overviewの影響で自然検索からの流入が減少した」と回答した企業は約6割(61.9%)にのぼりました。一方で、約2割(15.1%)の企業は増加したと回答しており、AI時代に適応できているサイトも存在します。多くの経営者が変化の真っ只中にいる状況です。

指名検索はアルゴリズム変動に強い

こうした変化の中で注目されているのが、「指名検索」という概念。

指名検索とは、ショップ名や会社名やサイト名、商品名などのブランドキーワードを含む検索のことを指します。「〇〇株式会社」「△△サービス」といった、具体的な名称で検索されること。

なぜ指名検索が重要なのでしょうか。それは、自社名や取り扱う商品の公式サイトは自社サイトであり、SEO対策をしておくと上位表示されやすいメリットがあるためです。

さらに重要なのは、指名検索の場合、自サイトとキーワードの関連性が非常に高いため、アルゴリズム変更の影響を受けにくく、高い順位を維持しやすい傾向にあること。

一般的なキーワードでの検索順位は、Googleのアルゴリズム変更で大きく変動します。しかし、自社名での検索であれば、その影響を受けにくい。経営の安定性という観点からも、非常に価値のある集客経路といえるでしょう。

指名検索はブランドの信頼性を示すシグナル

さらに深い意味があります。

Googleは指名検索を、実際の人々によく知られ、関心を持たれている証明として扱い「サイト品質スコア」や「暗示的リンク」として順位づけに使用しています。これは複数の特許文書で明らかにされており、SEO業界では実際のアルゴリズムに実装されていると広く認識されています。

つまり、指名検索が多いということは、Googleに対して「このブランドは人々に支持されている本物のブランドである」というメッセージを送っていることになります。

指名検索は、そのサイト(ブランド、サービス、プロダクト)がきちんと認知されており、検索者が何かを検索する際に頭の中で想起されているからこそ起きる検索行動。マーケティングの世界では「脳内SEO」とも呼ばれているそうです。

お客様が何か必要なものを探すとき、まっさきに御社のことを思い浮かべてくれる。そんな関係性を築くことこそが、これからのSEOの本質といえるかもしれません。

指名検索を増やす具体的な方法

それでは、どうすれば指名検索を増やすことができるのでしょうか。

ここでは、中小企業の経営者の方が明日から取り組める実践的な施策をご紹介します。

明日からできること:現状把握からスタート

まず最初にやっていただきたいのが、現状の把握です。

Google Search Console(サーチコンソール)という無料ツールを使って、自社名やサービス名でどれくらい検索されているのかを確認してみましょう。「検索パフォーマンス」というメニューから、自社名を含むキーワードで絞り込むと、指名検索の状況が見えてきます。

数字を見ることで、「思ったより少ないな」「意外と検索されているんだな」といった気づきが得られるはず。この気づきが、次の一歩につながります。

1週間以内にやるべきこと:ブランド名の統一

次に取り組んでいただきたいのが、ブランド名の統一です。

自社のWebサイト、SNSのプロフィール、名刺、パンフレットなど、あらゆる場所で会社名やサービス名の表記を統一しているでしょうか。

例えば、正式名称が「株式会社〇〇」なのに、SNSでは「〇〇株式会社」になっていたり、Webサイトでは略称を使っていたり。こうした不統一があると、せっかく覚えてもらっても検索されにくくなってしまいます。

社名やサービス名などがユニークかつ簡潔である必要もあります。覚えやすく、検索しやすい名前であること。これは今から変えることは難しいかもしれませんが、新しいサービスを立ち上げる際には意識したいポイントといえるでしょう。

長期的に取り組むこと:価値ある情報発信

そして最も重要なのが、継続的な情報発信です。

リアルでの認知を促し、Web上での言及を少しずつ増やすことが、指名検索を増やす王道。SNS、ブログ、プレスリリース、セミナー、展示会など、あらゆる機会を通じて自社の存在を知ってもらう活動を続けることが大切です。

特に効果的なのが、月1回のプレスリリース配信。新商品の発表だけでなく、お客様の声、社内の取り組み、地域貢献活動など、発信できるネタは意外と多くあります。

指名検索が増えることは、SEOの評価向上やブランドへの信頼獲得に直結するもの。地道な活動の積み重ねが、やがて大きな成果となって返ってきます。

ここまでご紹介した施策を、時系列で整理した図解をご覧ください。

指名検索を増やす3段階アクションプラン
STEP 1
明日から
現状把握
ACTION
Google Search Consoleで指名検索数を確認
EFFECT
現在の立ち位置を把握し、改善の基準点を設定
STEP 2
1週間以内
基盤整備
ACTION
ブランド名の統一(Webサイト・SNS・名刺等)
EFFECT
検索時の表記ゆれを防ぎ、認知を集約
STEP 3
長期継続
認知拡大
ACTION
月1回のプレスリリース配信・SNS発信・セミナー開催
EFFECT
継続的な露出で指名検索数を増加

AI時代のSEO戦略:独自性と専門性の追求

ニッチな分野で第一想起を目指す

AI時代のSEOで勝ち残るためには、「広く浅く」ではなく「狭く深く」という戦略が有効です。

ニッチな専門性を深く掘り下げ、その分野での第一想起を目指すこと。これが中小企業にとっての勝ち筋といえるでしょう。

大手企業と同じ土俵で戦おうとしても、資金力や知名度で太刀打ちできません。しかし、特定の地域、特定の業界、特定の課題に特化すれば、その分野での専門家として認知される可能性が高まります。

例えば「リフォーム会社」ではなく「築30年以上の団地専門リフォーム」、「税理士」ではなく「飲食店の経営改善に強い税理士」といった具合に、自社の強みを明確に打ち出していく。

そうすることで、「〇〇のことなら△△さん」と、お客様の頭の中で第一想起される存在になれるかもしれません。

独自の体験と知見を発信する

AI時代において、コンテンツに求められるものが変わってきています。

コンテンツ制作者は一次体験、深さ、独自の洞察を提供することで勝てる時代。AIが生成できる一般的な情報ではなく、御社だからこそ語れる経験や知識を発信することが重要です。

お客様との実際のやり取りの中で気づいたこと、長年の経験から学んだノウハウ、失敗から得た教訓。こうした「生の情報」は、AIには真似できない価値があります。

完璧な文章である必要はありません。むしろ、人間らしい温度感のある文章の方が、読み手の心に響くこともあるでしょう。

よくある失敗パターンと回避方法

ビッグキーワードばかりを狙う罠

SEO対策でよくある失敗が、ビッグキーワードばかりを狙ってしまうこと。

「リフォーム」「税理士」といった検索ボリュームの大きなキーワードで上位表示したい気持ちはわかります。しかし、こうしたキーワードは競合が多く、上位表示が非常に困難。しかもAI検索の影響を最も受けやすい領域でもあります。

ビッグキーワードばかり狙って、自社ブランドの認知施策を怠ることは、大きな機会損失につながる可能性があります。

むしろ、自社名やサービス名での検索を着実に増やしていく。地道ですが、これが長期的には最も効果的な戦略といえるでしょう。

短期的な成果だけを求めてしまう

もう一つの失敗パターンが、短期的な成果だけを求めてしまうこと。

指名検索を増やす、ブランド力を高めるという取り組みは、残念ながら即効性がありません。SNSで拡散されて一気に知名度が上がることもありますが、多くの場合は地道な積み重ねが必要です。

ブランディングは時間がかかるが、一度構築すれば広告費削減につながるもの。長期的な視点を持って、腰を据えて取り組むことが大切です。

3ヶ月、半年、1年と続けていくうちに、「最近、社名で検索してくれるお客様が増えてきた」と実感できる日が必ず来るはずです。

これからの時代に必要な視点

ゼロクリック検索時代への適応

AI Overviewが表示される検索クエリでは、従来はユーザーの目に最初に触れていた広告や自然検索の結果が、視認性の低い位置へと押し下げられてしまう現状があります。

これを嘆いても始まりません。むしろ、この変化を前向きに捉え、新しい戦略を立てることが求められています。

指名検索は、こうしたAI検索の影響を受けにくい貴重な集客経路。お客様が最初から御社を目指して検索してくれるのですから、AI検索に邪魔されることもありません。

検索エンジンのアルゴリズムがどう変わろうと、お客様との信頼関係さえ築けていれば、安定した集客が可能になります。

お客様との関係性こそが最大の資産

結局のところ、SEOもマーケティングも、突き詰めればお客様との関係性に行き着きます。

一番は顧客を見据えた真摯な活動であり、どんな人々がどんなきっかけで何を求めてどうなっていきたいか、いわゆるマーケティング的考え方が不可欠です。

お客様の課題に真摯に向き合い、本当に価値のあるサービスを提供し続ける。その姿勢が、やがて「あの会社なら信頼できる」という評判を生み、指名検索につながっていくのではないでしょうか。

技術的なSEO対策も大切ですが、それ以上に大切なのは、お客様に選ばれ続ける会社であること。そのための努力を続けていくことが、何よりの「SEO対策」かもしれません。

この好循環の関係性を図で整理してみましょう。

お客様との
信頼関係
1
価値あるサービス提供
顧客満足が自然な紹介を生む
2
口コミ・評判の向上
評判が社名での検索を促す
3
指名検索の増加
ブランド力がSEO評価に直結
4
Googleからの評価向上
(サイト品質スコア)
サイト信頼性が順位を支える
5
検索順位の安定
見つけてもらえる機会が増加
6
新規顧客の獲得
新たな関係構築の始まり
信頼が新たな価値提供へとつながる

まとめ:2026年のSEO戦略

AI時代のSEOは、従来の「検索順位を上げる」という発想だけでは通用しなくなってきています。

大切なのは、お客様の頭の中で「〇〇といえば△△社」と想起される存在になること。そのために、地道に情報発信を続け、ブランド力を高めていく。時間はかかりますが、これが最も確実な道といえるでしょう。

明日からできることは、まず現状を知ること。Google Search Consoleで指名検索の状況を確認し、SNSやWebサイトでのブランド名表記を統一する。そして、月に1回でもいいので、プレスリリースやブログで情報発信を始めてみる。

小さな一歩かもしれませんが、その積み重ねが、やがて大きな変化を生み出すはずです。

AI時代だからこそ、人間らしい温かみのある発信が価値を持つ。御社ならではの想いや経験を、ぜひ言葉にして発信してみてください。きっと、その想いに共感してくれるお客様が現れるはずです。

【参考資料・相談窓口】

SEO・Web マーケティング支援

中小企業のブランディング支援

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